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浄土宗の法話【2013年8月15日】

また、会える

   便利で快適な暮らしをしながらもストレス社会だといわれている現代、わが経済大国日本をよく見ると「競争原理」にどっぷりとつかり、いつもイライラ、モヤモヤ、「こころ」が病んでいる人が多いのではないでしょうか。

   『苦しみも 悲しみも 自分の荷は
           自分で背負って 歩きぬかせてもらう 私の人生だから』 (東井義雄)

とあるように、人生の主役はやっぱり自分です。私達は今どこに向かって人生を歩み続けているのか、見失いがちの毎日です。そして、人生に目標があるとするならば、その目標をしっかり定めて生きていくことが大切なことです。

   『人生五計』ということを中国(宋代)の学者で朱(しゅ)新仲(しんちゅう)という人が提言しています。

      1.生計  2.家計  3.身計 4.老計 5.死計
がそれです。生計とか家計というのはある程度理解できますが、身計というのは体のことではなく、この説によると立身出世の「身」で処世についての計画を立てるべきであるということでした。

   そして、4番目の「老計」というのは、いかに老いるか、老いをいかに向かえるか、という自分流の計画を言っているのです。

   5番目の「死計」というのは、自分はどのように死んでいくか、死をどのように自覚するか、そして来世のことまで考えてみるというのです。つまり現代における「遺言」とか「お葬式」や「お墓」のことのようで、その内容は今話題の「エンディングノート」に通じるユニークな発想で、大変参考になります。

   最近、私もお檀家の方々に「いつか必ずお迎えが来るんですから、せめてお写真ぐらいは自分の気に入ったものを用意しておいてくださいね」と言うのですが、縁起でもないと笑い飛ばされることがほとんどです。自分のことになるとどうしても逃げ腰になりがちです。

   さて、雪の研究で世界的に有名な中谷宇吉郎さんは、61歳で亡くなるとき、奥さんの手を握って「楽しかったね」と言いのこしたそうです。

   私はこの話を聞いてつくづく考え込んでしまいました。今、自分が臨終を迎えたとしたら、いったい家内に、そして家族への「最後の言葉」は何か…なかなか思いつきません。しかし私との人生は楽しかったかどうかよりも、最後に家内が耳もとでそっと臨終の感想を聞いてくれたら、小さな声で「本当にありがとう…また極楽で会いましょう、南無阿弥陀仏」と言いたいのです。

   さて、お盆は毎年各家のご先祖様が「極楽」から里帰りする仏教行事で、年に一度、別れた人たちと必ずお会いできる有難い慣習儀礼として続いています。

   それは、「いつ、どこで、どのような最期を迎えようとも、常日ごろお称えしているお念仏の功徳によって、必ず阿弥陀さまの来迎を頂いて極楽浄土に往生することができる」という念仏信仰あってのことです。そして、臨終の間際まで一生涯かけてお念仏を称え続けようという信心の生活が「生きがい」ある人生を現実のものとしていくのではないでしょうか。

【 別れても また会える浄土あり 妻に指きりしておこう 】

千葉教区 正行寺 佐藤晴輝