大本山増上寺で
国宝『法然上人行状絵図』のフォーラムを開催!!
デジタル化がもたらす可能性などを討論

平成23年11月13日、大本山増上寺の三縁ホールを会場に、総本山知恩院所蔵の国宝『法然上人行状絵図』に関するフォーラム(主催・浄土宗、後援・朝日新聞社、協力・大本山増上寺、総本山知恩院、東京国立博物館)を開催しました。当日は約4000人の応募者から抽選で選ばれた250名の聴講者が参集、6名の先生方の発表とその後の討論を熱心に聞き入っていました。
このフォーラムは、昨年7月2日に総本山知恩院の和順会館で開催した“「国宝 法然上人行状絵図フォーラム」”を東京でもと企画したもの。東京国立博物館での特別展「法然と親鸞」に合わせて、大本山増上寺で開催しました。
三縁ホールロビーで、研究会に使用した絵図の拡大出力紙を展示。
興味深くご覧いただきました。
大遠忌記念事業として実施した『行状絵図』の高精細デジタルアーカイブにより、平成20年9月から、そのデータをもとに原寸の16倍(面積比)に拡大印刷した資料を用いて、『行状絵図』を読み解く学際的研究を行い、今回、研究会に参加した佛教大学教授の中井眞孝(浄土学)、京都国立博物館名誉館員の若杉準治(絵画)、京都女子大学・京都女子大学短期大学部学長の川本重雄(建築)、花園大学教授の新間水緒(仏教説話)、京都国立博物館主任研究員の山川曉(染織)、大阪大学教授の平雅行(歴史学)の各専門家6人の先生により、その成果を発表いただきました。
その後、デジタルアーカイブがもたらす文化財研究の可能性についての討論が行われました。討論では、若杉さんが進行を勤め、縦幅がおよそ30cmの絵巻を120cmに拡大した絵を多人数により細部まで見てきた研究会の様子を説明、各先生からその感想が伺われました。
「『この部分にはこんな狙いがあって描いたのでは?』『いや、そうではなく…』と一つの絵図を同時に複数人で検討出来る。これが良かった」(川本)、「これまで文章ばかりを研究してきたが、この共同研究を通じて、絵も考えるようになって視野が広がった。歴史的真実とは別に、宗教的真実の視点も大切にしていきたい」(新間)、「宗教祖師の伝記には宗教的な修飾が見られ、これまで歴史資料として重要視しなかったが、改めて検討する機会となって良かった」(平)、「今までは残存する衣服の研究をしてきたが、絵図を用いての研究は初めての経験となった」(山川)ということなどが各先生から述べられました。
結果として、高精細デジタルアーカイブした国宝『法然上人行状絵図』のデータが今後の研究や布教など様々な方途で活用されることの意義や、昨今の文化財研究の分野でデジタルアーカイブが一層必要になってきていることが強調されました。









