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今月の言葉:2019年03月

寒さ越え 山笑うころ 春彼岸

Just as springtime revives all life, let us be thankful for being alive here and now.

 私たちが情報源として毎朝読む新聞は、発行部数のピークだった21年前と比べて約26パーセントも減ったそうです。
 一方でパソコンやスマートフォンのアプリでニュースやさまざまな情報を得ることが多くなってきました。私もそこで得た情報を話のネタにしていることが多々あります。先日もある親子の話を目にしました。
 母親が13歳の息子から「俺は結婚も子育てもしないだろうなぁ」と言われたそうです。「別に個人の自由だけど、子育ては楽しいよ~」と母親が返事をすると、「えっ、お母さん楽しいの?」と息子が驚いて言ったので「マラソン選手だって走ってるときは苦しそうだけど、本人が好きだから走っているわけでしょ」と返しました。
 このとき母親は心の中で「母は毎日楽しそうに見えないかもしれないけど、実は子育ては楽しいよ」と、子どもたちに伝えておかなければと反省したと吐露されていました。
 この話、皆さんはどう感じますか?
 マラソンで走っている姿を見るとつらそうに見えますが、本人はいいタイムが出たり、完走できたりという喜びがあるから走れます。そしてその苦しい中でも、周りの人の支えがあるからこそ過酷な練習やレースを乗り越えることができるし、ゴールしたときの嬉しさが倍増するのではないでしょうか。
 子育ても同じことではないかと思います。受験や就職活動、人間関係などのほかにも日常生活においてたくさんのつらいことがあります。でも大変なことより、わが子の笑顔や活躍している姿、頑張っている姿を見ると、こちらも幸せな気持ちになり、だからこそ子どもが一人立ちしたときの喜びもひとしおです。
 立ち止まったり、引き返したり、回り道したりしてもいい。ゴールに向かう途中には多くの人の支え、助けがあり前に進むことができます。
 3月の年度末は苦しみやつらさに耐えきれなくなる人が多いといわれています。もしどうにもならなくなったときは、周りの人を頼ってください。声を出してください。あなたを支えてくれる、力を貸してくれる誰かがきっといるはずです。
 今月のお彼岸にはお墓参りに行って感じてください、多くのご先祖さまの命のつながりがあり、今の自分がいることを。そして、多くの人とのつながりによって、今、生かされていることを。
 (佐賀県鹿島市 願行寺 田中照彦)

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