浄土宗の活動


関係団体リンク

  • 浄土宗ネットワーク
  • 浄土宗出版
  • 浄土宗総合研究所
  • 公益財団法人浄土宗ともいき財団
  • 浄土宗教学院
  • 全国浄土宗青年会
  • 浄土宗スカウト連合協議会
  • 法然上人をたたえる会
  • 浄土宗平和協会
  • その他 関係団体
  • その他 関係団体

  1. 浄土宗トップページ >
  2. 浄土宗の活動   浄土宗の法話 >
  3. 浄土宗の法話【2013年12月1日】

浄土宗の法話【2013年12月1日】

切れない蜘蛛の糸

   宮城の浄土宗では、毎年七月に子供たちの夏休みを利用して「こどもねんぶつ会」という行事を開催しています。子供達がお寺に集まり、様々なレクリエーションを楽しみながらお念佛をお称えする集いであります。

   通常この中で法話をする時間があるのですが、今年は趣向を変えて佛教に纏わるお話の紙芝居をしました。その内容は芥川龍之介の作品で「蜘蛛の糸」というお話でした。そのあらすじは次のようなものです。

   お釈迦様はある時、極楽の蓮池を通してはるか下の地獄を覗き見た。幾多の罪人どもが苦しみもがいていたが、その中にカンダタ(犍陀多)という男の姿を見つけた。カンダタは生前に様々な悪事を働いた泥棒であったが、一度だけ善行を成したことがあった。小さな蜘蛛を踏み殺そうとしたが思いとどまり、命を助けてやったのだ。それを思い出したお釈迦様は、地獄の底のカンダタを極楽へ導こうと、一本の蜘蛛の糸をカンダタめがけて下ろした。

   極楽から下がる蜘蛛の糸を見たカンダタは「この糸をつたって登れば、地獄から脱出できるだろう。あわよくば極楽に行けるかもしれない」と考える。そこで蜘蛛の糸につかまって、地獄から何万里も離れた極楽目指して上へ上へと昇り始めた。ところが糸をつたって昇る途中、ふと下を見下ろすと、数限りない地獄の罪人達が自分の下から続いてくる。このままでは糸は重さに耐え切れず、切れてしまうだろう。それを恐れたカンダタは「この蜘蛛の糸は俺のものだ。お前達は一体誰に聞いて上ってきた。下りろ、下りろ」と喚いた。すると次の瞬間、蜘蛛の糸がカンダタのぶら下がっている所から切れ、カンダタは再び地獄に堕ちてしまった。

   その一部始終を見ていたお釈迦様は、カンダタの自分だけ地獄から抜け出そうとする無慈悲な心と、相応の罰として地獄に逆落としになってしまった姿が浅ましく思われたのか、悲しそうな顔をして蓮池から立ち去った。

   この話に出てくる蜘蛛の糸は、我々浄土宗が申すところの南無阿弥陀佛のお念佛によく似ています。極楽浄土におられる阿弥陀如来様が、どんなに罪深い者でも南無阿弥陀佛という六字の名号をお称えするだけで極楽浄土に迎えとってくださるということと、このお話に出てくる罪深いカンダタに極楽浄土から垂らされた蜘蛛の糸は、どんなに罪深い者でも救うという点で同じと言えます。

   ただ違う点としては、このお話の蜘蛛の糸は切れることがあり極楽浄土に行けないことがありますが、お念佛は阿弥陀如来様の本願の力によって絶対に極楽浄土に行けるのです。浄土宗の道詠にも次のようなものがあります。

         「一声も 南無阿弥陀佛 という人の 蓮の上に 登らぬはなし」

   一度でも南無阿弥陀佛を称える人は、必ず極楽浄土に生まれることが出来ます。そして、お念佛という蜘蛛の糸は、もう既に私達それぞれの前に垂らされております。その蜘蛛の糸を掴む、つまりお念佛を称えて佛様のお救いを頂くのは我々次第なのであります。どうぞ決して間違いのない蜘蛛の糸であるお念佛にすがり、共々にお念佛をお称えしていきましょう。

南無阿弥陀佛

仙台市若林区 浄土寺 中澤良宣