浄土宗の活動 ~ 宗派声明

浄土宗としての部落差別問題に対する考え

法然上人を宗祖と仰ぐ浄土宗は、21世紀を迎え、平和、環境、倫理、教育、人権、福祉などの諸問題に取り組み、住職、寺族一丸となって法然上人の心を家庭に、社会に、世界に広げていくことを誓い、宗祖法然上人の念仏を通した真実の生き方を世界に広げ、共生社会を具現する「21世紀浄土宗劈頭宣言」を発布しました。
その劈頭宣言をうけ、人権教育 ・人権啓発を重要課題として取り組みを進めるため浄土宗においても、21世紀を人権の世紀と捉え、すべての人々の幸せを願って「浄土宗21世紀人権アピール」を発表し啓発活動を進めてまいりました。 しかしながら、教団には永い歴史の中で、宗祖のみ教えに反して時代に迎合し「差別戒名」を付与し、今なお、すべての差別戒名墓石を改正出来ない現実があります。また、近年本宗僧侶による差別事象が起こったことでも明らかなように、浄土宗教団の中にある差別の体質が改善できていない状況です。
部落差別は、人間の自由と平等という基本的人権の侵害に関わる社会問題であり私ども浄土宗僧侶は、宗祖の説かれた「愚者の自覚」に立ち返り「共生」の教えのもと、平等化他行を実践し、部落差別をはじめとする一切の差別を許さない教団として、地球上に住む全ての人々が自由で平等に生存する権利を守り、平和で豊かな社会を築いて行けるよう、手と手をつなぎ、その輪をひろげていくことこそが、わたしども教団が果たさなければならない使命であり、教団を上げて取り組んでまいりたいと存じます。

平成26年9月19日 浄土宗宗務総長 豊岡鐐尓

過去帳の閲覧禁止・公開の禁止(2013.9.25)

1. 過去帳の新聞掲載事象発生

浄土宗寺院の過去帳が連続して3教区において、新聞掲載されるという事象が発生しました。
これらは、過去帳を第三者に閲覧させない、過去帳閲覧は身元調査につながり差別を助長するという認識が不足し、宗内での啓発・同和教育が全ての僧侶に行き渡っていなかったことを改めて認識し反省することになりました。
過去帳の閲覧はさせない、公開はしないという自覚で、責任をもって管理いただきますよう再度お願いいたします。

2. 過去帳の閲覧の拒否

過去帳を第三者が閲覧を希望する場合には断固として拒否して下さい。
過去帳閲覧は、身元調査につながり差別を助長するという観点で接していただきたく存じます。

3. 過去帳についての相談窓口

過去帳(記載事項、閲覧など)に関して不明な点、疑問点などがありましたら、浄土宗人権同和室にご相談下さい。

セクシャル・ハラスメントについて

セクシャル・ハラスメントについて それは“レッドカード”!

2008年12月10日、世界人権宣言は採択から60年を迎えました。その取組みは年々前進してきています。
今回は、多用な人権問題(差別問題)の中でも、身近なセクシャル・ハラスメント、女性差別問題について考えてみましょう。
我が国においては女性差別撤廃について、1986年男女雇用機会均等法(1999年・2007年大幅改正)、同じく1996年6月には男女共同参画社会基本法が施行されました。
またこの頃の1989年、「セクハラ」という言葉が流行語大賞を受けました。
「それってセクハラ!!」と指摘すると、「何いってるんだ!」という言葉が平気で反ってくる、そんな時代でした。
たとえば、服装について「センスがない」などの発言を平気でしたり、職場内で男性同士が性的な会話を繰り返したり、また女性の容姿や肉体に関することをあれこれ言ったり、さらには挨拶で「スピーチとスカートは短い方がいい」なんていうことも平気でした。
それから20年・・・・・この種のハラスメントは人権侵害と位置付けられ、それはとりもなおさず女性差別問題という共通の理解が定着しました。

したがって
「まだ結婚しないの!?」
「仕事なんかやめてお嫁に行けば!?」
「結婚しても働くの!?」
「子供はまだ!?」
といった心ない言葉は、今では自分の「無知」をさらけだすことになります。

何がセクハラにあたるのか、その定義はむずかしいところですが、いずれにしても、上記のような例は“レッドカード”なのです。

私たちは「差別をしない感性」と共に、「差別を見抜く感性」を身につけ、時代の変化に素早く対応をしていかないと、周りから取り残されてしまいます。

浄土宗平和アピール

本宗において、「清めの塩」をどのように取り扱うかについては、これまで必ずしも明解ではなかったように存じます。
科学が未発達であった時代の日本社会において、人が死ぬということは災厄の一つとして捉えられていました。伝染病で死んだ人を弔った人が同じ病気で死んだり、たまたま隣り合う家の人が続けて死ぬことの理由付けには、「災い」や「穢れ」と言う言葉を使うのが、一番都合がよかったのかもしれません。

そして、その災厄から逃れる必要がありました。そこで考え出された方法の一つが「清めの塩」という方法であったのです。
もともと「塩」には殺菌効果があるので、古くから食物の腐敗を防ぐために用いられていました。また、「敵に塩を送る」という言葉や、「梅干」「塩むすび」や「塩味○○」などの食べ物、別な例として飲食店の店先で「盛り塩」を目にすることもあるように、日本では大変身近なものでありました。

「清めの塩」という慣習は、この「塩」の作用に注目して始まったものと考えられ、「災い」や「穢れ」から、塩の殺菌作用を浄化作用として用いることにより「清め」て、自分は免れるという発想から生まれたようです。
しかしながら、今日では単なる迷信であり気休めであると言い切っても構わないでしょう。
浄土宗において、死は災いでも穢れでもありません。宗祖法然上人は、『百四十五箇条問答』の中で、死のけがれ、出産のけがれ、血のけがれに対して「仏教には忌みということはない」と、けがれという捉え方を否定しておられます。
すなわち、平生からお念仏をとなえていれば、阿弥陀さまのお導きにより極楽浄土に生まれ変われるのでありますから、畏れることはないということであります。

「畏れ」や「穢れ」の観念は、同和問題において重大な意味を持ちます。「穢れ」という考え方が即差別につながるものではありませんが、社会の制度として取り入れたのが部落問題の根源であると言えます。
なぜ差別が起こるかということを考える時、「清めの塩」もそうですが、他人より少しでも優位であろうとする、人間の本質的な衝動にその源があるのです。

自分の心の内側を見つめることは、差別をなくすために大切なことです。従って「清めの塩」は、単に慣習であると理解し、私たちお念仏を信じる者には不要な行為と考えましょう。

浄土宗平和アピール

浄土宗は2001年、
「愚者の自覚を、家庭にみ仏の光を、社会に慈しみを、世界に共生を」
とする「21世紀劈頭宣言」を発表、世界平和について発言し、行動してきました。

しかしながら、本宗の近代において、軍用機を陸海軍に献納(けんのう)するなど、様々な戦争協力の事実は否定することができません。これに対し、例えば1994年、浄土門主は『太平洋戦争五十回忌法要』表白において、戦役に助力した重責に対する懺悔、すべての戦没者の鎮魂・慰霊、世界平和への祈念を表明いたしました。

わたしたちは、そのこころを受け、浄土宗が世法の国策に従いいかなる言動を行ってきたか、歴史的検証を行うことこそ、世界平和の実現に、あらためて必要なことだと確信します。

わたしたちは、自らの愚(おろ)かさを自覚したうえで、戦争責任について自省し、アジア太平洋地域の人々の人権と尊厳を侵し、戦争による惨禍と多大なる犠牲を強いたことを、ここに深く懺悔します。

わたしたちは、法然上人の念仏の教えにより、再び同じ過ちを犯さないこと、すなわち被爆国広島の地において非戦・非核武装を誓い、未来に向かって慈しみにあふれた共生・平和の社会を創るために行動することを、ここに宣言します。

平成20年11月19日
浄土宗宗務総長稲岡康純

核実験行為に反対する平和への声明

私たちは去る10月9日に隣国、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が世界の国々の信頼を裏切り、地下核実験を強硬実施した行為は誠に遺憾であり、深い悲しみをおぼえます。

我が浄土宗平和協会は、恒久的世界平和の実現を目指す活動を、浄土宗唯一の平和団体として進めています。また『浄土宗21世紀劈頭宣言』に述べられている「愚者の自覚」を持ち、平和、環境、人権などの問題に取り組み「世界に共生(ともいき)」する平和となることを望んでいます。

我が協会は今回の北朝鮮の看過できない行為に接し、『無量寿経』に説く
(天下が泰平であり戦争の武器は用いない)

の教えの上に立ち、いかなる核実験・核武装にも反対するとともに、「世界に共生」「平和・非暴力」の誓いを新たにするところです。

平成18年10月20日
浄土宗平和協会

「浄土宗21世紀人権アピール」への取り組み

2001(平成13)年12月10日、浄土宗が「浄土宗21世紀人権アピール」を出した。浄土宗のホームページでは、同アピールを紹介するとともに、人権とは何かの理解を深め、現代社会に対してその重要性を読者の皆様とともに広く社会に提示していきたいと願うものです。

国際連合は21世紀を人権の世紀とするため、1995年から2004年を「人権教育のための国連10年」と宣言し、人権文化を築きあげる活動が世界各地で進められています。

20世紀の100年間は、人類の生活に豊かさをもたらす、あまたの技術革新が生み出された反面、多くの戦争・民族紛争が発生し、人権侵害や抑圧が世界に蔓延しました。また、身近な問題としては、児童虐待や家族内暴力、性的いやがらせ、さらには、情報化社会の発達によってもたらされた、インターネットの匿名性を悪用する人権侵害も発生するようになっています。

ときあたかも浄土宗は「浄土宗21世紀劈頭(へきとう)宣言」で万民平等を説いた法然上人の念仏を通した真実の生き方を世界に広げ、共生社会を具現することを宣言いたしました。

しかし、浄土宗の長い歴史の中においては、その教えに反して時代と迎合し、差別戒名を付与するなど、差別に加担した消すことの出来ない恥ずべき事実があり、また、現代においても差別の体質が残っていることを否定することはできません。

浄土宗は、このようなことを深く懺悔するとともに、あらためて宗祖法然上人の万人平等の教えに立ち返り、同和問題をはじめとする全ての差別問題に対し、固有の経緯等を十分認識し、今こそ、地球上に住む全ての人々が自由で平等に生存する権利を確立し、豊かな社会を築いて行けるよう、釈尊の教え、法然上人の導きのもと、手と手をつなぎ、その輪を広げて行くことこそが果たさねばならない使命であろうと考えるのです。

皆さま方と共に、人権の問題を考え、明るく、正しく、仲良く生きることの出来る世界を作りあげましょう。

ハンセン病に関する謝罪

ハンセン病訴訟熊本地裁判決、そして政府の控訴断念は、一世紀に及ぶ隔離施策から人間としての解放を求め続けた原告及び支援者各位の勇気に満ちた運動の成果であります。これは、全国13の療養所に現在もなお入所されている方々、差別や偏見を恐れて真の社会復帰を図れずにいる退所者や患者家族、また死してなお故郷に帰れず納骨堂に眠る諸精霊及びその遺族、そしてこの世に生を受けることなく逝った胎児など、ハンセン病政策によるすべての被害者にとって人間回復のための歴史的な第一歩であります。 政府は、今日まで人権上の制限や差別によって患者や元患者が受けた苦痛、苦難に対し心から謝罪し、全面的解決のために立法措置を講ずることを約束いたしました。

さて、私たちは、国の隔離政策に対して何ら批判することもなく、容認してきたのであります。今、元ハンセン病患者やその家族が長い年月にわたって受けてきた苦しみを思うとき、本来救いとしての教えであるにもかかわらず、あきらめをうながす慰め的な内容を説いてきたこと、それによって差別や偏見を温存助長してきた大きな誤りを自覚せざるを得ません。 また世間から隔離されたり、時には閉じ込められたり、親子、兄妹の名乗りもできず、故郷に骨を埋めることすら叶わなかった無念を想うとき、心は痛み、申し訳なく、慙愧に耐えないところであります。 我が教団として、元患者の方々をはじめ家族・関係者に対し、苦しみを共有することも無く、差別を温存助長する過ちを犯してきたことに対し、深く反省懺悔するとともに、心から謝罪するところであります。 今回の訴訟問題を契機として、私たち浄土宗教団においても過去の同じ過ちを繰り返すことなく宗祖法然上人の御心を体し、本宗挙げてあらためて真摯に学習をすすめていくことを固く誓うものであり、そして、元ハンセン病患者の皆様をはじめ、またそのご家族及び関係者が差別と偏見から解放される明るい社会の実現を目指し、立ち上がることをお誓いし、謝罪といたします。

平成13年7月17日

イスラエルとパレスチナ 平和的解決シンポで模索 浄平協などが共催

浄土宗平和協会(荻野順雄理事長)、アーユス仏教国際協力ネットワーク(茂田真澄理事長)、日本国際ボランティアセンターの共催で、11月12日、シンポジム「イスラエル・パレスチナの宗教・社会・平和~イスラエル・パレスチナのイスラム教・キリスト教。ユダヤ教の学者と日本の仏教学者による対話」が、大本山増上寺を会場に開かれた。イスラエル、パレスチナ地域の平和的解決を考える際に不可欠な、同地を聖地とする3つの宗教を知る必要があるとの趣旨で開かれたもの。3宗教の宗教者に浄土宗総合研究所研究員の戸松義晴師が加わり、それぞれの宗教の教義や平和に対する思いを語りあい、また、集まった約120名の聴衆から質問を受けた。

2008年1日 浄土宗ニュース

人権同和に関するお問い合わせ先

浄土宗人権同和室

〒605-0062  京都市東山区林下町400-8
TEL:075-525-0484(直通)/FAX:075-531-5105

浄土宗人権センター

〒605-0062  京都市東山区林下町416 浄土宗教化研修会館内

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