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葬儀の心得

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この頃は、専門職としての葬儀会社が、すべて葬儀や告別式の執行を担当するようになり、一面まことに便利になりました。

しかしその便利さに委せて、どうしても忘れてはならないことは、菩提寺(ぼだいじ) のご住職との連絡であります。

ご住職の時間の都合や、脇導師(わきどうし) や役僧をお願いする場合の人数、お導師をしていただく時の諸注意など、こまかく指示をうけることを忘れてはなりません。葬儀屋さんに任せきりで、新聞広告までしてしまってから、ご住職の先約日程があり、どうにもならなかったという、はなはだしい事例が案外多いことに注目すべきであります。

合理化や商業化のせいでしょうか、葬儀式の直前にご住職が来られ、位牌(いはい)戒名(かいみょう)法名(ほうみょう) )を書かれる地域が多くなったようですが、戒名を書かれてから、あわてて葬儀屋さんを通じて院号(いんごう)をつけてほしいなどの注文がよくあるといいます。これなどご住職と事前に連絡がとれていない結果であります。

戒名というものは、そのお寺の伝統や慣例によるとか、故人が五重相伝(ごじゅうそうでん)授戒(じゅかい) をうけているとか、いないとか、生前の信仰心の程度や、寺檀の関係などを通じて、ご住職が最もふさわしいものを授けられるのでありますから、希望など事前に申し出て指示をうける必要があるでしょう。

葬儀式は、こうした意味においても、まずご住職にご挨拶し話し合いを得ておいて、心静かに落ちついて、刻々迫る遺骸との別れを惜しんで、称名(しょうみょう) 念仏してお導師を迎えるよい儀式でありたいものであります。

あれこれととりまぎれ、当日お導師やご寺院方がお着きになられても、一言のご挨拶もできずにすべて葬儀屋任せになりつつある現状は、まことに悲しいことであります。

これは導師やご寺院方への非礼ではなく、故人への冥癖(めいふく) であり、ご回向(えこう) であることの真義を、よく考えてほしいからであります。

このことがやがて読経(どきょう) のはじまる式場の厳粛に、どれほど心の通いをもつことでありましょう。そして導師の一言一句の引導(いんどう) が、まさに画竜点睛(がりょうてんせい) の一瞬として、現前のみ(たま)今生(こんじょう) を限りとして極楽への旅立ちの導きであり、道しるべの瞬間であることを自覚し、(えり) を正しておのずから称名念仏の手向けとなるでありましょう。

出棺にあたっては、血族直系の濃い者が棺をかつぐ習わしがうけつがれています。このことはお釈迦(しゃか) さまがその父浄飯王(じょうぼんおう) の棺を自らかつがれたことに起因し、わが国では聖徳太子が父君用明(ようめい) 天皇の金棺をかつがれたと伝えられているのであります。

いずれにしても、自ら棺をかつぐ心を大切にすべきだと思います。この心が念仏申し申し送ることであり、再び会うことのかなわない心の切なさも念仏申すことであり、どうか安楽国(あんらくこく)往生(おうじょう) せしめ(たま) えと願う心も、ただ念仏申すほかありません。