教化資料

布教に役立つ道詠歌(四)

 説教・講演などの話材の中に和歌・俳句等を折り込んでお話しすると、聴衆の方でメモをされている姿を見ることがあります。また事後に控え室に訪ねてこられて確認をされるケースもしばしばあります。
 短い文言に深い思いの込められている道詠歌は、布教教化の有効な手立てとなります。
 導入の冒頭にとり入れると季節感などその場の雰囲気を和やかにしますし、ゆっくりと二度繰り返すことで、なお記憶に残るものとなります。
 ただし、散逸にならぬように一席で多数の道詠歌の挿入は注意を要します。
 伝承の中で多少の文言の異なるものもありますのでご了承下さい。
 参考となる文献として、平成十一年に編纂された総本山知恩院布教師会発行道詠集録「ことばの華」の活用を推奨します。


◎阿弥陀佛にかかる道詠歌

○阿弥陀佛と 称うる人の その心 かかず刻まぬ そのままの弥陀
霊岸
○誓願に 南無阿弥陀佛と いう人を 救いとらずば 弥陀と名のらじ
読み人知らず
手間暇てまひまも 欠けなば欠けよ 欠けぬとて 弥陀の誓いは 寝てもめても
読み人知らず
○一声も 捨てぬ誓いの うれしさに 思わず積もる 弥陀のかずかず
読み人知らず
○み佛の 本願弘誓を おろがみて 念佛一途に 生きよ諸人
中村康隆
○み佛の 無礙むげのひかりに 逢う人は らさず救う 願なりと知れ
詠み人知らず
○たまゆらの 命と知った その日から 阿弥陀の慈悲が 身にしみけり
読み人知らず
○月も日も 明らかなれど 心まで 照らすは弥陀の 光りなりけり
読み人知らず
○南無ほとけ いつも佛の み手の上
詠み人知らず
○寝れば夢 むればうつつ 時の間も 離したまわぬ 弥陀のおなさけ
読み人知らず
○阿弥陀佛に 隔つ心は なけれども ふたする桶に 月は宿らず
詠み人知らず
○迷いから 地獄や餓鬼は あるものの 十方世界 弥陀のふところ
徳本
○嘘の世に ただ一つある おまことは 必ず救うの 弥陀の呼び声
読み人知らず
○なく鳥も 岸うつ波も 松風も 我をたのめの 弥陀の呼び声
読み人知らず
○呼べば呼ぶ 呼ばねば呼ばぬ 山彦の 称うる声も 弥陀の呼び声
読み人知らず
○わがかたに 忘るる隙は 多けれど 誓いの弥陀は 身をも離れず
読み人知らず
○つみとがは 露とや消えん 御名となう 阿弥陀ほとけの 照らす光に
読み人知らず
○極楽は 佛のいます 国なれば 佛と共に 住めば極楽
徳本
○涼しさや 弥陀成佛の この方は
読み人知らず
○一念も 捨てぬ本願 弥陀涼し
野島無量子
○君しばし 弥陀のみもとに 待ち給え やがてはともに 同じはちす
中村康隆
○四囲こめて 真夜降る雨を 聴きおれば いよいよ深し 弥陀のふところ
石橋紅呂
○人の世の 憂き悲しみの 谷底を 静かに照らす 弥陀の月影
藤井實應
○み佛に 摂取せられし 柿の味
読み人知らず

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