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今月の言葉:2020年01月

「おはよう」笑顔かがやく

The whole year is richer if, starting on New Year's Day, you greet each morning with a smile.

 璽書道場という浄土宗の奥深い教えを授かる修行を11月に京都にある総本山知恩院で受けました。浄土宗で最も大事な教えはお念仏に凝縮されていますので、修行中、常にお念仏をおとなえする大変貴重な生活を送ります。
 道場中は、朝起きて「南無阿弥陀仏」、夜寝るときも「南無阿弥陀仏」。勤行も1日に数回ありました。普段とは異なる生活リズムに戸惑いましたが、決まった時間にお念仏をおとなえすることで徐々に身体と心が落ち着き、朝であれば「今日も1日頑張ろう」、夜であれば「今日も1日ありがとうございました」という気持ちになりました。お念仏と向き合うことで、自分自身と向き合っていたのでしょうか。「ルーティン」をすることで、いつも穏やかに過ごすことができました。浄土宗僧侶になるためのでんしゅうでんかい道場という修行を受けた学生時代とは、異なる感情を持ちました。最も感じたのが、毎日決まった時間に同じ所作をすることの重要性です。
 道場を終え、この湧き出た感情をどうすれば多くの方々に伝えられるかと考えたとき、一つの経験を思い出しました。私は現在、都内にある大正大学地域創生学部で地域実習の授業を担当しています。それゆえ、さまざまな地域への合宿の引率をしているのですが、そのときに地域の方から必ず言われるのが挨拶です。朝起きたらまず「おはようございます」、道で会ったら「こんにちは」、仕事が終わったら「おつかれさまでした」。都会から来た学生たちは、最初は恥ずかしそうに挨拶をし、地域の方から「元気がないぞ!」など叱咤を受け、少しずつ声が大きくなっていきます。挨拶をすると必ず挨拶で応えてくれるということが自信につながっていくのでしょう。毎日決まった行動をすることで、自尊感情が日々高まっていくのが伝わってきます。
 浄土宗がり所とする経典の一つ『りょう寿じゅきょう』に「げんあい」という語句が登場します。「菩薩ぼさつのように、なごやかな顔、愛情ある言葉で人に接すること」を意味する言葉です。つまり、「おはよう」と笑顔でコミュニケーションをとるだけでも、それは仏教の実践だとお釈迦さまはおっしゃいます。
 それに気づき、挨拶とお念仏をルーティンにできれば、毎日活力と感謝に溢れます。挨拶は世界万国に共通の習慣です。その習慣を意識的に実践することができれば、今年は笑顔かがやく素晴らしい1年となるでしょう。

(山形県酒田市 林昌寺 齋藤知明)

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