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浄土宗の法話【2014年4月1日】

生こそ偶然 死こそ必然

   桜の季節になりました。みなさんの地方では、そろそろ咲き始めでしょうか。いや、もう満開のきれいな桜を見ましたよ、という方もいることでしょう。南北に長い日本列島です。それぞれの地域でそれぞれの桜を楽しみたいものですね。
   一茶の俳句に、「斯う活きて居るも不思議ぞ花の陰」という句があります。
   一茶の俳句はどれもそうかとおもいますが、まあ、そんなに難しいことは言いませんね。この句も、ああ、このように「活きて」桜の花を見ることができるのは、まことに「不思議」なことだ、ありがたいことだ、というほどの意味でしょうか。
   というと、なにがそんなに不思議なものか。今年元気で活きて桜を見られたのなら、来年だって再来年だって花を見られるに決まってるじゃないか、と考えるのが普通ですね。
   だけど、そうじゃありません。はなはだ個人的なことですが、じつは私の兄弟子が去年の初夏のころガンが見つかり、ドンドン病気が進行して、今年の一月はかなくこの世を終えていきました。そうです。去年の花見はできたけれど、今年は花を見ることができなかったのです。
   ある人の言葉に「生こそ偶然 死こそ必然」とあります。かならずいつか死がやってくる我々人間にとって、こうやって、今日、今、命あることはまさに「偶然」であり、まことに「不思議」なことではないでしょうか。
   ある自殺をしようとした女の人が、死ぬ前にせめて身づくろいをと考えて、手と足の爪を切ったそうです。一本一本切りながら、こうやって今死ぬわたしだけど、爪も伸び、髪の毛もちゃんと伸びているのだなー。なにか知らないけれどわたしを生かそうという力が働いているのだな…、と感じたとき涙がボロボロとこぼれたといいます。まことに不思議な、わたしを生かしてくださるなにかがあるのだと気付いて、自殺を思いとどまったそうです。
   季節は春。冬の寒さが終わり、みどりが芽吹き、さまざまな花が美しさを競う好季です。そして、そのきれいに咲き誇った花々も、やがてまた散っていくさだめです。すべてはうつろい、大きな流れの中にある、このわたしの命。いとおしく、大切な、かけがえのないものであることを確かにいただき、今年のお花見をしたいものですね。

福井県大野市 善導寺 大門俊正