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浄土宗の法話【2015年12月15日】

一年を省みて

 一日が長い割には、すぐ一年。今年も残すところ、あっという間に僅かとなりました。
 大晦日の除夜の鐘、過ぎゆく年の反省や新しい年への期待など、人それぞれ思いを巡らせながら、撞かれる鐘の音に耳を傾けられるのではないかと思います。
 さて除夜とは、一説には「除煩悩夜(じょぼんのうや)」と言い煩悩という心の闇(夜)を除くという意味であると言われています。除夜の鐘の数はご承知のとおり百八で、これは人が持つ煩悩の数とも言われています。この煩悩とは貪り、怒り、愚痴などのことです。今年これらの煩悩が全く心の内に起こらない日は一日でもありましたでしょうか?
 物事を自分中心に考えてしまう私たちは、ちょっとしたことにも欲張り、腹を立ててしまいます。しかもそれを省みず徒に日々を送り、知らず知らずのうちに心に煩悩の垢を溜めてしまっています。
 お釈迦さまのお弟子に周利槃特(しゅりはんどく)さまという方がいました。この周利槃特さまは物覚えが良くなく、お釈迦さまの教えを一つも記憶することができませんでした。ある時、お釈迦さまは周利槃特さまに一枚の布を渡しました。そして「塵を払え、垢を取れ」と唱えながら、お釈迦さまのもとを訪れる方の衣の埃や履物のドロを払うよう言いました。以来毎日、周利槃特さまはお釈迦さまから教わったとおりに「塵を払え、垢を取れ」ばかりを唱え、ひたすらお釈迦さまを訪れた方の衣や履物を拭いました。それを続けるうちに周利槃特さまは、「本当に払わなければならないものは何であろうか。衣についている埃だけであろうか。垢とは何であろうか。本当に汚れが落ちにくいのは、人の心も同じである。」ということに気づき、ついにお釈迦さまの教えを理解されました。
 さて、この落ちにくい心の垢を拭うことについて法然上人は御詠で示してくださっています。
 「ゆきのうちに 仏の御名(みな)を となふれば つもれるつみぞ やがてきえぬる」
 雪が積もるように、昔より日々罪を重ねて私たちの心には煩悩の垢が積っていきますが、お念仏さえお称えすれば、私たちの悩み苦しみを代わりに受け悦び楽しみを与えようとする阿弥陀さまの大慈悲のみ光に照らし出され、その光の力により私たちの煩悩の垢が忽ち消え去ってしまうということです。
 私が住む、大阪府南部の泉州地域は温暖であるため、めったに雪が積もりません。雪がちらつくのも一冬で数回です。その温暖な地域に二年前、一晩で結構な量の降雪があり、あたり一面、わずか数センチですが積雪がありました。子供たちは珍しさのあまり、外へ出て雪遊びを楽しみました。しかし、その後雪が続けて降ることはなく、積もった雪は二日程で消えてなくなりました。この雪のように、私たちの心の煩悩の垢もあっさりと消えてなくなれば良いのですが、消えてもまた積るのが心の垢です。
 年の暮、除夜は一年を振り返り、私自身の心の煩悩の垢を一旦拭う良い機会です。
 お念仏の声の中、心の掃除をして清らな気持ちで、新たな一年を迎える準備をいたしましょう。

 合掌

大阪教区 泉北組 浄福寺 櫻澤 宏尚