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浄土宗の法話【2015年07月15日】

命の続く場所

 「お父さんは恥ずかしがり屋だったから、いつも私の少し後ろ。聞こえるか聞こえないか、小さな声だったのよ。」
 先立った旦那様を送り出されたお葬儀の席で、喪主にあたる奥様が仰った言葉です。奥様は優しいお顔でにこっと笑うと、「少しだけど毎日お念仏をお称えしているの」と話して下さいました。旦那様を誘うと、「俺はそういうのいいから、お前やんなさいよ」と苦笑い。奥様は一人でお称えしていたそうです。けれど奥様が日々お称えする中で、いつのまにか少し後ろに座ってその姿を眺めるように、そしていつのまにか小さな声でお称えするようになったそうです。
 「私のこと気にしてね、恥ずかしがって最後まで大きな声は出さなかったの。笑っちゃうでしょ、男なのに。だけどね、往き先をちゃんとしてくれたから、良かった。いつか会えるから良かった」涙を溜めて、にこっと微笑まれました。

 私たちにとって往き先が定まるということはどれほど有り難いことなのでしょうか。先立つ自分自身にとっても、残されていく方たちにとってもどれほど有り難いことなのでしょうか。阿弥陀様は、南無阿弥陀仏とお念仏を称えたならば漏れることなく我が浄土に救うとお誓いを立てて下さいました。私たちが命を終えていく後の世にどうなってしまうのか、自身の力ではどうしようもない、そんな苦しみから絶対に救うと決めて下さった阿弥陀様の慈(いつく)しみです。そのお浄土に救って頂いた時に、また悩み苦しみの世界に落ちていくということはありません。先立たれた方は安らかな世界から、私たち残された者のことを見守り、時に寄り添い、そして阿弥陀様と共にお念仏申す私たちを導いて下さるのです。

 「お母さんはお父さんと同じ場所で会えるんですか、いつかまたちゃんと会えるんですよね」とあらためて尋ねられました。「もちろんですよ」とお話ししていると、「あの二人ね本当に仲良かったんです。良かった。絶対にいつかまた会って欲しいんです。本当に良かった」とかすれる声でゆっくり言って下さいました。  今皆さまは命の往く先をどこに定めていらっしゃいますか。お釈迦さまが示され、法然上人が涙を流して喜ばれた阿弥陀様のお誓いがあります。どうぞこの温もりのお誓いを胸に、この我が身の往き先を極楽浄土と思い定めて、阿弥陀様と大切な方々の見守りの中でお念仏をともどもにお称えして参りましょう。

合 掌

東京教区 豊島組 善光寺 宮田恒順