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浄土宗の法話【2014年9月15日】

明るい心

     長年お世話いただいているAさんは、ご次男が生まれつき重度の障害をもっておられ、ずっと奥様と一緒に面倒をみてこられましたが、奥様が脳内出血で倒れられ左半身不随となられてからは一人でお世話をすることになりました。私たちは、はためからは、「あんなにいろいろ人のお世話をしているのに、なぜ悪いことばかり起こるのだろう」と思いましたが、Aさんご自身は、いつもすずやかに微笑んでいらっしゃいました。
    そのAさんが、檀信徒大会で、「いろいろな人たちと出会い、様々な情景を見聞きしているうちに今まで体験したことのない、それは人間として大切なことをたくさん教わりました。その間の心の葛藤の中から安らぎを得るようになった経過をお話ししたいと思います。」と、ご自身の信仰体験を発表されました。
    その中で、「早く死にたい。私が長い間生きていたら、あなたを苦しめるばかりだ。」と言う奥様に、「バカなことを言うな。死んで悲しむのは誰だと思う。」と励ますと、「(後遺症のために)合わすことのできない左手を握りお祈りする、安らかな(奥様の)姿が見られるようになった」と話されました。そして、「妻の安心した顔を見ると私も満足している。何だか境遇は不幸なはずなのに幸せで、感謝したい気持ちで一杯になるのです。」と続けられ、「五重相伝を受け、仏の子として生まれ変わって素地ができていたからこそ、み仏のお声を聞き逃すことなく伝わってきたのだと感謝している次第です。」と結ばれました。
    介護の合間を縫って、毎月の別時会にずっとお参りに来られていたAさんは、次のように私に教えて下さいました。
    「『月かげの いたらぬさとは なけれども ながむる人の 心にぞすむ』という法然上人のお歌は、それまでも、ずっと称えてきたお念仏、誰もが声に出して称えることのできる同じ南無阿弥陀仏が、あるときから自分にとって今までとは違ったお念仏になる。そのお念仏によって、それまでは苦しいばかりと思っていた毎日の中に、安らぎを感じることができるようになる。」と。
    月を眺めれば、心の中に光が射し込みます。心で光を受け止めることができれば、心は明るくなります。明るい心で毎日を過ごすことができるようになったとき、はじめてお念仏のご利益が本当にいただけたと言えるでしょう。
    Aさんの「何だか境遇は不幸なはずなのに幸せで、感謝したい気持ちで一杯になるのです。」の言葉に表されているように、お念仏のご利益を心からいただきたいものです。

合掌

南海教区 浄願寺 上野 忠昭