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今月の言葉:2019年07月

善き行いに 善き心

Repeatedly doing good nourishes a benevolent mind.

 平成の時代が終わりを告げ、新天皇の即位と共に令和の時代が始まりました。元号が変わる時には新元号に使われる文字は何だろうか? そしてどういう時代になるのだろうか?と報じられると共に、平成の時代を振り返るテレビ番組や書籍などを多く目にしました。皆さんには平成という時代はどのような思い出がありますか?
 私はこの約30年間を振り返り、〝災害の時代〟だったと感じます。平成7年の阪神淡路大震災、23年の東日本大震災、28年には私の住む熊本で大地震が発生しました。このほか九州、西日本の集中豪雨など、日本全土で多くの災害が起こりました。その時に必ず話にあがるのは「災害ボランティア」です。
 私が兼務住職しているお寺のある福岡県の筑後地域も平成24年の九州北部豪雨で集落が浸水、途方に暮れている時に先輩からの「大丈夫ですか」の電話に励まされたのを今でも覚えています。その4年後の熊本地震では、多くの方々が全国から災害ボランティアにきてくださいました。特に近畿や東北の方々は「自分たちも経験したから」と、遠方からわざわざ熊本に来て活動をしてくださいました。
 災害は予期せぬ時に前触れもなく起こります。被災後の復興は個人ではとても難しく、自らの時間を削ってまで被災に遭った人のために活動される姿にとても胸を打たれ、ボランティアの方々の助けがどれ程ありがたいものかを感じさせられました。
 行いの よき人見るは この里の
 温泉いでゆにまさる 身の薬なり
 武力討幕に反対をした薩摩藩士の高崎正風たかさきまさかぜの歌です。私にとってボランティア活動をされる方の行い、姿を見たことは薬湯に浸かることにも勝る薬となりました。
 ボランティア活動はすべての方ができるわけではありません。遠くの方は募金等を通じて、また身近にボランティアに 行く人がいれば「気を付けて頑張ってきて」と声をかけてくださることもありがたいことだと感じます。このような一人ひとりのき行いが広がり、善き心の輪は広がっていくと思うのです。
 浄土宗の教えは、お念仏をおとなえすることが大切と説かれます。浄土宗開宗かいしゅう850年のキャッチコピーに「お念佛からはじまる幸せ」とあるように阿弥陀さまに見守られ、救われることに気づき、ともにお念仏をとなえて善き行いを実践し、極楽浄土への想いを深めましょう。

(熊本県荒尾市 浄業寺 三宅俊明) 

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