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今月の言葉:2020年05月

声はげまし もう一歩

Enduring and overcoming today's sufferings will nourish a brighter future.

令和の時代が始まり1年が経ちました。新たな気持ちで目標を立てて過ごされた方もいるかと思います。目標を立てても、それを実践することは難しいものです。先日、実践にまつわるこんな話を耳にしました。
 アメリカのテレビ司会者のメル・ロビンズさんという方の「5秒ルール」というお話です。これは、あれこれ考える前に5秒数えたらすぐに行動に移そうという内容でした。
 ロビンズ氏によると、人間の脳の役割は、「自動運転」と「非常ブレーキ」の二つに例えることができるそうです。 「自動運転」は、毎日の習慣になっていて、意識しなくてもできる行動。「非常ブレーキ」は、いつもと違う行動をする時にそれを拒否しようとする力です。人は慣れないことや、やる気がでないときに、やらなくていい理由を必死に探します。その考えにいたるまでの時間が5秒間なのだそうです。
 脳が「非常ブレーキ」を踏んでしまう前に「よし!」と自分を奮い立たせて、行動に移すことが大事で、やる気は後から付いてくるものだと言っていました。そして、「5秒ルール」は続けることで自然と身についていくとのことでした。私は心を動かされたのと同時に、浄土宗の教えをあらためて思い出しました。
 法然上人は「一枚起請文」の中に「ただし三心四修と申すことの候うは、皆決定して南無阿弥陀仏にて往生するぞと思ううちにこもり候うなり」とお示しになりました。これは、①至誠心(誠の心)②深心(深く信じる心)③回向発願心(自身の善い行いを他者のために振り向けて極楽往生を願う心)といったお念仏を申す人の三つの心構え(三心)と、①恭敬修(仏を仰ぎ敬う)②無余修(阿弥陀さまやお念仏だけを信じる)③無間修(絶え間なく)④長時修(生涯続けていく)といったお念仏を申すうえでの四つの態度(四修)は、お念仏をおとなえするうちに自然と身につくものとの教えです。
 慌ただしい日々を過ごすなかで、気持ちがついてこないときもあると思います。そのときは「よし!」とまず声に出して行動してはいかがでしょうか。その声や行動がお念仏であると一番ですね。「声はげましもう一歩」。どうぞ更なる一歩を踏み出すきっかけにして、ともどもに精進して参りましょう。

(愛媛県今治市西蓮寺 隈江瑛司)

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