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今月の言葉:2020年09月

あまねくわたる 仏のこころ

At all times, without exception, those who recite Namu Amida Butsu receive the generous compassion of Amida Buddha.

ぶつめつめいげつ」という言葉をご存じでしょうか。これは、中秋の名月の日は必ず仏滅になることからそう呼ばれています。

浄土宗で月は、宗紋(浄土宗の紋章)や宗歌(浄土宗を象徴する歌)「月かげ」で用いられるなど、縁が深い存在となっております。ぜひともこの月を通して仏縁を結んでいただきたいものです。
宗歌「月かげ」は宗祖法然上人がお詠みになった次の和歌になります。

「月かげの いたらぬさとは なけれども ながむる人の 心にぞすむ」

これは「月の光は分け隔て無くすべての場所を照らすように、阿弥陀さまの慈悲のみ心であるこうみょうは、すべての世界をあまねく光り照らし、お念仏をとなえる私たちを必ず救い取る」という意味で、阿弥陀さまの本願と、その慈悲の心を歌われたものとされています。

さて、私はこの「月かげ」の歌の意味合いを、南米ブラジルの地で感じさせていただく機会がありました。今から7年前、サンパウロにある南米浄土宗別院にっぱくというお寺で、こんりゅう60周年の記念法要に参列させていただいたときのことです。

その法要は、ポルトガル語と日本語が混じり合ったもので、ブラジル人・日本人が一緒に大きな声でお念仏をおとなえする姿に感動したものでした。

法要後、ご住職が「阿弥陀さまのお救いの光・慈悲の心は日本から最も遠い地であるブラジルにも、必ず届いています。お念仏のみ教えを求める人のために、私はこの地で骨をうずめ、お念仏のみ教えを広めるために精進します」とお話しされました。

この話を聞き、これはまさしく月かげのみ教えであると受け取らせていただきました。ブラジルと日本は時差が12時間あります。つまりブラジルで見ている月は日本では見ることが出来ません。同様に日本で見ている月もブラジルでは見ることが出来ません。しかしながら、その月には変わりは無いのです。

雲がかかっていて月が見えなくても、雲の上には月が光り輝いているように、常に阿弥陀さまはあまねくお救いの光で私たちを照らし、慈悲の心で見守ってくださっているのです。

(大阪市中央区 法善寺 神田眞英)

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