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浄土宗の活動 ~ 第2次世界大戦終戦70周年戦没者追悼・平和祈念事業

基本理念

我が国において最後の大戦である第2次世界大戦は、昭和14年に始まり、日本では、遠い戦地、及び本土の空襲等によりお亡くなりになった方々は総勢310万人に及んだ。全世界では8,500万人という夥しい数の生命が失われることとなり、昭和20年に終戦を迎えた。

浄土宗は、この終戦から70年となる平成27年、失われたすべての尊い生命を悼み改めて追悼の誠を捧げるとともに、戦没者の方々にとどまらず、その壮絶な時代を生き、また戦後には、世界が平和になるように努力を続けてこられた方々に対しても、心から感謝の意を表明するものである。

また、20世紀におけるたび重なる戦争、そして核兵器の開発という負の遺産を背負うこととなった人類が、今一度その反省に立ちかえり、今後二度と誤った選択をすることがないように、「浄土宗21世紀劈頭宣言」において「愚者の自覚を」「家庭にみ仏の光を」「社会に慈しみを」「世界に共生を」を標榜し、世界平和を宣言した。そして法然上人の共生世界の実現を願い続けてきた。

その源流を尋ねると、宗祖法然上人が仏門に入る端緒となった、父親の時国公が明石定明の夜襲により非業の最期を遂げる際の「敵人を怨むことなかれ、これは先世の宿業なり、仇は世々に尽きない、出家して我が菩提を弔い、自ら解脱を求めよ」という遺言で、そこには「かたき討ちを繰り返すべからず、汝の手により報復の連鎖を断つべし」という強いメッセージが込められており、その精神が後にお念仏によってすべての人が救われてゆく道へと昇華されたところにある。

さらには、長年にわたり法然上人に常随し薫陶を受けた側近の弟子であり、また平家の末裔である源智上人が、師、法然上人の一周忌に際して、師に対する報恩謝徳のために阿弥陀如来立像を造立、その胎内に往生を願う4万6,000人に及ぶ署名を集めて納入した。また源智上人は、署名とともに納入した願文に「師は、ただすべての人を生死の煩いのない人に生まれかわらせたいという大慈悲心の持ち主であり、生涯をとおして、そのことの実現につくされたお方であるからこそ、数万人の署名を集めて納めた」と記された。

そして源智上人はその膨大な量の紙片の一紙に、当時既に亡くなっている、源智上人の家系である平家一門を滅亡させた源氏一族の源頼朝らの名前をも、自らの手で書き加えて極楽往生を願うという、まさに敵と味方、また親の仇といった怨憎の念を完全に超越した真実の怨親平等の信念がそこにある。

浄土宗は平成27年に第2次世界大戦終戦70周年を期して、法然上人の平和を願う心をもって世界の戦没者すべての安寧と平和な社会となることを願いつつ各種事業を展開することで、人々が平和へと向かう道程を僅かながらでも示し、世界の平和と人類の福祉に寄与しようとするものである。

浄土宗

おんしんびょうどう 【怨親平等】

怨みに思う人も親しき人も、ともに平等に同視すること。仏教は大慈悲心をもととするから、怨敵も憎むべきでなく、近親にも執着してはならず、いわゆる一視同仁にして平等にこれらを愛憐する心をもつべきことをいう。戦闘による敵味方一切の人畜の犠牲者を供養する碑を建てるなど、古来仏教徒の間にその精神のあらわされている事蹟が多い。

-出典:浄土宗大辞典1(抜粋)-

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