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浄土宗の法話【2012年10月15日】

お念仏の内側

    ある人から聞いた話です。

    Aさんは、40代のサラリーマンだといいます。無宗教であることを、誇らしげに語っていました。そして、宗教団体の事件や、スキャンダルに、いつも批判の声を挙げていました。

    むかし[アンチ巨人も巨人ファン]と言う言葉がありましたが、Aさんも同じような道をたどり始めます。

    たとえば、批判するには、内容をよく知ってから、とAさんは言います。そうでなければ、[まとをはずす]ことがあるからです。根拠も無く、風評に乗るタイプではありませんでした。根が[まじめ]なのですね。Aさんの本箱は、宗教書でイッパイだとか。

    そのAさんに、1年ほど前、本当に困ったことが起きました。

    小学校6年の娘さんが、青あざを作って帰って来る事が多くなった、というのです。元来、活発な女の子ですから、[もう少し、おしとやかになって欲しいな]と思っていました。まぁ時間がたてば、女の子らしくなるだろう、とあせる事も無く過ごしていました。

    しかし、Aさんの奥さんは、[おかしい]
と気付き始めました。そして、何と、白血病の初期症状であることが、判明したのです。
娘さんは、引きこもりがちになり、暗いムードがAさんの家を支配し始めました。

    「おとうさん、わたし、死んだらどうなるの」

    Aさんは、会社にいても、その言葉が頭から離れなかった、といいます。

    Aさんには、宗教批判をしていた仲間に、つい最近、同じような年齢の子どもを、交通事故で亡くした友人がいました。

    ワラをもすがる思いで、Aさんは、その人の家をたずねました。

    Aさんは、驚いたようです。その人の家には、一家の中心であるかのように、お仏壇がおまつりしてあったのです。

    「人間って、それほど強くはないんだよ」

    その言葉に、Aさんは、目の覚めるように理解しました。自分は、宗教の外からながめていたのだと。

    帰って娘さんに言いました。

    「お前の病気は、きっと治る。でも、必ず人間は死ぬ。お前は、死んだら極楽に行くのだよ。極楽では、時間の経つのが早い。だれが先に死ぬか判らないが、おとうさんも、おかあさんも、すぐお前と会える。そうだなぁ、明日の朝には、一緒にいる、という感じかな」

    ともかく、宗教を知っていて、本当に良かった、とAさんは、言っているそうです。小学校6年でも、お念仏が出来ますから。

    そして、「どれだけの時間があるか、判らないけれど、家族のみんなで、生きる事に集中したい」と・・・

兵庫県尼崎市 西運寺 田野島 孝道