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浄土宗の法話【2014年2月1日】

四人妻

   『阿含経』というお経に出てくる説話に、ある富豪の話がある。その富豪には四人の妻があり、第一妻は彼から最も愛され、何をするのも一緒。第二妻と第三妻はこれに次いで大切にされ、第四妻は一度も愛されることなく家から追い出された。その富豪もやがて病み老いて、一人で死んでいかねばならない淋しさや、恐怖の中にあった。その苦しみに耐えかねた彼は、第一妻を呼んで「私と一緒にあの世に行ってくれ」と頼むが、その願いには応えられないと断られた。次に第二妻に頼んでみると「第一夫人が出来ないことを何故私が出来ますか」と冷たくあしらわれ、そして第三妻には「墓場までならお伴します」と言われた。頼りにしていた三人から見捨てられた富豪は、かつて追い出したままになっている第四妻を思い出し、家来にこれを捜させたところ、彼女は今ではすっかり落ちぶれてしまい、橋の下で暮らす身の上となっていた。家来が事の次第を彼女に告げると「よく思い出して下さいました。私は初めから主人と運命を共にするつもりでした。」とこの願いを受け入れた。富豪は、長い間のひどい仕打ちを彼女に深く詫び、二人は永遠の旅に立ったという。経典では、第一妻は「身体」、第二妻は「財産・名誉」、第三妻は「家族」、第四妻は「心」だと述べている。第四の「心」を除く前者は、人間が感じる「幸せの三要素」とも言われる。
   第四妻の表す「心」に二種あると感じる。一つには「自身の心」である。「私は何処から来て、何をしに、そして何処に往くのか」との問題に取り組むことが大切であると知りながら、現実には知らない振りをして「幸せの三要素」のことばかりを気にしている我が心。川柳に、
病んだら医者 死んだら寺 これを手遅れという
   とあるが、我が身のことであると思うと耳が痛い。そして、もう一つには「仏心」であろう。どんなに無碍にされても、どんなに粗末にされても私に寄り添い、そして許して下さる。そんな仏の慈悲心を素直に「もったいない」といただける時に、浄土の門は開かれると言う。
食は一時の飢えをしのぎ
財は生活の乏しさを補い
教えは永遠の迷いを救う
   自身内奥の心のささやきに耳をかさず、ただ外面の栄えのみを追い求めて、一生を尽くしても欲望は尽きず、気付いた時にはもうおそい。浄土に続く今を信仰の中に生きるか、本能のままに一生を終わるか、今が人生の分かれ道であると、釈尊は物語を通じてご説法下さる。共に「ナムアミダブツ」と阿弥陀さまにすがり、永遠の迷いからの救いを願いましょう。

合掌

大分教区 蓮華寺 鶴山恒教