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今月の言葉:2019年04月

新たな出会い よき縁

We should treasure new meetings that lead to new relationships.

 いよいよ新年度のスタートです。来月には新元号に変わり、昨年末あたりから言われ続けてきた「平成最後の○○」も本当の意味で最後を迎えようとしています。世間では平成という時代は自然災害が多く、出会いと別れを感じた方が多いといわれています。でも実はいつの時代においても、人は日々の生活の中で、さまざまな人と出会いと別れを繰り返していることが示された仏教のことわざがあります。

 そで触れ合うも多生たしょうの縁

 「多生」とは私たちが果てしない過去世から、何生にもわたって死に変わり生まれ変わりを繰り返す(輪廻転生りんねてんしょう)ことで、「縁」はつながりです。
 電車の中で見知らぬ人と袖や肩が触れ合ったりすることがあります。そんな些細な縁の相手は、果てしない過去世から何生にもわたって生まれ変わりを繰り返してきた生の中で、幾度もつながりのあった相手だからこそ、袖や肩が触れ合ったのですよと説くのです。
 地球上には70億以上の人間がいて、そのほとんどの人とすれ違うことさえもありません。全く縁のないまま、この世から去ってしまう人ばかりなのです。そう考えると袖が振れ合うだけでも、どんなに深い縁があった人かといえるでしょう。私たちは人間関係の善し悪しを、ついつい相性で判断しがちですが、この深い縁を理解し、その出会いを大切にすることが重要だと、ことわざは教えてくれています。
 「因縁和合いんねんわごう」という言葉もあります。あらゆることは、因と縁が結びつくことによって結果が生じると説き、因とは種まき、縁とは条件・環境・きっかけを意味します。冬は枯れ木のような桜の木も、春の暖かい日差しを浴びという縁があって花を咲かせるのですから「縁」は非常に大切なのです。
 よきえにしは人と人の間柄だけではありません。私たちはさまざまなご縁の中で、阿弥陀さまの救いがあるこの世に生まれることができました。
 宗祖法然上人も「がたい仏教に遇えたこの生涯で、いま南無阿弥陀仏ととなえずして、次、いつ阿弥陀さまに救っていただけるであろうか」と仰せになっています。無常の世を生きる私たちを哀れみ、「我が名を申したならば極楽浄土に往生させよう」とお示しくださった阿弥陀さま。そのみ教えに出会えた深いご縁を喜び、間違いなく極楽へ往生させていただけるように、南無阿弥陀仏…とおとなえすることが何より大切なのです。共々にお念仏の日暮らしをいたしましょう。

 (東京都練馬区 仮宿院 金子一俊)

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