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浄土宗の法話【2014年3月01日】

本当の布施とは?〔お彼岸にむけて〕

   ある年の2月のことです。某大学の受験をする為に会揚へ向かう母親と娘がいました。ところが、夜行列車で受験会場に向かう予定が出かける晩になって運悪く猛吹雪。列車は運休となり途方にくれる親子。そこで母親が思いついたのがヒッチハイクでした。利用しようとした駅の目の前に一軒だけあったガソリンスタンドに、たまたまその時刻に給油をしていた一台の大型トラックが停車していました。
   母親はそのトラックの運転手に事情を話したところ、偶然明日の朝までに受験会場の大学の近くまで荷物を運ぶというのです。話はまとまり、やがて親子を乗せたトラックは吹雪の中を走り出した。車の中では夜中ということもあってほとんど運転手とは会話らしい会話は無く、この運転手は中学三年生の娘がいる「横山」と名乗っただけでした。翌朝になり満物の配達予定時刻より早く到着出来そうなのでわざわざ遠回りして受験会場まで無事に親子を送りとどけて立ち去ったそうである。試験開始10分前に入室。試験は数科目のテストと小論文でした。小論文のテーマは「私が最近感動したこと」。まさに彼女はこの日この時に起こったことを書いたのです。無事に受験は修了したが、母親と娘はどうしても改めてこの運転手にお礼がしたかったのです。しかし、手がかりが中学三年生の娘がいる横山と名乗る四十歳代の男性ということしかわからない。論文を読んだ大学の職員がこの事実を知り逆に感銘を受けて、わずかな手がかりからこの親子を会場まで送った運転手を探してくれたそうです。そして、受験の結果はみごと合格でした。
   さて、本当の布施行とは何でしょうか?
   彼岸の期間には六つの修行〔六波羅蜜〕をしなくてはなりません。そのひとつが布施行です。布施行は見返りを求めては本当の布施とは申せません。「自己を忘れて他人を利するは慈悲の極みなり」という言葉があります。まもなく彼岸がやって参ります。此願〔この世〕から彼岸〔お浄土〕へわたる為の大切な行のひとつの本当の布施行を実践することが阿弥陀様のお慈悲に気づかせていただくことなのです。お念仏を申せば、阿弥陀様は我々に平等のお慈悲のみ光を注いで下さいます。あのトラックの運転手のように、自分のことは忘れて他人を利する布施行を実践いたしましょう。

合掌

尾張教区 正行寺 祖父江良匡