浄土宗 浄土宗暦 今月の言葉
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2001年 1月


 明けましておめでとうございます。2001年のお正月です。21世紀、新しい世紀の初めです。どんな世紀になるのか、期待に胸がふくらみ、わくわくします。家庭に、仕事に、趣味に、人生に、新たな誓いをしないではいられません。
 でも、ちょっとその前にぜひ一考を。今月の「心の眼(め)を開こう」の言葉を念頭に、誓いをたてていただきたいと思います。
 お檀家さんに、私どもが毎月のお舅(しゅうと)さんのご命日か、お姑(しゅうとめ)さんのご命日、どちらかの日にうかがって、ご回向するお宅があります。
 そこのお嫁さん───といっても、すでに海外に出張中の息子さんと、OLの娘さんがおられる奥さまです───は、いつも一緒に『阿弥陀経』を読み、一緒にお念仏をおとなえになる信仰のあつい方です。
 その奥さまが、あるとき「私、おばあちゃん(お姑さん)に助けてもらったんですよ」と話をしてくださいました。
 「私は、スポーツクラブの会計をしています。実は先日、クラブの会費の入ったお財布を家のどこかに大切にしまったのですが、すっかり場所を忘れてしまったんです。
 思い当たりをあちこち探しましたが無くて、そうなると財布のことだけが気になってイライラ、家事も主人も娘も放ったらかしになってしまったんです。
 もうやめよう、明日にしようと思い、床に就くその前に、『おばあちゃん助けて!』と頼んだのです。すると不思議なことに、ハッとお財布を置いた場所が思いだせたんです」
 娘さんは、これを見ていて、「朝夕お花をあげ、お香を焚いて、お念仏してるんだもの、おばあちゃんが助けてくれたのよ」と言ったそうです。
 人は気になることがあったり、カッとすると他のことをすっかり忘れてしまうものです。いえ、今の世の中、ほとんどの人が、大かれ少なかれ、それと同じ状態になっています。大切なことを忘れて、ただイライラ、カリカリと毎日を過ごしているように思えます。
 正しい道、真実の世界を見つめる「心の眼」を養うことが大切なことです。
 常日ごろから、仏さまと一緒になって生活することで、その大切な「心の眼」は養われるものです。
 イライラ、カリカリの心でいくら考えても、正しい道──奥さまの場合はお財布でしたが──は見つかりませんよ。心の眼を開き、心やすらかな人生を歩むための誓いをおたてください。

(神奈川県横浜市・大誓寺 塩沢智彦)
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