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お知らせ

浄土宗僧侶の皆さまへ

先ず去る3月11日に発生した「東北地方太平洋沖地震」で被災された沢山の方々、及び当該地の寺院に心からなるお見舞いを申しあげます。また、この災害で命まで奪われた多くの方々には、衷心より哀悼の誠を捧げます。加えて未だ安否の判明
しない数多くの罹災者がおられますことは、何としても心の痛むことであり、救出の一日も速からんことを冀うばかりであります。

さて、我々の経験したこともないマグニチュード9.0という未曾有の、国難ともいうべき震災にあたって、我々宗侶は「何をなすべきか」を真剣に考えねばなりません。家を失い、大切な家族と訣れ、夜の灯りもなく、寒さに震え、飲む水にも事欠き、乏しい食事に耐えねばならない、その心情を察するとき、これが今の日本なのか、世界に経済大国を誇った日本は何処へ行ったのかと悲しくなるのであります。政治・経済は低迷し、社会道徳の欠落が目だってきた今日、我々宗侶の責任はまことに重大です。我々が何をすべきなのかと自問しても、我々もまた年齢や環境で為し得ることに限界のあることも事実です。さすれば一歩下がって、「何が出来るのか」を問わねばなりません。

何よりも大切なことは、先ず被災者の心に寄り添うことでありましょう。その大悲心から、共に泣き、共に悲しみ、今の自分に出来る精一杯の方策が生まれるはずであります。初歩的なことですが、現在の宗侶に欠ける最たるものが、この大悲心だと感じています。昔の賢人が「衆生病む故に我病む」と涙されたという故事に学ばねばなりません。幸いに浄土宗青年僧などが素早い行動を起こしていてくださることに一筋の光明を見る思いであります。

更に加えて今回は、原子力発電所が破壊されるという、あってはならない惨事が起こりました。戦後日本の復興が、近代科学に支えられたことは事実ですが、経済優先・科学万能の風潮が今日の日本人を毒していることは否めません。そして唯物的な繁栄にのみ目を奪われ、大いなる生命のつながりに合掌するという宗教心が失われつつあるのも亦、我々宗侶の懶惰怠慢の致すところと、きびしく自省せねばなりません。

これからの宗門には、いろいろな意味で試練の時をむかえます。それは決して遠い将来ではありません。宗侶一人ひとりが自らを律して下座行に徹し、宗祖法然上人に恥じることのない布教の実を挙げていただきたい。それを偏えに念じるばかりであります。

最後に被災のご寺院や檀信徒を始め、その地のすべてのお方々のご自愛を切にお祈りいたします。

合掌
平成23年3月16日
浄土宗布教師会
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