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新発見の知恩寺蔵 快慶作 木造阿弥陀如来立像

木造阿弥陀如来立像
像高:98.9cm

新発見の知恩寺蔵 快慶(かいけい)作
木造阿弥陀如来立像(もくぞうあみだにょらいりゅうぞう)

現在、浄土宗では2011年の宗祖法然上人八百年大遠忌法要の記念事業の一環として、学術出版のための宝物調査(委員長 中井 眞孝氏)を実施しているところですが、平成18年8月京都百万遍の知恩寺の宝物調査を実施いたしましたところ、知恩寺御影堂後陣に祀られる木造阿弥陀如来立像は、下記に示す事由により、平安末期から鎌倉初期にかけて、運慶とともに活躍した仏師快慶の作と考えられます。快慶はわが国彫刻史に大きな影響を与えた仏師であることから、彼の作品が新たに見出されたことは極めて重要であり、広報いたします。

【仏師快慶】生没年?~?

生没年は不詳であるが、記録上では寿永二年(1183)の運慶願経の結縁者の一人として名を連ねることから、貞応二年(1223)醍醐寺閻魔堂諸像の造立までの約40年間の事跡が知られている。快慶の活躍期間は、その署名の方法によって①建久四年(1193)頃から「安阿弥陀仏」と号した無位の時代(例:醍醐寺三宝院弥勒菩薩像・遣迎院阿弥陀如来立像ほか)、②建仁三年(1203)11月に「法橋」位となり、承元二年~四年(1208~1210)までの間に「法眼」位になるまで(例:東大寺公慶堂寺像菩薩像・大円寺阿弥陀如来立像)、③「法眼」位の時代(岡山東寿院阿弥陀如来立像・高野山光台院阿弥陀如来立像ほか)の三期に分けることができる。なお、古代においては、「仏師」は造像には基本的には署名が許されなかったが、平安時代後期に散見されるようになり、先代の康慶、そして運慶および快慶らから積極的に署名するようになる。 快慶の造像関係は、平家によって焼かれた東大寺および興福寺再興期の慶派仏師の一員としての活動、東大寺再興総勧進職にあった重源との関係、真言宗および天台宗関係の造像、藤原通憲(信西)一統との関係、そして浄土宗関係の造像など、幅広い人脈を持っていたことが理解される。

〔事 由〕

木造阿弥陀如来立像
  1. 建久五年(1194)から正治元年(1199)の間に造立されたことが納入品から明らかで、左足?に快慶の法号「巧匠アン(梵字)阿弥」の墨署銘を有する京都・遣迎院の阿弥陀如来立像に量感の表現が近似し、衣褶表現にもかなりの共通性が見られる。
  2. 耳の表現や後頭部螺髪に快慶作品の顕著な表現が確認できる
  3. 知恩寺像は左胸前で衲衣(袈裟)を紐二条で吊るという服制を示すが、この表現は同じく足ほぞに「巧匠アン(梵字)阿弥陀佛」の墨署銘を有する奈良・西方寺の阿弥陀如来立像のそれと極めて強い類似性を示している。 ※西方寺像・松尾寺坐像・(新光明寺像)
  4. 快慶作のいわゆる三尺阿弥陀立像は、胸前の衲衣の処理法から①衲衣と覆肩衣で単純なU字形の弧線を示す段階、②右腋に一旦弛みを持たせる段階、③左右の両腋に対称的に弛みを表現する段階へと変化することが先学により指摘されているが、知恩寺像をはじめ、比較対象に挙げた遣迎院像・西方寺像はいずれも①の段階の衣文表現を示している。
  5. 知恩寺像には、仕上げ装飾として切金による様々な文様が配されているが、遣迎院像をはじめ、東大寺俊乗堂阿弥陀像・高野山光台院阿弥陀像ほかの作例の文様と共通性が見られる。
  6. 頭部から三道の内刳り部に像内納入品があるようである(X線写真)。
木造阿弥陀如来立像
木造阿弥陀如来立像

【参 考】

快慶作品の三尺阿弥陀如来像の作例

1. 京都・遣迎院像 8. 大阪・大円寺像
2. 奈良・西方寺像 9. 岡山・東寿院像
3. 大阪・八葉蓮花寺像 10. 奈良・西方院像
4. 和歌山・遍照光院像 11. 滋賀・圓常寺像
5. 奈良・安養寺像 12. 京都・大行寺像
6. 栃木・真教寺像 13. 奈良・光林寺像
7. 奈良・東大寺公慶堂像 14. 和歌山・光台院像
画像 画像 画像

木造阿弥陀如来立像


法然上人図録制作調査専門委員

(委員長)中井 眞孝

専門―古代・中世仏教文化
1943年滋賀県に生まれる。京都府立大学卒業後、大阪大学大学
院文学研究科博士課程修了。1985年佛教大学文学部教授。副学長、学長を歴任。文学博士。
現在、華頂女子高等学校校長。
主な著書
『日本古代仏教制度史の研究』、『法然伝と浄土宗史の研究』、『法然絵伝を読む』ほか論文多数。

(委員)安嶋 紀昭

専門―仏教絵画史
1961年東京都に生まれる。学習院大学大学院博士前期過程修了。1985年東京国立博物館研究員、主任研究員を経て2005年広島大学大学院教授。文学博士。 主な著書
『秘仏金色不動明王画像』ほか論文多数。

(委員)伊藤 唯眞

専門―古代・中世仏教文化
1931年滋賀県に生まれる。同志社大学大学院博士課程修了。
1974年佛教大学文学部教授。文学部長、学長を歴任。
現在、京都文教学園学園長、佛教大学名誉教授。文学博士。
2007年4月大本山清浄華院第81世法主に就任。
主な著書
『伊藤唯眞著作集』4巻、『法然の世紀』、『仏教における女性観』ほか論文多数。

(委員)石上 善應

専門―仏教文化、梵文
1929年北海道に生まれる。大正大学大学院文学研究科仏教学専攻修士課程修了。1973年大正大学仏教学部教授。仏教学部長、人間学部長歴任。
現在、浄土宗総合研究所所長、淑徳短期大学学長。
主な著書
『日本の名著5法然』、『NHKこころを読む浄土三部教』、『仏像―その語りかけるもの』ほか論文多数。

(委員)土井 通孝

専門―日本美術史・日本文化史
1952年大阪府に生まれる。同志社大学大学院博士課程後期中退後、滋賀県立琵琶湖文化館学芸員を経て2006年岡山・就実大学教授。
論文「空海請来目録の一考察」、「蜊江神社天部形立像について」、「滋賀竹田神社・神像二躯の制作年代について」ほか多数。