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浄土宗ニュース:2018年07月

悩みや苦しみに寄り添う

朝活・ラジオ体操&朝参り 光琳寺(宇都宮)

 近年、若い世代を中心に「朝活あさかつ」(下に解説)がちょっとしたブームになっている。いつもより少し早起きし、趣味の時間を過ごすことで、慌ただしい一日にゆとりが生まれる。栃木県宇都宮市の光琳寺こうりんじ井上廣雄こうゆう住職)が地域の人々に提案する朝活は、「ラジオ体操」と「お勤め(お参り)」。若い世代が多く参加する同寺の朝活を取材した。

「新しい朝が来た~♪」
 朝日が差し込む境内、その中心に設けられたラジオのスピーカーから聞き慣れたあのメロディーが流れる。同寺では毎月1日に「ラジヲ体操&朝参り」と銘打ち、地域住民、檀信徒とともに「朝活」に取り組む。
 会社勤めでいえば出勤には少し早い午前6時30分。境内にはスーツ姿のサラリーマンのほか、祖母と孫、外国人など、約30名が集まった。「おはよう! 今日はいい天気ですね」と笑顔で挨拶を交わし、のびのびと体操で体をほぐす。
 「リピーターが多く、皆さん、もう顔なじみですね」そう語るのは、主催する井上広法こうぼう副住職(38)。一昨年の8月に始め、もうすぐ2年を迎える。きっかけは朝のお勤めへの参加者が減少したことだという。
「うちのお寺では半世紀にわたり、檀信徒や地域の方と朝のお勤めを続けてきました。しかし、来られる方も高齢化し、一昨年には4名ほどに。もちろん私だけでも続ける思いはありましたが、朝のお勤めは、法事などとは違い、他者への回向えこうだけでなく、今日をどう生きるか、自分をしっかりと見つめる時間につながると思うのです。いわば自分のためのお念仏。特に働き盛りのサラリーマンや若い方にも参加してほしかった」
 そこで目をつけたのが、日本人ならば一度は体験しているであろうラジオ体操だった。
「〝お勤めしましょう〟とお伝えしても若い方には難しいイメージですよね。しかしラジオ体操なら誰でもわかる。体操で大きく胸を張って、本堂で大きな声でお念仏をとなえる。これがお寺の朝活。今では出勤前には欠かせないと、おっしゃる方も増えています」

朝活とは…
「朝の時間を有効利用し、普段できない活動をする」の略語。いつもより早く起きてジョギングをする、しっかりと朝食をとるなどのほか、目覚めをよくするため、寝る前のスマホをやめるといったことも。残業が多いサラリーマンなど、若い世代に取り組む人が多く、日々のパフォーマンス向上につなげることが目的。

写真:光琳寺境内でラジオ体操をする参加者、胸を開いて大きく深呼吸

参加者に聞く「朝のお勤め」

〝営業ノルマより お客さまの幸せ”

 「真摯しんしに仕事に向き合うために、このお勤めは私にとって欠かせないものなんです」
 そう話すのは光琳寺「朝活」の常連で、保険会社の営業職にあたる小林高司さん(35)。
「保険会社は契約者さまからいただく保険料で運営ができています。だからこそ、契約者さまの日々の健康を願い、もしものことがあったならば心から追悼の想いをささげるのです」
 この理念は会社の上司から受けたものというが、月初めに僧侶とともに回向えこう、念仏することで理解がより深まり、仕事へ向き合う心が定まったと話す。
「営業職はノルマや営業成績という〝数字〟に追われがちです。しかしお勤めや井上副住職の法話を聴く中で、お客さまの人生をどう支えられるか、という価値観に重きを置くようになりました。結果として〝数字〟がついてくればいい、と。私にとって毎月のお勤めは、その原点に立ち返らせてくれる場なのです」
 お勤めの後には本堂脇に設けられた机で茶話会が開かれる。ラジオ体操を始めて集まるようになった若い世代と〝ベテラン朝活勢〟が入り混じり、人生、仕事などさまざまな話題が飛び交う。世代が違う人と話すことで、お互いに良い刺激になっているようだ。
 朝のお勤めに参加して50年という横田久さん(86)は、「若い方と話す機会が増えてうれしい。赤ちゃんの頃、だっこしてあやした広法くんが、今では立派に勤めてくれるのがなにより」とほほ笑む。
 出勤前に心を整える場、世代を超えた交流の場となっている同寺の朝活。お寺が朝活に取り組む本質的な意味はもう一つある。
「ひと月の間、生きていれば失敗もするし、後悔だってあるはず。成功ばかりではありませんよね、それが凡夫ぼんぶである人間なんです。だからこそ毎月1日、お寺に来てやり直せばいい。ここでは話を聞いてくれる人生の先輩もいます。そして阿弥陀さまが温かいまなざしで、必ず待っていてくれます」
 ブームはいつか終わる。しかし、光琳寺の朝活は文化として残るものと感じた。日々のパフォーマンス向上だけでない、信仰という生きる上での柱。参加者の晴れやかな表情がまぶしい。新しい朝、希望の朝だ。

写真:本堂でお勤めをする井上副住職と参加者、お念仏の声が堂内に響く

浄土宗版エンディングノート『縁の手帖』をテキストに住職と人生を見つめる「縁の会」

 仙台市の充国寺じゅうこくじ三浦啓純けいじゅん住職)が毎月1日、浄土宗版エンディングノート『えにし手帖てちょう』をテキストに、檀信徒と共に人生を見つめる「えにしの会」を開いている。
 「前回は『これまでの私』を振り返りました、今日は『これからの私』を考えましょう」。三浦住職がこの日集まった檀信徒15名にやさしく話しかける。
 参加者は該当ページを開き、〈しておきたいこと〉〈大切にしたい人・大切にしたいこと〉それぞれの項目に記入を始める。すらすら筆が進む人、悩んで記入できない人、さまざまだ。
 「縁の会」が始まったのは今年の5月。きっかけは一人の檀信徒の孤独死だという。
 「最後に会った時、彼は何か言いたそうでした。おそらくその時には病気が進行していて…。なぜ聞いてあげられなかったのか」
 後悔の想いとともに始めたのが、話しやすい環境を作り、どんな悩みでも吐露できる「縁の会」だった。
 『縁の手帖』は一般のエンディングノートにある「医療」「財産」などの記入欄と共に、葬儀の意味や死後の世界(極楽浄土)が解説されている。一人で記入するのではなく、菩提寺の住職や住職夫人と共に話し合いながら書き進めていく点が特徴だ。
 「縁の会」では、記入の際に手が止まった参加者に、三浦住職、啓子夫人、宏純こうじゅん副住職が絶妙なチームワークで寄り添い、相談に乗る。
「話してみて、やっと自分がしたいことが分かった」参加者の一人は、晴れ晴れした表情で住職と談笑する。
「誰にも迷惑をかけたくない。一般的にそう考える方が増えています。その気持ちも理解はできますが、人は決してひとりで生きてはいけません。縁の中で、つながりの中で成り立つ関係です。家族にも迷惑をかけたくないと、身の回りをきれいに片付ける方もいますが、遺された家族が故人を想い出しながら遺品を整理することも大切な時間なんです」と三浦住職。
 会の終わりに高齢の男性が三浦住職にそっと話しかけていた。「この年になってもやっぱり死ぬのは怖い。でも、もしもの時は、この本堂で阿弥陀さまに見守られながら葬儀をお願いしたい。また相談に乗ってくださいね、住職」。
「いつでもどうぞ」と三浦住職は、ほほ笑み返した。

写真:縁の会で檀信徒と談笑する三浦住職

阿弥陀寺本堂(和歌山)が国の重文へ

秀忠の霊屋 文科省に答申

 和歌山市鳴神なるかみ)にある阿弥陀寺(榎本明洋みょうよう住職)の本堂(旧紀伊藩台徳院霊屋たいとくいんたまや)が5月18日、国の文化財審議会によって国の重要文化財に指定するよう答申された。
 同本堂は徳川家二代将軍秀忠ひでただ(台徳院)の霊屋として紀伊徳川家の初代藩主・徳川頼宣よりのぶ寛永かんえい10年(1633)に大智寺だいちじ境内に建立したもの。
 大智寺は阿弥陀寺から5キロほど西の和歌山市吹上にあったが明治維新後に廃寺となり、その後、霊屋は明治4年(1871)に阿弥陀寺の本堂として移築され、住職や檀信徒によって大切に護られてきた。
 秀忠の霊屋は同寺以外に大本山増上寺(東京都港区)にあったが第二次世界大戦で消失しており、現存する霊廟れいびょうとしても希少価値が高い。
 屋根の軒下の組物くみもの向拝こうはい、本堂内部の欄間らんまなどには霊獣れいじゅうや植物の緻密な彫刻や豪華絢爛けんらんな装飾、多様な技術が注がれている。外からの見学は自由、内部拝観を希望の際は事前に連絡を。
阿弥陀寺=TEL073(471)3206。

写真提供:和歌山県教育庁文化遺産課

お勤め、講話、朝粥接待

知恩院・知恩寺(京都)で暁天講座

 早朝に僧侶の法話や著名人の人生訓を聞く「暁天ぎょうてん講座」が京都の総本山知恩院と大本山知恩寺で開催される。両寺院とも朝のお勤めののち講話、終了後にはいも粥を振る舞う。
 知恩寺の開催は7月7日から9日までの3日間。このなか9日には同寺法主ほっすの福原隆善台下による「東洋のこころ」と題した講話が行われる。各日朝6時から7時30分まで。問い合わせは同寺=075(781)9171。
 知恩院は7月27日から31日の5日間で、31日には総本山知恩院布教師会会長の中村晃和こうわ師による「さきが見える人みえない人 真の幸福……菩提」、また30日には本紙連載中の平岡聡師(京都文教大学学長)による「幸せを感じる最も簡単な方法とは?」と題した講話が行われる。各日朝5時10分から7時まで。
問い合わせは同院布教部=075(531)2157。※その他の講演者は下記。

写真左:昨年の総本山知恩院での様子

開宗850年(2024年)

ロゴマーク決定

浄土宗(豊岡鐐尓とよおかりょうじ宗務総長)は2024年に迎える「開宗かいしゅう850年」を広く社会にアピールするため、新たにロゴマークを発表した。昨年12月に決定したシンボルマークと「法然上人」「浄土宗開宗850年」「お念佛からはじまる幸せ」「2024」といった4つのキーワードを組み合わせたもの。
 開宗850年のキャッチコピー「お念佛からはじまる幸せ」に込めたメッセージである「お念仏をとなえることで、阿弥陀さまに見守られ救われながら<明るく、正しく、なかよく>生きていることが『幸せ』の本質であると気付き、お念仏の信仰をさらに深める」ことを、より深く理解してもらうことを目的としている。
 浄土宗では開宗850年を周知するため、ロゴマークをあしらったポスターや垂れ幕を順次、全寺院に配布予定。本紙などの頒布媒体にも順次掲載していく。

〇お問い合わせ先:浄土宗開宗850年準備事務局
〇TEL:075(525)0482

写真:ロゴマーク

一人ひとりの笑顔を水彩画に

檀信徒らの似顔絵250点を展示

山形県東根市の天崇寺てんそうじ安孫子あびこ虔悦けんえつ住職)が5月1日から7日まで、檀信徒や地域住民などの似顔絵約250点を展示した。
 主催したのは安孫子住職の義姉・原信子さん(68)。4年前同寺に移り住んだ原さん。まずは檀信徒の顔と名前を覚え、一人ひとりときちんと向き合いたいと、2年前から水彩画で似顔絵を描き始めた。
 「見たまま描くのではなく、喜んでもらえるよう一人ひとりの特徴を強調して描きました。地域の方との距離が縮まってうれしい」と語ってくれた。

写真左:にこやかな表情の水彩画が本堂に所狭しと並ぶ。写真提供=山形新聞

海外でクール! 「盆タオル」

ハワイ・オアフ島にある浄土宗寺院のハレイワ浄土院(江崎晃司開教使)が制作した「盆タオル」が、檀信徒や観光客の間で人気だ。
 戦前、ハワイには日本からの移民が多くわたり、その際に日本の盆踊りが「盆ダンス」として伝わった。現在ではハワイの夏の風物詩として、現地の浄土宗寺院(13カ寺)で6月から8月にかけて広く行われている。
 盆タオルは日本でいう〝てぬぐい”。これを法被はっぴにリメイクして盆ダンスを踊るのが現地の人々の間で「クール!」なのだそう。同院では昨年、盆ダンス期間の2日で千枚売れたというから驚きだ。今夏は2柄の新作を制作。1枚5ドルで販売している(現地のみ)。

写真:江崎晃司開教使が制作した「盆タオル」

俳壇歌壇投稿記念品

 浄土宗新聞では、俳壇・歌壇コーナーに投稿をいただき、「俳壇・歌壇選」に選ばれた方には5ポイント、その他掲載になった方には1ポイントを贈呈しています。ポイントは貯まった数に応じて、お好きな景品と交換できます。
 掲載された方には、4カ月に一度、ポイント数とともに記念品一覧表を送付いたします。ふるってご応募ください♪

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●3ポイント・・・『浄土宗 毎日のおつとめ』/『縁の手帖』
●5ポイント・・・お香セット/なむちゃんうでわ念珠/トートバック/オリジナル一筆箋/
         『心に沁みる日本のうた』
●8ポイント・・・絵本ジャータカ物語/『新版檀信徒宝典 読んでわかる浄土宗』/『じゃあ、
          仏教の話をしよう。』
●10ポイント・・・日常勤行式CD(三奉請・三唱礼)/日常勤行式CD(四奉請・三身礼)/
          ニコニコ阿弥陀如来タンブラー
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