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浄土宗の法話【2015年04月15日】

生命(いのち)の色

 4月、一斉に百花繚乱し、木々にみどりの新芽が芽吹く頃です。
 ところで、よく『みどりの黒髪』と表現します。でも髪の色は黒なのにどうして“みどり”なのでしょう?
 実は、これは古来からの表現で、“草木の芽吹く”その色を表現しているのだそうです。つまり命の新芽が芽吹く色。水は命の源であり、みどりという色は、みずみずしい生命力を表す色のようです。

 4月7日は、法然上人のお誕生日です。押領使という武家の棟梁、漆間の家の跡取りのご誕生を、ご両親時国公・秦氏様を始め、家の子郎党皆どんなに慶んだ事でしょう。どんなに祝福された事でしょう。
 お伝記である勅修御伝の第1巻の絵を見ますとその当時のご様子が偲ばれます。
 生家である漆間館の奥には、仲睦まじいご両親ご夫婦のお姿が描かれています。そしてご誕生の折、二流れの幡が館の椋の木にかかったとあるのは有名です。そのご出産も十数名の女官がお世話して取り囲んだ様子とは対照的に、心配そうな烏帽子姿の時国公が描かれています。
 こんな中での待ちに待った男子のご誕生は、慶びひとしおであった事でしょう。

 福岡県行橋に内田美智子さんという助産師さんがいます。助産師さんになって三十数年、約2600名の赤ちゃんを取り上げた方です。同時に2600名のお母さんに立ち会った方です。
 そんな彼女の書かれたご本に、『お母さんは命がけであなたを産みました』という本があります。その一節に、「あなたのお母さんは自分のいのちを削って、あなたを産みました。そしてお母さんは、あなたを抱き、『あなたに会うために私は生まれたんだ』と思うのです。」と、命の讃歌を謳っています。
 法然上人のお母様、秦氏様もきっとそんな命の讃歌を謳われた事でしょう。
 我が子の誕生ほど、かけがえのないものはありませんね。法然上人のお言葉は数あるけれど、寡聞にして、こうしたたぐいのお言葉にはなかなか目にできません。そうしたなかで、御法語集で言えば18章に「~妻子も従類も自身助けられて念仏申さんためなり。念仏の障りになるべくばゆめゆめ持つべからず。~」とお示しです。そして「今生のために身を貪求するは三悪道の業となる。」でも「往生極楽のために自身を貪求するは往生の助業となるなり。」とおっしゃっています。
 同じ家庭生活でも、お念仏の実践から離れてはならない。常に阿弥陀様のみ光の真っ正面に身を置かなくては、地獄と極楽、得失は雲泥です。
 皆さん、凡夫の心があたかも猿のように「こころ、ころころとして定まりない」事は阿弥陀様も法然上人も遙かにお見通しです。いつでも今生のために身を貪求している私達ではありますが、それを往生極楽のためにと振り向けよとお勧めです。
 子供の誕生は,光輝く命の誕生です。希望の輝きの誕生です。要は、その存在を信仰を通して受け止めればよいかと存じます。そうすれば自然と感謝と悦びのお念仏がほとばしり出る事でしょう。何事にも如来の恩寵に浴する想いが大切です。そして、そうした信仰の生活(=お念仏の相続)が大切と存じます。

合 掌

福岡教区来迎寺 本原信道