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浄土宗の法話【2014年5月1日】

何が最高の楽しみか

   『宝物集』という説話集にあるお話です。
   お釈迦さまが祇園精舎におられた時、出家したばかりの四人の弟子たちが、この世の楽しみで最高のものは何かということについて語り合っていました。その会話を耳にしたお釈迦さまが、彼らに説いて聞かせた過去世の物語は次のようなお話でした。

   遥かなる過去、普安王という名の国王と、互いに親友と呼び合う隣国の四人の王があった。ある時、普安王は他の四王を招きひと月にもわたる盛大な宴を催して皆を楽しませた。
   そこで普安王は四人の王に訊く。「人の世の最高の楽しみは何であろうか」と。ある王は「景色の美しい春の野に遊ぶことこそ…」と言い、またある王は「両親と共に仲よく酒を酌み交わし、歌や舞いを楽しむことこそ…」と言い、またある王は「財宝を蓄え、思うままに望む物を手に入れることこそ…」と言い、またある王は「美しい妻や妾と情愛を交わすことこそ…」と、四人各様に最高の楽しみと思うものを挙げ連ねた。しかし、これを聞いた普安王は言う。「ご無礼ながら申し上げよう。今、皆の挙げた楽しみはすべて先楽後苦の楽しみである。初めは楽しいが、後には悩み苦しみの種となるものばかりではあるまいか。妻子も財宝も王の位も来世までは身に添わぬもの。父母への孝行も、お互いに無常の身ゆえ何時までもできるものではない。見目麗しい女人も後の世まで添い遂げてはくれまい」と。なるほどと肯く四人の王達が「では普安王殿は何を最高の楽しみと思われるのか?」と問うと、普安王の答はこうであった。
   「世の楽しみはしばしの興、我が為に生々世々の宝となるは仏法なり」。これを聞いた四人の王は「確かにその通り…」と感じ入り、普安王と共に仏の説法の座に向かった。
   これを説かれたお釈迦さまは、この普安王こそは、ご自身の過去世での姿であり、また四人の王は汝らの過去世の姿であると明かされ、四人の弟子たちが過去にこの世の楽しみのいずれも空しいことに気付き、過ちを悔いて悟りを求めたその善根功徳によって、今生に仏法に出遭う尊い縁を得たことを説かれています。

   財産、地位、名誉、思えば私たちが必死に追い求めているものは皆、いずれ失う苦しみと共にある「先楽後苦」の楽しみばかりではないのでしょうか。今一度考えてみなければなりません。
   また自分の前世にどんな良い行ないがあったか、私たち凡夫には知る術もありませんが、因果の道理に照らしてみれば、この遇い難き仏法に出遭うには相当な宿縁の積み重ねが無くてはならなかったはずです。中でも阿弥陀さまの本願力によって百人中百人が称えれば必ず救われるお念仏の御教えにご縁を頂けたことを無駄にしてはなりません。
   お浄土では阿弥陀さまが、この世には比べる物さえ存在しない最高の楽しみである「おさとり」を、私たちの為に用意してお待ちになっておられます。南無阿弥陀仏と称え、極楽に生まれ、最高の楽しみを味あわせて頂きましょう。

千葉教区 医王寺 八木英哉