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浄土宗ニュース:2017年11月

宗立・宗門大学の学生が連携 寺フェス

仏教の魅力 ボクらの伝え方

〝僕が、私が好きな仏教、どうしたら伝わるだろう?〟
10月8日、浄土宗宗立・宗門学校の大正大学、埼玉工業大学、淑徳大学の学生が連携し、埼玉工業大学(深谷市)の学園祭「秋桜祭」で仏教体験イベント「寺フェス」を開催した。学生が仏教の魅力をどう伝えたか―。当日の模様を取材し、運営した学生に話を聞いた。
 〝クレープいかがですか~〟、〝ジャカジャカ…キミだけを~♪〟。埼玉工業大学の「秋桜祭」、模擬店の呼び込みや、学生バンドのラブソングが校内に響く。これぞ学園祭、といった雰囲気のなかで〝地獄体験しませんか~〟の呼び込みは異彩を放ち、多くの人がブースに立ち寄っていた。
 「寺フェス」は浄土宗が宗立・宗門大学と連携して行ってきた「寺院と地域連携」に関するシンポジウムで第2回となった昨年11月、「仏教の魅力をどう伝えるか」の案として学生からあげられた「地獄・極楽体験」が原案となった。シンポジウムの後、3校の教職員と学生有志が主体となって準備を進め、今回「寺フェス」として具現化した。
 校内のホールに設けられた寺フェスブースは、入り口で「地獄」「極楽」に分かれ、まず地獄を体験してもらい、最後に阿弥陀如来像に手を合わせ、極楽への憧憬を深めてもらう仕組み。
 地獄では入棺体験後、奪衣婆から罪の重さを量られ、賽の河原では〝命を粗末にするなよ!〟と、石に見立てた積み木を鬼に倒される。そして閻魔大王の前に立てば「お前はどんな悪業を犯したのだ!」と、閻魔大王による〝尋問〟が。もちろん、像の後ろにいる学生が演じているのだが、小型カメラを取り付け、〝しゃべっちゃおう〟という発想は学生ならではで、理系である埼工大の技術の強みでもあった。
「私が好きで好きで、心の支えになっている仏教を多くの人に伝えるには、やはり体験が一番なのではないかと思いました」
 そう答えてくれたのは「寺フェス」の発案者、大正大学4年生の茨木美香さんだ。

【!】浄土宗 宗立・宗門学校……浄土宗の教えを建学の精神・教育の理念に掲げ浄土宗と連携する学校。小、中、高、大学など全国に合わせて43校ある。

左:石に見立てた積み木を鬼に倒される

右:好評だったしゃべる閻魔。巧みに自戒を促す

発案者 茨木美香さんに聞く

寺フェスのねらいとは?

 大正大学では哲学・宗教文化コースで「観音信仰」の研究を進めているという茨木さん。仏教に興味を持ったきっかけや、寺フェスに込めた想いを伺った。
―茨木さんが仏教に興味を持ったきっかけは?
「私が母のお腹にいたとき、正常に生まれる確率は0㌫といわれていたそうです。奇跡的に今があるわけですが、改めて考えてみると生きていることって当たり前ではないんだなと。曽祖父が僧侶だったこともあり、もともと信心深い家ではあったのですが、仏教を学ぶうち、些細なことでも感謝できるようになったし、後悔のないように一日を大切に生きようと思えるようになったのです。
 物心ついたときには仏像のフィギュア集めも趣味になっていたり(笑)。同級生がジャニーズのあのメンバーが好き! と言うのと同じように、私は八部衆(仏法を守護する八神)の迦楼羅が好き! って言っちゃうような立派な仏教女子に育ちました(笑)」
―寺フェスのねらいは?
「親しみがない人にとって仏教は、苦手なものや難しいものと思われがちです。ですからまず、〝体験〟を入り口にしました。あと、最近の子どもたちは『悪いことをしたら地獄に落ちちゃうよ!』って戒めても信じないんですよね。私は仏教を通じた教育的な部分はすごく大切だと思っていて、今日もお母さんにしがみついて『いい子にするから!』って泣き喚いていた子を見て〝よしっ!〟って思いました(笑)。時代を経ても人間の本質は変わらないと思います」
 茨木さんが考えていたねらいは着実にこの企画に携わった他の学生にも伝わっていると感じた。中でも如実だったのが閻魔大王の音声の演出だ。担当の学生は最初こそ恥ずかしがってか、遠慮大王だったが、途中から来場者に合わせアドリブを入れるなど、大人もおののく閻魔大王に変化していった。声を担当した埼工大の学生は「子どもを泣かせてよいものかと最初は戸惑いました(笑)」としつつ、「仏教的な意味を大正大生が教えてくれたり、淑徳大生も来場者に伝わるようにと、一生懸命に説明していた。良い相乗効果がこの閻魔につながった」と語ってくれた。
 来場者は総計600名を超え、校内でも人気ブースとなった。学生が仏教で伝えたかったこと、それは命の重さに他ならない。

左:運営にあたった学生スタッフら。大正大は仏教、埼工大は科学技術、
淑徳大は福祉とそれぞれの特徴を活かし、フェスを成功させた

右:大正大・茨木美香さん

“寺主”制作作品を上映

地域のつながり映画に
京都・称名寺

 京都府久御山町にある称名寺(稲田泰雄住職)が10月1日、寺主制作の映画の上映会を同寺で行い、檀信徒や地域内外の住民約百名が集まった。
 「目に見えにくい地域の結びつきを形に残したい」と、副住職の稲田瑞規師(25)が、映像クリエイターとして自主映画を制作している知人の小池茅さん(23)とともに、地域とお寺を題材にした映画「DOPE寺」を企画。エキストラとして檀信徒や地域住民約30名も参加し、今年3月に約1週間かけて撮影した。
 「DOPE寺」は久御山町を舞台に、瑞規師扮する主人公の、住職の後を継ぐプレッシャーや町の閉塞感に対する葛藤を描いている。上映中、見慣れた町の風景に「ここ、家の前の田んぼや!」と驚く子どもや、初々しくも一生懸命な演技に笑いが起きる場面もあった。
 映画に出演した小学5年生の小森颯良くん(10)は「演技は恥ずかしくて、つい笑っちゃって撮り直してもらうこともあったけど、みんなで一つの作品を作っていくのが楽しかった!」と満足気。颯良くんの母・絹子さんは「いつも何気なく通る道が幻想的に映っていたので、自分の暮らす街が作品になって嬉しい。地域の人々が大勢集まる機会は久々で、みんなで笑いあえて楽しい時間でした」と語ってくれた。
 瑞規師は「檀信徒のみならず、地域の方々がお祭りのように盛り上がってくれたのが嬉しかった。観光名所だけでなく、地域のお寺にも気軽に来てもらう工夫をして街を盛り上げたい」と、今後の展開に含みを持たせた。
 今後、映画はYouTubeに公開予定。詳細は同寺HP。

左:上映会が行われた書院には所狭しと地域住民が集まった

右:映画制作を企画した稲田瑞規師

現存最古来迎立像の可能性

平等院所蔵の観音菩薩像 修復調査で判明

 平等院(京都府宇治市・神居文彰住職)の所蔵する木造聖観音菩薩立像が、造立当時は臨終が近づいた人を迎えにくる「来迎」の姿を表した像であったことが、このほど公益財団法人美術院の修復調査で判明した。
 同像はヒノキ材の割矧造りで、高さ109㌢(台座除く)、11世紀後半の作とされる。調査をした技師らによると、蓮華の台座に乗る像の衣の裾後部が台座に入り込んでいること、衣に風を受けている意匠が見られることなどから、造立時は前傾姿勢で往生する人を迎える姿をとる「来迎像」だったのではないかと指摘。立ち姿の来迎像としては、国内最古の可能性が高いとした。同像は江戸時代に修復が行われたことが判明しており、このときに現在の姿になったのではないかとされる。
 同院は、これまで聖観音菩薩立像として信仰されてきた経緯を尊重し、像自体の形状は変えずに修理、代わりに復元図を作成した。
 来年1月12日まで平等院ミュージアム鳳翔館で公開中(要平等院拝観料)。問い合わせは同院=0774(21)2861。

左:修復後の観音菩薩立像

右:造立当時の想定復元図。現在は左手に蓮華を持つ腕の形状をしているが、もとは復元図のように往生する人を迎えるための蓮台を両手で持つ形であった可能性も指摘された

九州豪雨

継続した被災地支援を
大阪浄青が救援托鉢

 「九州の現状を聞き、すぐに托鉢を計画しました」
 9月28日、大阪教区浄土宗青年会(田中堅信会長)が九州北部を襲った7月の豪雨や9月の台風18号などで甚大な被害を受けた被災地支援のため、大阪市中央区の法善寺(神田眞晃住職)で托鉢募金を行った。
 9月半ば、大分県内の僧侶から「豪雨や台風から日は経ったが、九州では今もひどい状況が続いている場所もある」との話を聞いた田中会長が会員に呼びかけたもので、田中会長を含む大阪浄青会員5名に神田住職も加わり、2時間にわたり募金を呼びかけた。
 水掛不動で有名な法善寺は、外国人観光客も多く訪れるため、呼びかけ文言を英語や中国語でも作成。日本人だけでなく、外国人からの募金も多く寄せられた。
 大阪浄青では托鉢に先立つ同25日、大分県佐伯市でのボランティアを実施。参加した会員からの「土砂が撤去されていない民家もあり、手つかずの場所が多い」との報告もあり、田中会長は「メディアに取り上げられることは少なくなりましたが、復旧が進んでいない地域は多くあります。継続して支援を続けていきたい」と力を込めた。
 托鉢で集まった義捐金2万5018円は被災地の復興活動に充てられる。

2時間にわたり募金を呼びかけた

地域念仏信仰の礎 徳本上人偲ぶ

二百回忌契機に“てらいく”プロジェクト

 生涯を念仏修行と布教に捧げた江戸時代の浄土宗僧侶・徳本上人の遺徳を偲び、上人が布教の旅で訪れた長野県宮田村の白心寺・圓淨寺、同県駒ケ根市の安楽寺が9月18日、「徳本上人二百回忌法要」を行った。
 3カ寺では、地域の念仏信仰の礎を作った上人の二百回忌を契機にその業績を周知し、地域住民に寺院を身近に感じてもらい、地域の活性化を図ろうと、「寺行く・寺育・寺LIKE」にかけて「てらいく」プロジェクト(浄土宗ともいき財団助成事業)を企画。まずは寺院に足を運んでもらうため、今回の法要を計画した。
 プロジェクトでは、上人の認知度を高め、多くの人に二百回忌法要に参詣してもらおうと、各寺院で年回法要や施餓鬼会などの法要に際し、上人についての法話を行ったほか、上人がよく食したという人参を今回の供物とするために、地元の小中学生らと栽培するなどの活動を行ってきた。
 当日は、上人が3カ寺を訪れたときの歩みをたどるように、白心寺、圓淨寺、安楽寺の順にそれぞれで法要を厳修。また、上人の生涯を絵を用いて説明する「絵解き説法」や講談、仏教落語なども行われ、檀信徒のみならず、多くの地域住民が訪れた。

安楽寺門前に祀られる徳本上人名号碑で回向する飯田実雄住職と檀信徒ら

くつ(9/2)の日に靴供養

秘仏 履行阿弥陀如来をご開帳 石川・正覺寺

 くつの語呂に合わせて9月2日、石川県加賀市の正覺寺(小新真弘住職)で、靴への感謝を込めた「靴供養」が行われた。
 この催しは、地獄・餓鬼・畜生の世界に生まれた者を救おうと、金剛の靴を履いて救済に赴いたと伝わる(同寺縁起書)秘仏「履行阿弥陀如来」が本尊として祀られていることから、2年前に始められたもの。今回は地域住民から寄せられた履き古した靴41足を読経して供養し、履けなくなったものはお焚き上げした。
 小新住職は「供養を通じ、生活の支えとなった履物への感謝の心を忘れずにいてほしい」と語った。供養された履物のうち、まだ使用できる物はNPO法人を通じてフィリピンに送られた。

東京教区教化団「仏教成人大学」教養講座

終活から学ぶいのちと仏教

11月24日 午後1時から(受付開始12時30分)
増上寺慈雲閣


 東京教区教化団(佐藤雅彦教化団長)が11月24日、大本山増上寺(東京都港区)で講座「終活から学ぶいのちと仏教」を開催する。
 人生の終わりに向け準備をする「終活」。同教化団では、その話題の中心が経済的なものになりがちなことに対し、「いのち」の問題について考えてもらおうと今回の講座を企画した。10月11日に行った第1回目は、『終活難民』の著者・星野哲氏の講義や、実際に夫を看取った金子稚子氏と、その菩提寺住職・戸松義晴師による対談が行われ、84名が参加した。
 今回は、第一生命経済研究所研究員で葬送について研究する小谷みどり氏による「ひとり死時代のお葬式とお墓」と題した講演。また、前回参加者からよせられた戒名や納骨など「終活の問題」に対する疑問に教化団の僧侶が答える時間も設けられる。
 参加無料。申し込み・問い合わせは同教化団=03(3434)3045まで。

(写真=小谷みどり氏)

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          仏教の話をしよう。』
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