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浄土宗ニュース:2018年05月

快慶仏と浄土図 重要文化財指定へ

 国の文化審議会が3月9日、美術工芸品55件を国宝(5件)と重要文化財(50件)に指定するよう文部科学大臣に答申した。浄土宗寺院では、滋賀県彦根市の圓常寺(北條眞純住職)所蔵「木造阿弥陀如来立像」(快慶作)と、京都市右京区の清凉寺(鵜飼光昌住職)所蔵「絹本著色阿弥陀浄土図」が重要文化財に指定される予定だ。
 圓常寺は慶長16年(1611)の創建で、彦根藩二代藩主・井伊直孝が開基したと伝わる。同寺の本尊である阿弥陀如来立像はヒノキ材の割矧造で像高98.8㌢。左足枘に「巧匠/法眼快慶」の刻銘があり、鎌倉時代を代表する仏師・快慶の晩年の作であることが分かっている。右襟の部分にたるみを表す着衣形式をとり、張りのある顔立ちが特徴。審議会の答申書(解説)には「快慶が数多く造った阿弥陀如来像の中でもすぐれた出来栄え」とされている。

『往生要集』が典拠 

 清凉寺は、法然上人が24歳で比叡山を初めて下りた際、7日間参籠された遺跡。国宝「木造釈迦像」、重文「法然・証空消息」「熊谷直実請願状」など数々の宝物を有する。
 極楽の様相を描く浄土図は鎌倉時代、浄土信仰の高まりとともに庶民の間でも広く親しまれた。『観無量寿経』(浄土宗でよりどころとする経典の一つ)の世界観を表したいわゆる観経曼陀羅が多くを占め、奈良の當麻寺に伝わる「當麻曼陀羅」がよく知られる。
 清凉寺の浄土図は、それとは別系統の浄土図として近年注目を浴びてきた。奈良国立博物館の研究紀要によれば、同図は「『観経』の世界観を意識しながら、恵心僧都源信(942‐1017)が著した『往生要集』を典拠とする図版を盛り込んでいる」としている。中央上の阿弥陀三尊像の周囲に大きな宝池が広がり、洲浜が連なる構成は表現様式の上でも高く評価され、今回の答申に至った。
 両作品は東京国立博物館(東京都台東区)で5月6日まで公開中

変わることのない追慕の想い

総・大本山で御忌

 浄土宗宗祖・法然上人の遺徳を偲んで勤められる御忌。4月の陽光のなか、総本山知恩院(京都市)をはじめ、増上寺(東京都)、金戒光明寺、知恩寺、清浄華院(ともに京都市)、善光寺大本願(長野市)の各本山では、1日から数日の日程で厳修した。
御忌は本来、貴族などの忌日法要全般を意味したが、室町時代に後柏原天皇が知恩院へ送った詔書をきっかけに、主に法然上人の忌日法要を指すようになった。もとはご命日の1月25日に勤められていたが、明治期に知恩院が4月に執り行ったのを契機に、5つの大本山でも4月に修するようになった。
 このうち増上寺では、2日に八木季生法主台下を導師に大殿で期間中最初の法要となる開白法要が修されたのをはじめ、詠唱奉納大会、法然上人のお誕生(4月7日)を祝う降誕会など様々な行事、法要が営まれた。
 5日から7日の午後は日中法要が営まれ、八木台下から任命を受けた「唱導師」が法要を執り司った。法要に先立ち、僧侶や関係者ら合わせて300名あまりが大殿まで列をなして行われた「練行列」では、煌びやかな衣装に身を包み、花を手にした稚児らに続いて、唱導師が三門から約300メートル離れた大門を出発。三門を通過し、大殿前に設けられた庭儀台の上で「庭儀式」を行った。ビジネス街や東京タワーにほど近い立地も重なり、沿道には檀信徒のほか、会社員や外国人の姿も多くみられ、華やかで厳かな様子に足を止めて見入っていた。

圓光大師堂では常念仏

 御忌期間中、境内にある圓光大師堂では同寺布教師会(池田常臣会長)主催による常念仏が行われた。
 常念仏は参詣者が実際に木魚を打ち、お念仏との縁を結んでほしいと開かれたもの。毎日午前9時から午後4時まで会員によってお念仏がとなえられ、入退出自由な堂内には、お念仏の声に導かれるように人々が集まり、檀信徒のほか、外国人観光客らも同会の僧侶からの丁寧な指導のもと「ナムアミダブツ…」ととなえていた。
※大本山善導寺(福岡県)、大本山光明寺(神奈川県)では1月に御忌を勤めました。

左:増上寺の日中法要前に行われた練行列。参道脇には多くの人々が集まり、手を合わせていた。
写真提供=増上寺(撮影 菅波正行)

右:圓光大師堂で行われた常念仏。念仏の声は途絶えることなく、心地よい木魚の音とともに境内に響いた

外国人の「why?」に答えます

淑徳大生が冊子「日本人あるある」制作

  浄土宗宗門学校の淑徳大学(東京都板橋区・磯岡哲也学長)人文学部表現学科、野村浩子教授のゼミに所属する4年生が昨年10月に発行した冊子、「Japanese aruaru(日本人あるある)」が話題だ。
 2020年の東京オリンピック開催に向け、訪日外国人に、日本人の奇異に思われがちな行動を〝あるある〟として知ってもらおうと企画したもの。
 「電車編」「若者編」「オタク編」「性格編」「食べ物編」「仕事編」の六つの項目に分け、日本語と英語の両方で紹介している。 企画、調査、取材、編集、デザインをすべて学生が行い、半年かけて制作した。
 たとえば性格編では、日本人がよく使う「すみません」は謝っているのではなく自分を下手にするための言葉とし、主張が控えめなのは日本人の長所でもあると紹介している。
 その他、日本独特のオタク文化や、双子コーデなど、外国人が興味を持ちやすいテーマも取り上げた。
 食べ物編を担当した船生梓さんは「食べ物の歴史を学ぶうちに〝旬〟の考え方は日本独自ということがわかり、四季を大切にする日本人の心を改めて感じた」と語り、編集長の玉井沙理菜さんは「無作法だと勘違いされそうな日本人の行動を〝あるある〟としてとらえてもらいたかった。専門家の意見を要約するのがとても難しかったが、この冊子を機に、もっと興味をもってもらえれば」と振り返った。
 冊子は、国際交流団体に送られたほか、JR秋葉原駅前で外国人に配布。冊子を受け取ったある日本人教師からは、よく外国人からすみませんという言葉はどういうふうに使うのかと尋ねられるので、簡潔に書かれていて便利、とのコメントが寄せられた。

送られてきた冊子への意見や感想などを報告しあう学生らと野村教授(右)

親子で体験! お坊さんの修行

 総本山知恩院おてつぎ運動本部(協賛:大西法衣佛具店)が3月24、25の両日、親子に僧侶の修行を身近に感じてもらおうと「体験しよう!お坊さんの修行」を開催、2日間で計76名が参加した。
 集まった子どもたちは、作務衣に着替え、長い三門の回廊を雑巾がけ。回廊はもちろん、心も清らかになったようだ。
 昼食には精進料理が振る舞われ、食前・食後には命に対する感謝の思いを表明する「食作法」と呼ばれる作法を行った。
 お腹が満たされると、次は勤行体験。阿弥陀さまへの敬いの気持ちを表す礼拝ののち、木魚を打ちながらお念仏をとなえた。子どもからは「雑巾がけは手と足が痛かったけど楽しかった」、参加した親からは「子どもと一緒に貴重な経験ができてよかったです」との声がきかれた。

左:長い三門の回廊を雑巾がけ

右:木魚を打ちながらお念仏をとなえた

島根で震度5

大田市などの浄土宗寺院に被害

4月9日午前1時32分、島根県西部を震源とするマグニチュード6.1の地震が発生、最大震度5強を記録した大田市を中心に大きな被害があり、浄土宗内でも大田市で6カ寺、江津市で1カ寺、出雲市で1カ寺の被害報告があった。(4月17日現在)
 特に大きな被害を受けた大田市波根町の長福寺(西村昭仁住職)では、境内のそこかしこで地盤に亀裂が走り、最大20センチもの隆起も見られ、墓地や石垣の一部が崩落、多くの墓石が倒壊した。建物も本堂荘厳が損壊、客殿や庫裏の柱が大きくずれ、観音堂や経蔵が傾くなど甚大な被害となった。
 西村住職は「どこから手をつけていいかわからない状況ですが、できるところからやっていくしかありません」と語った。

長福寺の観音堂。壁にひびが入り、建物自体も傾いている

知恩院の灰 芸術作品に

陶芸家・古野幸治氏 が作品展

 「富嶽三十六景」「北斎漫画」などを描き、その名を世界にとどろかせた浮世絵師・葛飾北斎。命日の4月18日、菩提寺である誓教寺(東京都台東区=本多英之住職)が「北斎忌」を営み、当日限定で北斎の版画・肉筆画などを公開する。
 北斎は両親や娘の墓参に足しげく通っていたとされ、供養の気持ちとして自身の作品を寄進。その数約100点にのぼると伝わる。残念ながら、それらは関東大震災などによりすべて焼失してしまったが、檀信徒や北斎を敬う人々が北斎を偲んで作品を寄贈するようになったという。1960年ごろから毎年「北斎忌」と称し法要を勤めており、併せて作品を展示している。
 当日の法要は午後2時から。北斎最晩年の浮世絵と伝わる「地方測量之図」や「北斎漫画」などの版画・肉筆画を午前10時から午後4時まで公開する。無料。
 問い合わせは誓教寺(東京都台東区元浅草4-6-9)=03(3841)5631まで。

知恩院灰釉薬メモリアル作品展
会期:5月23日~6月5日
時間:10時~18時 無料
会場:総本山知恩院 和順会館 地下1階ギャラリー和順 (京都市東山区林下町400-2)
アクセス:JR「京都駅」から市バス「知恩院前」 下車徒歩5分

写真:展示予定の作品。揮毫などは知恩院の協力で制作された

年中行事・伝統食がわかる一冊

佛教大学 髙橋教授の新刊が好評


 「おせち」「土用の丑」「年越しそば」…。日ごろ何気なく食べている行事食にこんな意味が!?
 幼児教育、児童文学の研究を長年している佛教大学教育学部・髙橋司教授が、日本人にとって当たり前となっている年中行事の本来の意味を知ってほしいと、書籍『食で楽しむ 年中行事12か月』をこのほど発刊した。
 月ごとの行事、それにまつわる食文化などが優しいイラストとともに解説される。例えば1月ならば、「正月」をメインとし、門松や注連飾り、雑煮やおせちの意味など。
 先人から脈々と受け継がれた「日本文化」をしっかりと学べる一冊。

『食で楽しむ 年中行事12か月』
著:髙橋司
発行:あいり出版
A5判並製、128頁
価格:1800円(税別)
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TEL・FAX:075(344)4505

写真:書籍『食で楽しむ 年中行事12か月

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