■設立趣旨
保護司は地域社会にあって、非行や犯罪を犯した者の立ち直りの手助けをする保護観察の実務に当ると共に、犯罪の予防・地域の浄化活動を推進するという任務を担っている。そうした任務を遂行するに当って浄土宗侶であることは、布施行の実践者ともいえる保護司として最もふさわしい資質であると受けとめ、その立場を生かした保護司活動を推進していけないものか。宗教者であること浄土宗侶であることを強く自覚して、一歩踏み込んだ保護司活動を展開できないものか。宗侶保護司が結集して浄土宗保護司会を組織することによって、より積極的な保護司活動を推進して行こう。本会の設立に尽力された先人達はそんな願いと共に結成へ向けて情熱を傾注されたのではないだろうか。
■沿革
浄土宗保護司会は昭和40年に発会したが、それまでは全国更生保護大会が開催される度に、会場で開催地在住の宗侶保護司が案内板を掲げて、懇親会への参加を呼びかけ宗門保護司の連帯感を喚起しようとした、いわば前史の時代であった。
そうした先人達の努力の積み重ねの上に昭和40年10月14日、正式に浄土宗保護司会として産声を上げることになる。即ち開宗八百年を契機に発足した教化センターの組織化を勝縁として設立されたのである。浄土宗保護司会が発足して以来現在まで様々な活動乃至取組みをして来たが、会として最も力を注いでいるのは研修である。
戦後の混乱期から高度成長時代を経て現在の成熟(或いは爛熟と呼ぶべきか)期まで時代の変遷と共に非行・犯罪の態様は大きく変化する。私達保護司は、そうした様々の非行・犯罪と直接向きあわなければならない。あらゆる事例に対応できる資質を蓄積していなければならない。そう考えると私達保護司がなさなければならない一番大事なことは、保護司としての資質の向上をはかること以外にはないといっても過言ではないだろう。
浄土宗保護司会では毎年「中央研修会」と「浄土宗保護司研修会」という全国規模の研修会と、教化センター単位の地区研修会を実施して、会員保護司の資質向上のための一助としているのである。
また平成12年に、「社会を明るくする運動発足五十周年」を記念して啓発活動を行ったが、平成16年には一宗の呼びかけに呼応して、浄土宗二十一世紀劈頭宣言を染め抜いた幟り旗を掲げて街頭広報念佛行脚を実施した。
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