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今月の言葉:2019年08月

ここにいるよ あなたを想っている

Loved ones current and departed are always watching over us.

 私が住職を務めている定義じょうぎ如来・西方寺というお寺は仙台駅から西へ車で約1時間、山形県との境も近い大倉というのどかな山深い地区にあります。
 この大倉で5月末に、地元小学校との地域合同運動会がありました。私自身も卒業したこの小学校は現在全校生徒が10名で、来年度から近くの小学校と統合され閉校となるため、この小学校としては最後の運動会となりました。
 ダムのほとり、四方を山に囲まれた自然豊かな校庭、突き抜けるような青い空、そよぐ風。本部席横には地域ごとの白いテントが連なり、老若男女が地区対抗で、色々な競技を行います。その合間に子どもたちの徒競走や綱引き、リレーなどが行われ、10名の生徒はこれまで一生懸命練習してきた成果を力一杯表現していました。
 その姿を見る地域のおじいちゃん、おばあちゃんの眼差しは、まるで自分の子や孫を見るかのようで、生徒らの一挙手一投足に、大きな声援や拍手が起こります。リレーで、ある子の靴が脱げてしまった時でも「ガンバレ、ガンバレ、あきらめるな!」とたくさんの声援が飛び、その子は靴を履き直し全力で完走しました。今回が最後になるのが、なんとももったいない思いがするぐらい、とても良い運動会でした。
 今月の標語を見たとき、私の心に浮かんだのはこの運動会での子どもたちを見守る地域の人々の温かい「眼差し」でした。
 浄土宗を開かれた法然上人のご法語に「衆生しゅじょう、仏をらいすれば、仏これを見たもう。衆生、仏をとなうれば、仏これを聞き給う。衆生、仏を念ずれば、仏も衆生を念じ給う」とあり、これは私たち一つひとつの行為に阿弥陀さまが応えてくださるというもの。阿弥陀さまと我々(衆生)は親子のような強いご縁で結ばれていることを法然上人はお示しくださいました。
 阿弥陀さまだけでなく、ご先祖さまも極楽浄土の世界から、まさに温かい眼差しで「ここにいるよ あなたを想っているよ」といつもあなたを見守ってくださっています。
 8月はお盆の季節。お墓参りをする方もたくさんいらっしゃることでしょう。どうぞその時も温かく見守ってくださる阿弥陀さまやご先祖さまに想いを馳せ、手を合わせて「南無阿弥陀仏」とお念仏をおとなえしましょう。そして身近な方や、離れて住んでいるご縁のある方々にも想いを寄せ、普段言えない感謝の想いを伝えしましょう。

(宮城県仙台市 西方寺 大江田紘義)

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