教化資料

布教に役立つ道詠歌(五)

 説教・講演などの話材の中に和歌・俳句等を折り込んでお話しすると、聴衆の方でメモをされている姿を見ることがあります。また事後に控え室に訪ねてこられて確認をされるケースもしばしばあります。
 短い文言に深い思いの込められている道詠歌は、布教教化の有効な手立てとなります。
 導入の冒頭にとり入れると季節感などその場の雰囲気を和やかにしますし、ゆっくりと二度繰り返すことで、なお記憶に残るものとなります。
 ただし、散逸にならぬように一席で多数の道詠歌の挿入は注意を要します。
 伝承の中で多少の文言の異なるものもありますのでご了承下さい。
 参考となる文献として、平成十一年に編纂された総本山知恩院布教師会発行道詠集録「ことばの華」の活用を推奨します。


◎求道につながる道詠歌

○うぐいすの こえを聞きつる あしたより 春のこころに なりにけるな
良寛
○うれしくも 人と生まれて み佛の さとりの道も これよりぞ入る
福田行誡
○うれしくも 弥陀の御法みのりに あおい草 かけても外の 道はふまめや
読み人知らず
○先の世に いかなるちぎり ありてかは 弥陀に仕うる 身となりにけむ
読み人知らず
○先の世の ふかきちぎりを 聞くときは 弥陀の誓いの わけても頼もし
詠み人知らず
○たれだれも 勇み進めよ まれに逢う 知識の教え ともに守りて
詠み人知らず
○つくづくと 思いとくにも 嬉しきは 得がたき姿 逢いがたきのり
読み人知らず
○目しいたる 亀の浮木に うなれや たまたま得たる のりのはし舟
高弁
○夜もすがら 佛の道を 求むれば わが心にぞ 尋ねいりぬる
恵心
○分け登る ふもとの道は 多けれど 同じ高嶺の 月を見るかな
一休
○引き寄せて 結べば草の 庵にて 解くればもとの 野原なりけり
慈鎮
○ひと筋の かいこの糸も いろいろに 織りて錦の 衣とはなる
詠み人知らず
○浅ましと ぶるばかりを 手向たむけにて 唱うる外の 心あらじな
大日比・法岸
○いくたびか のりの時雨に あいながら 染むるに薄き わが心かな
福田行誡
○鏡には 姿ばかりの うつるぞと 思う心の あさましきかな
読み人知らず
○かくばかり ちぎりまします 阿弥陀佛を 知らず悲しき 年をにけり
藤原家隆
○髪かたち つくろうたびに まず思え おのが心の 姿いかにと
読み人知らず
○なに故に 家を出でしと 折りふしは 心にじよ 墨染のそで
良寛
○もろ人の 思うことごと 写るなり 心の鏡 くもりなければ
福田行誡

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