浄土宗ニュース:2018年01月

年頭挨拶 根を養う

浄土門主・総本山知恩院門跡 伊藤唯眞猊下

 明けましておめでとうございます。今年もお念仏に根ざした信仰生活で潤いのある日々を迎えましょう。
 樹木の根は地中に隠れて、その姿が愛でられることはありません。しかし土中の養分を幹や枝葉に届け、樹勢を維持しているのは、実に根であります。地中に張った根があってこそ樹木は大地に固定され、地中の養分を吸収し、樹幹は太り、枝葉は茂ります。
 植物が根に支えられているように、人間にもまた「根」が必要です。人びとにとっての根とは何でしょうか。それは信仰、宗教です。信仰の根、つまり「信根」があれば、人生の嵐にも耐えられましょう。根が人目につかない地表下にあって幹を支えているように、信仰の根は人の内面に存在します。
 古くから「枝葉を愛しむ者は力めてその根を培え」といわれています。私たちも信根を培おうではありませんか。培うとは「土(を覆って)養う」ことです。私たちの信仰の根を「つちかう」ものとは正に「お念仏」なのです。

大本山ご法主台下 新年ご挨拶

浄土宗には由緒沿革により全国に七つの大本山があります。そのご住職を法主といい、ご法主台下とお呼びしています。新年にあたり、ご法主台下から読者のみなさまに一口法話を頂戴いたしました。

大本山増上寺(ぞうじょうじ)法主 八木季生台下


 平成30年の新春を迎えて、お喜びを申し上げます。正月が来ると、一つ歳をとるという習慣があった時代があります。大晦日に、明日は一つ偉くなるんだと思って、肌着から上着まで、きちんとたたんで、枕元に並べて床についたものです。元日という日は、何か特殊な日だと思っていました。それが満年齢になってから、元日に対する思いが変わって、普段の日と変わらない日になってしまいました。数え年と満年齢とどちらがいいかしらと考えるのも歳をとったせいでしょうか。

大本山金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)法主 高橋弘次台下


 中国唐代の善導大師は『観経疏』(玄義分)につぎのように6字の名号を解釈している。
 「南無阿弥陀仏と言うは、またこれ西国の正音なり。南はこれ帰、無はこれ命、阿はこれ無、弥はこれ量、陀はこれ壽、仏はこれ覚なり。故に帰命無量壽覚と言う。これすなわち梵漢相対するに、その義かくのごとし。今、無量壽と言うはこれ法・覚とはこれ人、人法並べ彰す。故に阿弥陀仏と名づく」

大本山知恩寺(ちおんじ)法主 福原隆善台下


 謹んで新春のお慶びを申し上げます。昨日から今日へと一日が経過するのは通常のことでありながら歳末から元旦にかけての一日は特別です。新しい年が始まるという緊張感や期待感等が入り交じり、新鮮な気持ちで迎えることになります。明日ある保障は誰にもないとは申せ、一年の計は元旦にありともいいます。同時に10年20年先きの目標もあっていいのではと思います。本年もお念仏の生活の中でおすこやかな年になりますよう念じ上げております。

大本山清浄華院(しょうじょうけいん)法主 真野龍海台下


 清浄なる阿弥陀さまの慈悲の光に照らされ新年を迎えましたこと、お慶び申し上げます。「仏の子供」という仏教の歌があります。「我らは仏の子供なり。うれしい時も悲しい時も、み親の袖にすがりなん。我ら仏の子供なり。幼い時も老いたる時も、み親に変わらず仕えなん」。年とともに心を打つ歌です。苦しみは人間それぞれ自分だけで受け止めます。他人が、自分の世話をしてくれて傍にいるとは限りません。変わらぬ支えは、阿弥陀さまであります。

大本山善導寺(ぜんどうじ)法主 阿川文正台下


 念仏信者の心構えに三心具足という言葉があります。三心とは至誠心、深心、回向発願心です。三心は念仏信者にとっては至要の心構えで、往生の得不は三心の具不具によって決まるのであります。三心を具する者は必ず往生し、もし三心中一心をも欠けては往生不定となるのであります。三心は一度発せば退転しないかというに、善導大師は三種の退転を示されました。即ち異学異見退、自造罪退、命欲終時退であります。念仏信者はよくよく心得るべきであります。

大本山光明寺(こうみょうじ)法主 柴田哲彦台下


 年が改まり平成の御代も30年。昭和も遠くなってまいりました。あの悲惨な太平洋戦争の頃、夫や息子を戦地へ送り出した家では陰膳として、本人不在でも毎日食事を用意し、併せて無事の帰還を祈ったものでした。童謡詩人金子みすゞは、その詩「星とたんぽぽ」で「見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ」と謳い上げていますが、阿弥陀さまも眼には見えなくとも存在され、お念仏の声を聞き届けてくださっています。新年を迎え心新たにお念仏に励みましょう。

大本山善光寺大本願(ぜんこうじだいほんがん)法主 鷹司誓玉台下


 昭和30年の春、入門得度して以来、み仏の御慈悲や宗祖大師の恩徳を享け多くの御信徒、法友方の厚情にも導かれ、米寿の今日まで恙く大本山法主の責務を果たさせて頂いて来た事に感謝し、今後とも益々精進努力を誓う年頭であります。計らずも法主第6期目認証を享けしこの身の任、益々重し、世界情勢は相変わらず不安定ながら一方では東京五輪開催を目前にひかえ、改めて全世界全人類総ての倖せを祈り、更に一層の世界平和の実現を希求するものであります。

浄土宗開宗850年(2024年)シンボルマーク決定

12月3日 知恩院で表彰式

 法然上人(1133 ー 1212)が浄土宗を開かれてから2024年で850年を迎えます。
 浄土宗ではこの節目に、法然上人が宗を開かれた意義を改めてみつめ、お念仏の信仰をさらに深める機縁とすべく、さまざまな事業を展開していく予定です。これに先立ち、事業の顔ともなるシンボルマークが決定しました。

  浄土宗(豊岡鐐尓宗務総長)が12月3日、「浄土宗開宗850年シンボルマーク募集作品表彰式」を京都市の総本山知恩院で行った。
 シンボルマークは、開宗850年のキャッチコピー「お念佛からはじまる幸せ」を広く伝えるツールとして、浄土宗が平成29年7月10日から10月末まで公募したもの。全国から601点(393名)の応募があり、選考委員会による審査の結果、神奈川県在住のデザイナー・梶塚盛利氏(62)の作品に決定した。
 表彰式には梶塚氏のほか、優秀賞に選ばれた3名が列席。伊藤唯眞浄土門主猊下の謝辞の後、豊岡総長から各受賞者に表彰状が手渡された。
 作品について梶塚氏は「お念仏をとなえるイメージを数多く思案しましたが、他宗との違いを明確にするには850年の長期にわたる法然上人の存在を強く表現することが最もわかりやすく、開宗の起源を多くの方々に再認識していただく機会になると考えました」と制作理念を語った。
 応募された作品は、知恩院のギャラリー和順で1月末まで展示されるほか、順次、各大本山でも展示される予定。問い合わせは開宗850年準備事務局=075(525)0482

左:梶塚氏(前列右)と豊岡総長、受賞者ら

右:最優秀作品に決定したシンボルマーク。深い緑色を配したのは、法然上人が修行された比叡山の自然、
開宗=若葉からヒントを得たものと、梶塚氏は語る

浄土での再会 生きる目的

震災、自死…遺族のための法話会 慈恩寺(仙台)

 東日本大震災、自死、病気、事故などさまざまな理由で親族を亡くした遺族を対象に、法話や回向などを勤める「遺族のための法話会」を12月4日、仙台市の慈恩寺(樋口法生住職)が大本山金戒光明寺布教師会とともに営んだ。
 樋口師は親族を亡くした遺族の精神的な助けになりたいと、平成23年10月から隔月で法話と回向の会を開催している。4年前からは年末の1回を〝特別版〟とし、樋口師が所属する同会の会員が法話をし、ともに回向している。
 当日は9名の遺族が集まり、同会会員で岩手県出身の林秀峰師が法話。生前、念仏と縁がなかった人も、私たちが念仏の功徳を振り向けることで苦しみのない浄土へ往けるとし、「私たちもお浄土へ往生することで、先立たれた方と再会できる」と説いた。
 その後、法要が営まれ、回向師が亡くなった方の名前と法名を朗々と読み上げ、参列者とともに念仏回向。頬に涙を伝わせる人、一心に阿弥陀さまを見つめる人、さまざまな想いの中で祈りをささげていた。
 東日本大震災で、当時12歳だった三男・和秀さんを失った鈴木由美子さん(48)は「今も息子のことを考えると気持ちが沈みます。でも、お坊さんが『お浄土で必ず会えますよ』と伝えてくださった。それが私にとっての生きる目的になっています」と話してくれた。
 散会時、参加者一人ひとりに声をかけながら送り出した樋口住職は「浄土で再会できるという教えは、暗闇にいる遺族の方にとって一筋の光。それを伝えるためにも、この会を続けていきたい」と語った。
(写真=法話をする林師。ときおり涙をぬぐいながら話を聞く遺族もいた)

法話をする林師。ときおり涙をぬぐいながら話を聞く遺族もいた

学生特製“五重相伝弁当”

京都文教短大生が道場中にふるまう 善導院(京都)

 京都文教短期大学(安本義正学長=京都府宇治市)食物栄養学科2回生の学生17名が、京都市左京区の善導院(青山幸弘住職)で開筵された道場「五重相伝」で、受者に精進料理を提供した。
 浄土宗宗門学校である同大で栄養士を目指す学生たちが、卒業研究として精進料理を学んでいることから、以前から親交のある同院に相談。11月22日から26日にかけ、浄土宗の肝要な教えを檀信徒に伝える五重相伝を開筵予定であると聞き、23日の昼食に精進料理、25日にベジタリアンデザートを提供することにした。
 学生らは事前に寺院関係者への試食やアンケートを実施。仏教に源流を持つとされる料理の基本「五味(※1)」と「五色(※2)」をよく踏まえ、栄養バランス、彩りを考慮したメニュー作りに励んだ。
 当日は、五重になぞらえて「ごはん」「じゅわっとしみる絹揚げの野菜あんかけ」「うまほっこりかぼちゃ」などを盛り込んだ特製五重相伝弁当を受者14名や僧侶にふるまった。
 受者からは「限られた食材でよく工夫していました」と労いの言葉が贈られ、同大の井上美雪璃さん(20)は「試行錯誤して多くのことを学びました。おいしいよ、の一言に達成感がこみあげてきました」と語った。
※1 五味:酸っぱい、苦い、甘い、辛い、塩辛い
※2 五色:青、黄、赤、白、黒

昼食をともにする学生ら(23日)

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