教化資料

布教に役立つ道詠歌(九)

 説教・講演などの話材の中に和歌・俳句等を折り込んでお話しすると、聴衆の方でメモをされている姿を見ることがあります。また事後に控え室に訪ねてこられて確認をされるケースもしばしばあります。
 短い文言に深い思いの込められている道詠歌は、布教教化の有効な手立てとなります。
導入の冒頭にとり入れると季節感などその場の雰囲気を和やかにしますし、ゆっくりと二度繰り返すことで、なお記憶に残るものとなります。
ただし、散逸にならぬように一席で多数の道詠歌の挿入は注意を要します。
伝承の中で多少の文言の異なるものもありますのでご了承下さい。
参考となる文献として、平成十一年に編纂された総本山知恩院布教師会発行道詠集録「ことばの華」の活用を推奨します。


◎三心につながる道詠歌

○暑き日や 身より心の 置きどころ
詠み人知らず
○安心は 知ることかたく 具しやすく 知ることやすく 具しがたきかな
無能
○安心は ただ一筋の 丸木橋 脇見をしては あやうかりけり
詠み人知らず
○生きてよし 死してまたよし 南無阿弥陀 佛まかせの 身こそ安すけれ
詠み人知らず
幾度いくたびか 身をかいり見て のりをおもう 我が計らいの ありやなしやと
詠み人知らず
○偽らず また疑わず かの国を 願うは三つの こころなりけり
詠み人知らず
○色どらず ありのままなる 心にて 助け給えと いうぞ三心
詠み人知らず
○極楽に 生まれんと思う 心にて 南無阿弥陀佛と 云うぞ三心
八幡宮神勅
○とにかくも 助け給えと 思うには 心なやます こともなきかな
詠み人知らず
○真心に 深く頼みて うち任せ 南無阿弥陀佛と 云うぞ三心
詠み人知らず
○風すさみ 波は立つとも まこともて 通う船路は 安けからまし
詠み人知らず
○我が心 深き底あり 喜びも うれいの波も とどかじと思う
西田幾多郎
○いかにして 誠のみちに かないなむ 千年ちとせのうちに 一日ひとひなりとも
良寛
○行いと 口と心と たがわずば 人に見られて 何か恐れん
手島堵庵
鬼神おにがみも かするものは 世の中の 人のこころの まことなりけり
明治天皇
○極楽に うとき心を 嘆くこそ やがて至れる 誠なりけれ
詠み人知らず
○極楽は なおき人こそ 参るなれ 曲がれる心 深くとどめよ
詠み人知らず
○心だに まことの道に かないなば いのらずとても 神やまもらん
菅原道真
○さかしきも おろかもあれど 人ごとに あらまほしきは まことなりけり
明治天皇
○ただ申せ 申すうちには おのずから 誠の心 起こりこそすれ
詠み人知らず
○手に取るも 心許すな 扇にも 裏表ある 人の世の中
詠み人知らず
○とりどりに つくるかざしの 花もあれど におうこころの うるわしきかな
昭憲皇太后

このページのトップへ▲
  浄土宗布教師会
〒605-0062 京都市東山区林下町400-8 浄土宗宗務庁 教学局内
TEL075-525-2200 FAX:075-531-5105