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浄土宗ニュース:2017年12月

もうすぐ 除夜の鐘

煩悩みつめ 新年へ

 大晦日の夜、寒空の澄んだ空気に響き渡る鐘の音。宗派を超え、多くの寺院で撞かれる「除夜の鐘」です。「除夜」とは、「古い年を取り除き、新年を迎える日(除日)の夜」のこと。この音を聞くと、いよいよ今年も終わるなぁと実感する人も多いでしょう。
 寺院の大鐘は「梵鐘」といいます。「梵」は、古いインドのことばで「神聖・清らか」を意味する「ブラフマン」を中国語に訳したもので、つまり梵鐘は「清らかな鐘」の意。これを撞くことで、わたしたちの悩みの原因である「煩悩」を除き、清らかに新年を迎えようというのが「除夜の鐘」なのです。
 年内に撞き終わる、年をまたぐように撞く、年をまたいで最後の一回を撞くなど、寺院によって撞き方は違いますが、回数は108回というところが多いようです。仏教では、人間が持つ煩悩は108種あると説かれ、これにもとづきすべての煩悩を清めよう、ということです。たしかに静寂のなかに響く「除夜の鐘」の音を聞くと、心が洗われるような気がしますね。
 もちろん、鐘の音を聞いただけで煩悩が消える、すべて悩みがなくなる、とはいきません。新たな気持ちとなるきっかけとすることが大事なのです。
 菩提寺、近隣の寺院で行われているようでしたら、ぜひご参拝いただき、心機一転、新年をお迎えください。

じつは、この「煩悩」は仏教、そして浄土宗のはじまりにかかわるもの。
本紙12月号では、このことについて取り上げています。

台風21号 薬師寺(奈良) 本堂全壊

信仰の場 再建に時間

 10月下旬、西日本から東日本、東北地方の広い範囲を襲った台風21号は、死者8名、重軽傷者215名、家屋の全壊5棟、半壊15棟、床上浸水2456棟、床下浸水3426棟の大きな被害をもたらした(内閣府・11月6日現在)。
 浄土宗寺院・檀信徒にも被害が出ており、11月13日時点で本堂全壊1カ寺、床下浸水2カ寺のほか、近畿地方を中心に30カ寺で瓦の落下や壁の崩落などが報告されている。
 このうち、奈良県吉野町楢井の薬師寺(小林俊二住職)は、土砂崩れにより本堂が全壊した。
 同寺は山に面して建っていたが、22日の大雨によりその斜面が崩れ、大量の土砂や倒木により本堂が倒壊、20メートルほど押し流された。発生時、小林住職は同じく住職を務める西方院(同町上市)にいたこともあり、幸い難を逃れた。
 小林住職によれば、雨の強まった22日の午後7時30分ごろ、薬師寺の近くに住む檀信徒から、「暗くてはっきりとはわからないが本堂が倒壊しているようだ」との電話があったという。その時点ではすでに辺りは暗く、土砂崩れが起きたばかりということもあり被害状況を確認することはできなかった。「翌朝、寺に行ってみると、本堂が土砂や倒木によって倒壊しているのを目の当たりにし愕然としました」と小林住職は当時を振り返った。
 取材に訪れた11月1日時点でも、土砂の撤去は進んでいない。小林住職は、「何から手をつければいいのか」と先行きの見えない状況に対する不安を吐露しながらも、「まずはお檀家さんが元の生活に戻れることが第一」と、檀信徒を気づかった。
 薬師寺の檀信徒からは、「本堂の代わりとして空き家を提供したい」という声もあったという。小林住職は「時間はかかると思いますが、なんらかの形で信仰の場を再建したい」と希望を語った。

左:被害について説明する小林住職

右:11月1日取材当日の様子。写真左上の斜面が崩れ、本堂を押し倒した。土砂や
倒木は目の前にある道路にまで達しており、車での往来ができない状況だった

大本山善導寺法主

阿川文正台下 5期目へ


 福岡県久留米市の大本山善導寺第67世法主阿川文正台下の任期満了にともなう、浄土門主・法主推戴委員会(委員長=豊岡鐐尓宗務総長)が11月9日、京都宗務庁で開催され、全会一致で阿川台下の5期目の推戴が決まった。任期は12月20日から平成33年12月19日までの4年間。
 阿川台下は昭和4年、大分県生まれ。浄土宗勧学、大正大学名誉教授。大正大学大学院博士課程を満期退学後、浄土宗学を中心に研究を続け、昭和57年に教授。法主就任まで東京都港区の浄土寺住職を務められた。 大本山善導寺は浄土宗第二祖聖光上人によって開かれた寺で、上人はここを中心に九州各地にお念仏を広められた。

(写真=阿川文正法主)

生き物への感謝

長良川で鵜、静岡でカニの供養

 全国各地で、さまざまな生き物に対する供養が行われていることをご存じだろうか。最近行われた鵜とカニの供養を紹介しよう。

・家族としての弔い
岐阜・霊天庵

 鵜飼漁で活躍し、生涯をまっとうした鵜の供養が10月22日、鵜飼で有名な長良川の近くに建つ霊天庵(岐阜市長良大前町・淺野義光住職)の鵜塚の前で勤められた。鵜の霊を弔うため、百年以上前から毎年営んでおり、現在は岐阜観光コンベンション協会が主催している。
 当日は、鵜匠など関係者約30名が参列。法要後には、鵜への想いを詠みこんだ句を短冊に書き長良川に流すなど、真心をささげた。
 同観光協会の纐纈義明さんは「あまりない伝統行事なので、これからも大切に残していきたい」と語ってくれた。淺野住職は「長年連れ添った鵜匠にとって、鵜は信頼と絆が結ばれた家族同様の存在だと思う。法要の際もその想いで勤めさせていただいた」と話した。

・命のありがたみを
静岡・法伝寺

 10月17日には静岡市葵区の法伝寺(友田達弘住職)でカニ供養が営まれた。
 外食チェーン店「札幌かに本家」の静岡駅前店が毎年、命をいただいているカニに感謝を込めシーズン前に行っている。今年で18回目となる。
 当日はタラバガニ、ズワイガニ、毛ガニなどを供養。導師を務めた友田住職は法話の中で「私たちは多くの命によって生かされている。それを忘れず感謝する行為は、仏教では善を積むことになる」と説いた。

焼香して手を合わせる鵜匠(写真提供=岐阜観光コンベンション協会)

張り詰めた心 和らぐ

終末期患者、家族、遺族のための演奏会

 病気や介護で張り詰めた日常のなかにいる患者、家族の方々に安らぎの時間を過ごしてほしいと10月27日、神奈川県藤沢市内のホールで「お話とバイオリン演奏のひととき」と題した演奏会が開かれた。
 きっかけは本紙7、8月号で掲載した「お迎え現象」。医療現場で起こるお迎え現象と、浄土宗で説く来迎について、医師の奥野滋子氏と総本山知恩院門跡伊藤唯眞猊下が対談した特集だが、これを読んだ大阪府堺市・正明寺住職の森俊英師から「患者さんに音楽を届ける企画があります」と、編集部に連絡があり、奥野氏と協議。森師と親交のあったバイオリニストの鎌刈由衣子さんによる演奏会と森師による法話のコラボ演奏会が実現した。
 当日は奥野氏が診察する神奈川県在住の患者と家族、家族を亡くして間もない遺族ら約70名が参集。涙しながら聞き入る聴衆が多く、終演後はどこか晴れやかな表情で「次回を楽しみにしています」との声も聞かれた。

演奏する鎌刈さんと聞き入る患者、家族、遺族ら

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