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浄土宗ニュース:2018年06月

悩みや苦しみに寄り添う

「心といのちの電話相談室」相談件数増加
(公財)浄土宗ともいき財団

 年間約2万人が自死を選ぶ現代において、悩みの相談窓口として知られている「いのちの電話」(一般社団法人日本いのちの電話連盟)は有名だが、浄土宗にも公益財団法人 浄土宗ともいき財団(佐藤行雄理事長)が開設している「心といのちの電話相談室」があることをご存じだろうか。必要性が高まっているこの活動を紹介したい。

悩みや苦しみを持つ人の心に寄り添い、支えたいとの想いで設立された「心といのちの電話相談室」。全国にある「いのちの電話」は研修を受けた一般のボランティアが対応しているのに対し、財団の相談員は専門の養成講座を受講した浄土宗僧侶とお寺の奥さんに限定しているのが特徴だ。
 「心といのちの電話相談室」設立のきっかけは15年前。悩みを抱える人が身近に相談できる場になればと、ともいき財団が全国の浄土宗寺院に「このお寺は、心といのちの相談所」と書かれた看板を配布、協力を要請したことに始まる。当時、この活動に賛同した寺院は多数あったが、悩みの多様化にともない、より専門的な知識が必要になる場面もでてきた。
 そこで、さまざまな相談に対応できるようにと設立されたのが「心といのちの電話相談室」だった。
 平成23年に開設して以降、相談件数は年々増え、週1回だった受け付けを28年には月曜日と金曜日の週2回に増やしたところ、相談件数も2倍に増え、相談日には絶え間なく電話が鳴るという。実際に、開設から4年間の総着信件数が1556件なのに対し、28年は1年間で1228件の着信があり、その必要性が高まっていることがうかがえる。
 「〝僧侶が話を聴く〟というスタンスが『お寺の人ならなんとかしてくれる、つらい気持ちを分かってくれる』といった期待や安心感につながっているのかもしれない」
 相談員のTさんは、こう話す。 

浄土宗ともいき財団とは…
財団法人浄土宗報恩明照会として大正3年に設立。平成25年の公益財団法人認定を機に浄土宗ともいき財団となった。「心といのちの電話相談室」のほか、浄土宗寺院や僧侶が行う社会貢献活動の支援や、家族や命を題材としたフォーラムの開催を通じ、ともに助け合い、支えあう「ともいき精神」の啓蒙に取り組んでいる。

1人で悩まないで――

寄り添って聴き 自身と向き合うお手伝い
「心といのちの電話相談室」相談員Tさん(女性・僧侶)インタビュー

―相談員になられたきっかけはなんですか?
●お檀家さんから相談を受けることがありますが、どう答えたらいいのか…と悩むこともありました。知識を身につけるため、研修を受け、そのまま電話相談室の相談員になりました。
―相談を受けるときの姿勢や、心もちを教えてください。
●自分の価値観を捨て、相談者の気持ちをまっすぐ受け止めて、相手のフィールドに入って話を聴く「傾聴(けい ちょう)」を重んじています。何度か電話をくださる方もいらっしゃいますが、その方が前回かけてきた時の気持ちと、今の気持ちは全く異なります。「今」の気持ちを受け止めて寄り添うことが「傾聴」であり、第一と考えています。
 私たちの役目は相談者に答えを「与える」ことではありません。相談者の気持ちを整理して伝え返すと、自身の悩みに落ち着いて向き合えるようになり、それが自分なりの答えを見つけ出すことにつながります。そのお手伝いをすることが大切だと考えています。
―宗教者・僧侶としての回答を求められていると感じることはありますか。
●仏事相談や「お釈迦さまの言葉をください」など仏教的な回答を求められることも少なくありません。ですが、仏事相談をきっかけに、心の裏に隠れた悩みを話されることもあるので、丁寧にお話をうかがうようにしています。
 私たちは僧侶ですが、一旦その立場を脇に置いて悩みを聴かなければ「本当の傾聴」はできないんです。相談者のフィールドに入り込んで聴くとはそういうことです。

―相談員からの一言
●まずは胸の内をお聞きかせください。私たちは相談者が自身と向き合って「気づき」や「解決」に導くお手伝いをさせていただいています。
 電話といえど「対話」であり、ご縁です。話すことで少しでも心を落ち着かせることになればありがたいです。また、周囲の人で悩まれている方がいたり、相談されたけどどうしたらいいかわからない、という方もどうぞお電話ください。

「心といのちの電話相談室」は毎週月曜日と金曜日の午前10時から午後4時まで(祝日・お盆・年末年始は休み)。電話=03(3436)6823

イラスト:前川くに子

あらためて学びたい!“大人の教科書”『仏教読本』が好評


 この4月、浄土宗が発行した『仏教読本どくほん』(監修:浄土宗宗立宗門校教育振興会、協力:仏教読本改訂委員会)が諸方面で好評を博している。
 同書は昭和46年に初版が出版され、浄土宗宗立宗門校(浄土宗の教えを建学の精神・教育の理念に掲げ浄土宗と連携する学校)で教科書として活用されてきた。最近は「モノクロの教科書は現代に合っていない」「言葉のいいまわしなどが難しい」などの声が多く上がっていたことから、全面改訂を決定。巻頭にはグラビアを置き、誕生釈迦仏立像(国宝・東大寺蔵)や阿弥陀二十五菩薩来迎図にじゅうごぼさつらいこうず(国宝・知恩院蔵)など、貴重な文化財の写真も多数掲載。全頁フルカラーとし、内容もお釈迦さまから法然上人へと至る仏教史を基本としながらも、それを現代人の実生活、自らの生き方に活かすための〝問い〟を随所に設けているのが特徴。
 近年、時間に余裕ができた大人たちが教科書などを使用して勉強し直す〝学び直し〟が注目を集めている。文部科学省によると、社会人の89パーセントが「再教育を受けたい」「興味がある」と回答している。大学などへの進学は多額の費用を要することなどから、高校生向けの教科書を一般向けに再編された書物の需要が伸びているようだ。
 この流れを受けてか、以前は学校関係者や寺院からの購入が大半をしめていた同書も、一般購読者が増えている。
 同書改訂委員会委員長で執筆にもあたった京都文教大学学長の平岡聡師は「最も留意したのは『仏教を学ぶ』のではなく、『仏教に学ぶ』という点。事実として書かれていることを単に〝知る〟のではなく、そこから何を学び、自身にどう反映させるか、受け身の勉強ではなく主体的に物事を考えていくきっかけになれば」と思いの丈を語った。

監修:浄土宗宗立宗門校教育振興会
発行:浄土宗
定価:800円(税・送料別)
B5判 136ページ

お釈迦さまのご生誕祝い1万人が来場

南米で花まつり 盛大に

 お釈迦さまのご生誕を祝う花まつりが4月7、8の両日、ブラジルパラナ州都クリチバ市とサンジョゼドスピニャイス市にまたがるサン・ジョゼ公園で開かれた。2日間で約1万人が来場した。
 クリチバはサンパウロに次いで日系人が多い都市で、その数は約3万人にも及ぶ。この花まつりは地元日本人会と浄土宗の南米開教寺院・日伯寺が、地元の祭りに仏教要素を取り入れ、平成17年に始めたもので今回で14回目。今年は日本移民110年にあたり、開拓先亡者追悼の意も込め、盛大に勤められた。
 焼きそば、てんぷらなど日本食の露店が20軒ほど出店するなど、公園内はあたかも日本のお祭りのよう。多くの人々が集まる中、日伯寺の大江田晃義開教使ら超宗派僧侶が法要を勤めたほか、稚児行列も行われ、宗教、宗派、人種を問わず、子どもたちが和装に身を包んで行列をなし、花御堂の誕生仏に甘茶をかけてお釈迦さまのご生誕を祝った。

写真:お釈迦さまのご生誕を祝った

東日本大震災復興祈念特別展

 東大寺と東北 ―復興を支えた人々の祈り 5月29日~6月24日(日)東北歴史博物館(宮城)
 
東日本大震災からの一日も早い復興を祈念して奈良の名刹・東大寺(華厳宗大本山)の寺宝などを展示する「東大寺と東北 ー復興を支えた人々の祈り」(主催:復興祈念ー東大寺展実行委員会)が東北歴史博物館で開催中だ。
 東大寺のある奈良市が被災した宮城県多賀城市と友好都市関係にあることから開かれた。東北では初公開となる「重源上人坐像」などの国宝17点、快慶作「地蔵菩薩立像」などの重要文化財25点のほか、約170点が公開中。
 東大寺は治承4年(1180年)、平重衡の南都焼き討ちにより一度は焼失。翌年に復興造営の責任者・重源上人の尽力により再興された。実は当初は法然上人が責任者に推薦されていたが固辞し、重源上人を推した、というエピソードがある。
 東大寺と東北の関係はその大仏造営に深く関係している。天平21年(749)、最初の造営の際、陸奥国小田郡(現在の宮城県)から黄金900両(12.6㎏)が献上され鍍金に用られた。また、南都焼き討ちの際にも、東北から砂金が献上されるなど、縁が深い。

法然上人の御心を表す

宗歌「月かげ」 佛大生が中国語訳作成

 浄土宗宗立の佛教大学(田中典彦学長=京都市北区)に通う中国人留学生で浄土宗僧侶の徐通圓さん(53)が、宗歌「月かげ」を中国語に翻訳し、総本山知恩院などで歌の奉納を昨年秋に行った。
 平成27年、法然上人の教えを学ぶため来日、詠唱を指導する眞泉善章師の依頼で中国語翻訳を行った。
 徐さんは「何度も何度も書き直しては繰り返し唱えるうちに、最後はすっと決まりました。これも法然上人のお導きと感じました」と語った。
*4月に開設したWEB投稿フォームに応募いただき、掲載しました。

左:WEB投稿フォームに応募いただいた掲載内容

右:昨年10月、総本山知恩院で行われた吉水講詠唱奉納大会で「月かげ」を披露する徐通圓さん(中央)

介護者の悩みに寄り添う

奨励賞に東海林良昌師(宮城) 第42回正力松太郎賞


 仏教精神にのっとり青少年の育成に尽力した個人や団体に贈られる、第42回「正力松太郎しょうりきまつたろう賞」(全国青少年教化協議会主催・読売新聞社など後援)の奨励賞に宮城県塩竃市・雲上寺うんじょうじ副住職の東海林しょうじ良昌りょうしょう師が選ばれた。
 東海林師は、介護者支援団体「ケアむすび」の代表を務め、悩みを一人で抱えがちな在宅介護者のケアにあたる。仙台市内を中心に毎月定期的に開く「介護者の集い」では介護者同士が悩みを吐露する場所を設けるほか、専門カウンセラーを招いた相談会などを行っている。
 受賞に際し東海林師は「悩みに寄り添うことは僧侶の役割だと思っています。介護者支援は決して私にしかできないことではないので、支援の輪を広げたい」と今後を見据えた。

写真:塩竃市・雲上寺副住職の東海林 良昌 師

〝教化活動の発信基地へ〟

浄土宗大阪教区教務所が全面リニューアル


 大阪市天王寺区にある大阪教区教務所(西浦道哉教区長)の建て替え工事がこのほど完了し、5月15日に落慶式が行われた。
 教務所は各教区の運営や事務などを行う場所で、全国47教区に設置されている。
同教区では建物の老朽化による耐震強度の懸念から全面建て替えを決意し、敷地を管轄する一心寺(高口恭典住職)全面協力のもと工事が進められていた。
 新庁舎は鉄筋コンクリートの4階建て。事務所機能はもとより、大・小ホール、和室、仏間を完備。テレホン法話の録音室なども設けられ、多目的に利用できるようになった。
 西浦教区長は「布教や法式の研修会などで僧侶の育成を図るとともに、ひろく社会に向けた教化活動の発進基地にしたい」と語った。

写真:新庁舎

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          仏教の話をしよう。』
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