~ パネルシアター実演者養成研修会(平成26年10月4日関西地区)
平成26年10月4日(土)
佛教大学四条センター
担当講師 松家まきこ 先生
概要
第3回目となる今回は、パネルシアター作家の松家まきこ先生を講師としてお迎えしました。松家先生は淑徳大学の特任講師であり、駒沢女子短期大学と鶴見大学短期大学部でも講師を勤められております。
松家先生のパネルシアターは主に子どもを対象としており、親子で楽しめるものも多くあります。関西地区の参加者は保育に携わっている方や「母親」という立場の方が非常に多く、御自身も楽しみながら、パネルシアターに参加されていました。
松家先生はたくさんの絵を使うのではなく、一つの絵でどれだけ楽しめるかということを考えておられ、歌や手遊びを交えながら子どもはどこに興味をひかれるのか、どうすれば同じ絵で何度も楽しめるのかを説明されました。
また松家先生が考えられた、一つの絵が次々に変わっていくという作品を参加者が製作し、仕組みを学び、実演にどう活かそうか考えていました。
有名な童謡「アイスクリームのうた」(写真右上)では、一緒に歌うだけではなく隣の人と手をつなぎ、手拍子をしながら参加していました。観るだけでなく、一緒に参加することで周囲に一体感が生まれ、楽しさも倍増しているようでした。
松家先生の作品は、子どもの純粋な疑問や意見など周りの考えも取り入れることでさらに良いものへと改良されています。
「やきいもグーチーパ」(写真右下)では、手遊びをつけながらみんなで歌い、最後の「じゃんけんぽん」に合わせておいもをひっくり返すと、そこに「グー」「チョキ」「パー」のどれかが描かれています。
パネルシアターで行う、いつもとは少し異なるじゃんけんに参加者は新鮮さを感じて楽しんでいるようでした。
視覚的に変化させることで乳幼児期の子どもでも楽しめるそうです。
『バーベキュー』(写真左上)と『もしもどんぐりのぼうしがね』(写真左下)は松家先生が作られた作品です。
松家先生の作品は「観る」だけでなく、「手遊び」、「歌遊び」が組み合わされて作られています。そうすることで1つのパネルシアターで何度も楽しむことができます。
違うパネルシアターをいくつもするのではなく、一つのパネルシアターで何十回も遊ぶにはどのような工夫が必要かということを考え、作られた作品です。
製作(1)
動物が次々と変わっていくパネルの製作をしました。これは松家先生が考案されたもので、違う種類の動物を同じ形に切り、ある貼り方でそれぞれを貼り合わせることによって作ることができます。
松家先生の御指導のもと参加者は真剣に製作に取り組みました。
参加者は「自分では考えつかない」と製作方法に驚いていました。
新たな技法を学ぶことで、自らのアイデアをさらに膨らませ、実演時に活かされるでしょう。
製作(2)
「なんでもボックス」は松家先生が考案されたもので、ポケットのように中に何かを入れることができます。
平面上の絵の中から何かが出てくるということは子どもだけではなく、大人も興味をひかれるので、実演の際に様々な場面で活用することができます。
松家先生は、外部の専門家として浄土宗パネルシアター委員会の専門部会員をお勤めいただいており、今回講師としてご協力いただきました。先生は以前幼稚園に勤務されていたので、披露されるパネルシアターはわかりやすく、なおかつ参加型の作品が多くありました。子どもはどうすれば興味を持つのか、親子で楽しむにはどうすればよいのか、を考えて作品を製作されており、子どもが疑問に感じた部分や「こうしたらもっとおもしろい」という意見を積極的に取り入れ、さらに良い作品へと改良されています。
本研修会は浄土宗主催ではありますが、僧侶資格をお持ちでない方も多く参加されており、「子ども会」、「地蔵盆」、「信行道場」など子供向けの行事の際に披露したいと考えている方が多く、また保育関係にお勤めの方は日常にパネルシアターを取り入れたいと考えているようです。ともに対象は子どもになるので、松家先生のように実際幼稚園で働かれていた方から教えていただけるのは、良い機会だと思います。
浄土宗教師として、パネルシアターを用いてお説教をしたいと考えていても、まずは観ている側の心をつかむ必要があります。特に幼児期や児童期の子どもは突然話が始まったとしても、興味がなければ大人しくその場にいることさえ難しいでしょう。そのため、まずは歌遊びや手遊びを通じて、パネルシアターと実演者に興味を持ってもらう必要があります。
松家先生はどうすれば子どもが喜び、楽しむことができるかということを熟知されているので、実演の仕方、製作方法などどれをとってもこれからのパネルシアターの実演に役立つものでありました。
浄土宗教師以外の立場の方を講師としてお迎えし、教えていただくことで、様々な方法や考えを学ぶことができ、幅広い視点でパネルシアターの製作・実演に取り組むことができると考えます。
→ パネルシアター実演者養成研修会報告(平成26年度・関西地区)
→ 平成26年7月
→ 平成26年10月
→ 平成26年11月
→ 平成26年12月・平成27年1月
→ パネルシアター実演者養成研修会報告(平成27年度・関西地区)
→ 平成27年7月
→ 平成27年8月
→ 平成27年9月(公開講座)
→ パネルシアター実演者養成研修会報告(平成29年度・関西地区)
→ 平成29年7月
→ 平成29年8月