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浄土宗の法話【2015年10月15日】

秋の夜長に月を眺めて

 秋の夜長と言われますが、秋は四季の中で早く陽が沈み、夜が長くなる季節です。また中秋の名月とも言われるように、秋の夜の冷たく澄んだ空気のおかげでしょうか、月が大変綺麗に眺められます。お月見は日本の古くからの伝統的な行事ですが、浄土宗をお開きになられた法然上人もこの時期には月を眺められていたのではないでしょうか。

 月かげの いたらぬさとは なけれども ながむる人の 心にぞすむ

 浄土宗の宗歌「月かげ」のお歌は 法然上人が詠まれた和歌です。
 月の光は、すべての里を照らし、そこに住む人々を照らしているが、月を眺める人以外にはその月の美しさは分からない。この御歌には、阿弥陀仏の救いの光明は全ての世界、全ての人々を照らして下さいますが、お念仏をお称えする者にこそ、阿弥陀仏は救いの手を差し伸べて下さるのだ、という意味があります。これは「観無量寿経」の一節「光明遍照 十方世界 念仏衆生 摂取不捨」を分かりやすく説かれたものです。
 法然上人は「月かげ」の中で、阿弥陀仏の光明を月影、月の光として例えられました。それは何故でしょうか。
 「一寸先は闇」ということわざがあります。真っ暗闇の中では、つい目の前の物も見る事が出来ません。人生とはこうした暗闇に置かれているのと同じで、間近な未来の事であっても先の事はどうなるか分からないという事の例えです。これは「無常の風は時を選ばず」とも言い換えられます。美しく咲いた花が強風に煽られて散るように、人の命もまた老若男女に関わらず、いつ何時失われるか分からない、はかないものであるという事です。
 2011年の東日本大震災では、津波で多くの方が貴い命を亡くされました。今年は鬼怒川の氾濫、日本各地の火山の噴火、首都圏での強い地震などの災害報道が記憶に新しいのではないでしょうか。そうした状況の中で被災された方々の苦悩を目にすると、暗澹たる思いとやりきれない思いで胸が痛みます。しかもこうした出来事は決して私たちに無関係ではなく、自身を取り巻く世界もまた一寸先は闇なのです。
 このように暗い夜道を行くような人生ではありますが、阿弥陀仏は常に私たちを救いの光明で照らしておられるのです。暗い夜道を行くのは恐ろしく不安なものです。そんな道行を明るく照らしてくれる月ですが、眺めてこそ、その存在に気付かされるのです。お念仏をお称えしてこそ、阿弥陀仏の救いの光明の有り難さ、尊さが自覚されるのです。法然上人は月かげに例える事で、私達によくよくお念仏申されるようにとお説き下さったのではないでしょうか。

 南無阿弥陀仏

福井教区武生北組 大寳寺 吉田亮太