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浄土宗の法話【2013年5月1日】

周利槃特(しゅりはんどく)

   お釈迦様のお弟子さんに周利槃特という有名なお方がいらっしゃいます。

   お兄さんがお釈迦様のもとに弟子入りするのと同時に、周利槃特さんも一緒に弟子入りしました。

   お兄さんはとても聡明で悟りを開かれていきました。それに対し、周利槃特さんはものすごく物覚えが悪かったそうです。

   お兄さんが、周利槃特さんの為に、お釈迦様の教えを工夫して短い言葉にして教えても、きれいさっぱり忘れていました。

   お兄さんはそんな弟の事を気の毒に思い、「お前がここでいくら頑張ってみても、悟りを開けるはずがない。悟りを諦めて家に帰ったほうがお前の為だ」と言いました。

   途方にくれて、精舎の門の前で行ったり来たりしながら、シクシク泣きはらしておりました。

   するとそこに、托鉢からお帰りになったお釈迦様が通りかかったのです。周利槃特さんは一部始終をお話になりました。

   「今、兄さんに国に帰れと言われました。私は、お釈迦様のお説教を聞いても、何一つ覚えられません。私のような愚か者はいないと思っております。」と申しましたら、お釈迦様は周利槃特さんの頭をそっと撫でて、「私は君を破門にした覚えは無い。さあ、精舎に戻るが良い。

君は、自分が愚かであると嘆いておるが、真に愚かな者は、自分の愚かさを知らぬ者を言うのだ。したがって、君は真に愚かなる者では決してない。」と、こう申しました。

   そして、お釈迦様はこの周利槃特に布と箒を与え、「周利槃特よ、聖者らが精舎に戻ったときは、その聖者らの足の泥を拭い、精舎を常に掃き清めよ。

   そして、君に尊き言葉を教えよう。それは即ち『垢を除かん、塵を除かん』である。

   君はこの言葉をもって、日々、精進するがよい。」とこう申されました。
周利槃特さんは嬉し涙で泣きはらします。

   その嬉しさのあまり、早速「垢を除かん、塵を除かん」と言っては、先輩たちの足を拭き、精舎を掃き始めました。

   永い年月を経ていくうちに、周利槃特さんはだんだんと「ああ、垢とは自らの心の垢ではなかろうか?垢は絶えず除かねば、溜まる一方なのだ…」と少しずつ、小さな悟りを得ていくようになりました。

   そして、今度は「垢を除かん、塵を除かん、塵は心の塵、垢は心の垢」と掃除されて、ついには悟りを開かれました。

   周利槃特さんは、自分の事を「愚者」、愚か者であると自覚された上で、永い間、時問をかけて「垢を除かん、塵を除かん」と申されて、毎日、毎日、一生懸命、お掃除する事を通してだんだんと悟りを開かれたのであります。

   法然上人は『愚痴の法然房』とご自身のことを厳しく見つめられた上で、阿弥陀様の大慈悲のみ手におすがりするしかない身の上であると、日にお念仏を6万遍から7万編お称えになられました。

   お念仏の一行に日々精進していただきますようお願いいたします。

合掌

宮崎県延岡市 専念寺 酒井 真也