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浄土宗の法話【2013年8月1日】

どこへ往くの

   テレビ朝日「ちい散歩」のレギュラーを6年つとめた俳優の地井武男(70)さんが、昨年の6月29日心不全で死去した。地井さんは千葉県立匝瑳(そうさ)高等学校卒業後、俳優座養成所第15期生として入所した。同期生には現在も活躍している仲間が多い。特に彼は日本の四季、自然、植物を愛することでも知られ、それを象徴するかのように「ちい散歩」は自身のライフワークともいうべき番組となった。放送終了までに、1518回、訪問地833ヵ所、総歩数3,227,000歩、総距離数2581.6㎞を記録し人気番組となった。皆の知る散歩の達人である。

   ところで、俳優座で同期だった村井国夫さんは、「5月17日に同期で50年来の親友、前田吟さんたちと共に集まったのが地井さんとの最後になった」という。その時、彼は地井さんにもう時間が残されていないことを実感し、素直に質問をぶつけた。

   「(死ぬのは)怖くないか?」

   普通ならケンカになるような質問も、素直に受け応えできる間柄だったのでしょう。地井さんは、

   「怖いよ! でもどうしたらいいか分からない」
と・・・。その返答を聞いた村井さんは、恐怖と闘っていたのに余計なことをしてしまったと、涙して悔んだという。

   もしも自分が死を目前にひかえ、今と同じような質問を投げかけられたら、あなたならどう返答するのでしょうか?

   ご参考までに、私が以前読んで、大変感動した文章をご紹介させて頂きます。

   幼稚園に通うわが子の病変に驚き、急ぎ駆けつけた父親が、

   「お父さん、死んだらどこへ往くの、教えて・・・」

   苦しそうな声で、すがるようにして聞かれ、彼は返答に窮した。その父親は大学では学生に教え、難問にも慣れているのに、幼児のこの質問には即座に答えが出ない。病は重く、わが子の死は迫っているのだ。

   あせったあげく、彼の母親が生前話していたことを、とっさに思い出し、

   「お花がいっぱい咲いているキレイなところだ。マーちゃんの大好きだったおバーチャンがね、待っててくれる。何も心配ないんだよ」
と答えた。

   彼は母親の言葉など上の空で聞いていて、極楽浄土など考えたこともなかったのに、その「一言」がわが子の最期を救ったのである。

   悲しみの中で目が開けてきた。そして亡き母の言葉をあらためてかみしめ始めた。そして、「浄土の教え」に心を向け、この子を思うたびに、いつしか念仏を称えるようになったという。

千葉県木更津市 正行寺 佐藤晴輝