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今月の言葉:2019年01月

お念佛からはじまる幸せ

Let us start the year by reciting Namu Amida Butsu in gratitude for being alive.

 先日テレビを見ていましたら、作家の伊集院静さんが出ておられました。20歳の時に16歳の弟を亡くし、35歳の時に妻である女優の夏目雅子さんを亡くされたご経験を語ってらっしゃいました。「理不尽な別れに酒におぼれ、無気力な日々を過ごした時もありました。ですが今ならわかります。人は出会えば必ず別れがやってくる。別れは終わりではなく、始まりなんです」と悲しい別れの縁に出会っても、力強く希望をもって生きていく大切さを語ってらっしゃった姿が、印象に残りました。
 人生は良いことばかりは続かないものです。悲しい別れのご縁とも出会ってゆかなければいけないときもあることでしょう。法然上人は「念仏を申すものに永遠の別れはない。たとえこの世でつらい別れをしたとしても、必ず極楽浄土という世界に往かせていただき、そこで先に亡くなられた方とも間違いなく再会することができる」とお示しくださいました。
 年齢を重ねるとさまざまな経験値とは対照的に思うようにいかないこともでてきます。身体的な衰えは必ずやってくるものですし、それにともなって、精神的に弱気になったり自信をなくしたりする方もいます。長生きをすれば自分の大切な人と別れなければいけないご縁も当然増えてくるでしょう。
 日本は今、超高齢化社会になりましたが、長寿にめぐまれた人だけが知る悲しみというものもきっとあることと思います。しかし、人としての生命を終えた先に、極楽浄土という希望の世界が待っている、そのことをしっかりと胸におさめることができたならば、阿弥陀さまが迎えてくださる極楽浄土という希望に向かって力強く生き抜いていくことができるのではないでしょうか。
 法然上人のお歌に
 生けらば念仏の功つもり 
 死なば浄土にまいりなん
 とてもかくてもこの身には 
 おもいわずろう事ぞなき 
というものがあります。生きている間にお念仏をとなえてその功徳が積もり、命尽きるときにはお浄土に参らせていただける。(そう確信したならば)何も思い煩うことなどありません、という内容です。
 お念仏の御教えを受けとめ、朝起きたときや寝る前など日々の生活でお念仏をおとなえすれば、阿弥陀さまの世界へと続いていく人生が始まります。
(奈良県王寺町 永福寺 坊城慶史)



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