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浄土宗の法話【2014年3月15日】

お彼岸によせて「義父の恩」

右仏 左我とぞ 合わす手の 声ぞゆかしき 南無阿弥陀仏

   私たちは皆、この世に生まれてから亡くなるまで何らかの助けを受けて生きています。この体があるのは他の命をいただいているからであり、呼吸をすることが出来るのもこの世に空気という存在があるおかげです。
   私たちは、ご先祖様をはじめ親・兄弟・姉妹そして自分を取り巻くあらゆる人たちがいなかったら生きることが出来ません。私たちは「おかげさま・お互いさま」で生かし・生かされているのです。
   私の義理の父は、若いとき結核を患い、片方の肺を切除した関係できゃしゃな体でしたが、45歳の時一念発起し慣れない義母と酒店を開き、二女一男を育て上げた方でした。私とは性格も体型も全然違う真面目一筋に生きてきた人でした。
   正直、少し苦手な存在でもありました。そんなある時、私のいつものわがままによほど耐えきれなかったのか、妻や義母もびっくりするほど激怒されお叱りを頂戴したことがありました。今思うと、あれが最後の親心だったと思います。
   その後、義父から懇々と怒った理由を聞かされました。この世は、自分一人で生きていて当たり前、俺が一番偉いという我欲の思いでいた自分にとって、自分を取り巻く人がそこあそこにいる事、そしてその人達のおかげで生かされていること、自分はその人たちの中にいるという事、今思うと自分が今まで生きてきたことへの感謝と人に対する配慮のなさを義父が気づかせてくれたのです。
   私は、この叱られたことにより、何か生まれ変わったような気がします。
   その後、話しづらい私に気を遣ってくれ、今まで以上に何かと話しかけてくれました。
   そんなある日、義父は元来病弱な体を無理し、肺炎を拗らせ入院生活を送ることになりました。お見舞いに行った際、あの一件以来、面と向かって話すことに苦手になっていた私と、二人きりになる機会があり、他愛もない話の中でよく頑張っているとお褒めの言葉を頂いたのが今思うと最後の言葉だったと思います。
   後日、義理の母から、私に対し何度も何度も褒めていたとの話を聞かされ。本当にありがたい気持ちでいっぱいになりました。
   私に対して本当に叱ってくれたことに心より「ありがとうございました」と素直に感謝し南無阿弥陀仏。

合掌

尾張教区 西方寺 髙木清隆