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浄土宗ニュース:2018年09月

夕陽の向こうに あの人を想う

秋彼岸 9月20~26日

 残暑やわらぐ夕方になると「カナカナカナ…」とヒグラシの鳴き声が響き渡り、ふと道端をみると彼岸花が秋を知らせてくれています。もう、お彼岸ですね。秋分の日を中心とした1週間、今年は9月20日から26日です。
 春分・秋分の日には太陽が極楽浄土のある真西に沈みます。仏教的にこの1週間は、阿弥陀さまとご先祖さまのいらっしゃる西方極楽浄土(彼岸)を思い浮かべ、亡き方へ想いをよせつつ、自身の往生を願って、仏道実践に励む期間です。
 秋彼岸が近づくと、ある方のお話が思い出されます。その方はおばあさまを亡くした年から、秋のお彼岸にお墓参りに行くとオニヤンマを見かけるようになったといいます。数年後、おじいさまが亡くなると今度はシオカラトンボも一緒に見かけるようになったというのです。
 「秋にトンボを見ると、亡くなった祖父母を思い出し、お墓参りにいかなくちゃ! という気持ちになるんです」そう話してくれました。
 この方のように、何かをきっかけに亡き方を思い出す方もいらしゃることでしょう。何かとせわしない普段の生活では、お念仏がおろそかになりがち、という方も少なくないかもしれません。そうであればなおさら「お彼岸」という定められた期間に、沈みゆく夕陽を見つめて〝大切なあの方〟を想い、手をあわせてお念仏をとなえることが大切になります。
 気候も穏やかになるこのお彼岸に、お墓参りに出かけませんか。家族で行き、亡き方の思い出話に花を咲かせるのもいいですし、一人で行き、心を落ちつけて自分自身を振り返る時間をもうけつつ、故人をしのぶのもいいでしょう。過ごし方は人それぞれですが、〝あの方〟を身近に感じる素敵な時間です。
 沈みゆく美しい夕陽の向こうから、〝大切なあの方〟が温かい眼差しで私たちを見守ってくださっています。

イラスト:きりたにかほり

重文・阿弥陀仏像 遷座式

〝仮のお住まい〟東博へ 東京・大正大学

 東京都豊島区にある浄土宗宗立学校の大正大学(大塚伸夫学長)が7月31日、学内の礼拝堂らいはいどう安置あんちする本尊・阿弥陀如来坐像を、東京国立博物館(東京都台東区)に寄託するにあたり、大塚学長を導師どうし遷座式せんざしきを行った。
 同大は浄土宗、天台宗、真言宗豊山ぶざん派、同智山ちさん派の設立宗派と時宗からなる仏教総合大学。礼拝堂は宗派を超えて、入学式や卒業式などの行事で使われているが、学生数の増加に伴い、その自主的な学習の場所を確保するため、全面建て替えを決定。そのため同像を約2年間〝仮のお住まい〟となる同博物館へ寄託することにした。一般公開もされる予定だ。
 秘仏である同像は、平氏へいしが滅亡するきっかけとなっただんうらの戦いで崩御ほうぎょされた安徳あんとく天皇(1178‐1185/左に関連記事)を弔うため1185年に造立されたと伝わる。ヒノキ材、高さ84・5センチ、重さ約15キロ、胸の前で説法印せっぽういんを結ぶ。もともと浄土宗光明こうみょう院(広島県宮島)にあったが、当時の住職・荒谷隆徳師が明治29年(1896)、同大の二つ前の前身校である浄土宗学本校へ寄贈、昭和25年(1950)に重要文化財に指定された。同大に安置されて以来、入学式や仏教行事の際に開帳かいちょうされ、長年にわたり多くの学生を見守り続けてきた。
 当日は、同大の教職員と学生らが法要を執り行い、同像の歴史を参加者に語った。法要後、浄土宗に所属する教授らと学生有志が集まり、報恩のお念仏を捧げる場面もあった(写真右)。
 卒業生の一人、林田康順仏教学部長も、「たくさんの学生らを見守り続けてきた阿弥陀さまが2年間もご不在となることに寂しさを感じます。その間は、力不足ですが、しっかりと学生らを見守っていきます」と同像に誓いを述べた。

写真左:重要文化財

写真右:報恩のお念仏を捧げる場面

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悲劇の幼帝・安徳天皇
6歳で最期を迎える

 高倉天皇たかくらてんのうを父に、建礼門院けんれいもんいん平清盛たいらのきよもりの娘)を母に持つ安徳あんとく天皇。わずか6(※)歳で命を散らす哀しい運命を辿った。
 安徳天皇は治承じしょう2年(1178)に生まれ、2年後には天皇に即位。幼いため、祖父・平清盛が実権を握るが、反乱が勃発、「源平合戦げんぺいがっせん」が始まった。その後、文治ぶんじ元年(1185)のだんうらの戦いで平氏へいしは滅亡。
 海上戦となった壇の浦で、平氏の船は次々と源氏方に乗り込まれ、船に乗っていた安徳天皇、二位にいのあま(祖母)、建礼門院らは、覚悟を決めた。安徳天皇が二位尼にこれからの行先を尋ねると、二位尼は「東に向き、伊勢神宮においとまを申し上げ、西に向き、西方浄土の仏さまのお迎えをいただくため、お念仏をおとなえください。これから極楽浄土というすばらしいところにお連れいたします」と答えたという。安徳天皇は二位尼に抱きかかえられ、波の下の都へ参りましょうと、二人は海の中へ入水、短い人生を終えた。
 その後安徳天皇をしの朝廷ちょうていの命で、阿弥陀寺御影みえい堂(現在は赤間あかま神宮=山口県)が建立され、以後水の神・安産の神としてまつられた。※『平家物語』は数え年で8歳と記述

写真:二位尼に抱かれる安徳天皇(上部、船上)『平家物語絵巻』第11巻中「先帝の御入水」©林原美術館

長野の3カ寺が「お経コンサート」

極楽のしらべ 声明で

 長野県の南部地方にある白心寺はくしんじ(山田弘之こうし住職=宮田村みやだむら)、圓浄寺えんじょうじ古藤崇志ことうしゅうし住職=同)、安楽寺あんらくじ(飯田実雄じつゆう住職=駒ケ根こまがね市)が9月16日(日)、地域の人々に仏教やお寺の魅力を広く知ってもらおうと「お経コンサート 極楽のしらべ」を共催する。
 この催しは、地域の人が寺に行き(寺行く)、参加して寺が好き(寺LIKE)になり、心を育てる(寺育)ことを目的とする「てらいくプロジェクト」の一環。昨年9月、江戸時代の高僧・徳本とくほん上人(1758‐1818)の二百回忌を同3カ寺で勤めたことを契機に、寺院から仏教文化を積極的に発信し、地域に貢献したいと始めたもの。
 今回は仏教の魅力を「音」で感じてほしいと、〝お経コンサート〟と銘打ち、お経やお念仏に独特な節をつけてとなえる「声明しょうみょう」を地域の青年僧で組織する伊那組いなぐみ浄土宗青年会(篠田典秀てんしゅう会長)が披露。
 そのなかでは、僧侶が身にまとう紫、萌黄もえぎなど彩色豊かな衣や、大五条おおごじょう七条しちじょうと呼ばれるお袈裟けさの解説もあるといい、さまざまな僧衣そうえを見て知ることができるのも貴重な機会だ。
 声明を披露する篠田会長は「声明という祈りの調べを通じ、日常とは違う時間の流れを感じていただければ」とし、安楽寺の飯田住職は「生活の中に仏教、地域のお寺という存在を身近にしていただければ、より心が豊かになれます。まずはお寺にお越しください」と参加を呼び掛ける。
 同日に各寺で1公演。入場無料、予約不要。問い合わせは各寺へ。

 9月16日(日)
 白心寺 14:00~15:00
 住所:宮田村3231
 ☎:0265(85)2257
 JR宮田駅から徒歩3分
 圓浄寺 16:00~17:00
 住所:宮田村7716
 ☎:0265(85)2447
 JR宮田駅から徒歩15分
 安楽寺 18:00~19:00
 住所:駒ケ根市上穂栄町9-5
 ☎:0265(83)2360
 JR駒ケ根駅から徒歩7分

写真:声明を披露する伊那組浄土宗青年会メンバー

西日本豪雨被害

各地で托鉢募金支援

 6月下旬から7月にかけて発生した台風7号と活性化した前線により、西日本を中心に猛烈な雨が襲った西日本豪雨。浄土宗寺院も京都、岐阜、兵庫、広島、愛媛、福岡各府県の20カ寺が被災した。
 土砂崩れによる被害の大きかった広島教区では青年僧たちが泥のかき出しを行うなど、市民生活の復旧に向けたボランティアを精力的に行った。また、直接現地へ行けない各都道府県では被災地の復旧・復興支援の一助にと、浄土宗青年会が托鉢募金を実施。集められた義捐金は日本赤十字社などを通して被災地へ送られる。
 広島教区浄土宗青年会の髙雄憲善会長は「遠方からボランティアに来ていただいたり、義捐金が寄せられ心から感謝しております。引き続き復興に向けてできることを続けたい」と語った。

写真左:大阪教区浄土宗青年会が行った托鉢募金。近畿地方では、1,101,906円の義捐金が寄せられた。

写真右:正念寺(広島)で土砂をかき出す広島、愛媛、大分各教区の浄青会員たち

佛大空手道部 世界一

世界大会空手道選手権大会


 7月18から22日、兵庫県の神戸市立中央体育館で開催された「2018 FISU 世界大学空手道選手権大会」に、浄土宗宗立学校である佛教大学(京都)空手道部の梅景唯うめかげゆいさん(社会福祉学部4年生=写真左)と小川彩月おがわあづきさん(社会学部3年生=写真右)が日本代表として女子団体形(かたに出場、チャンピオンに輝いた。
 形の演武は技を披露し、タイミング、リズム、スピード、バランスなど華麗さを競い合う。正確な動作に技のキレも必要だ。
 決勝では、切磋琢磨し合う仲のスペインと対戦。梅景さんは「予選と雰囲気が変わり、一段と大きくなった日本の声援が気持ちを高めた」と迫力のある演武をし、相手を圧倒した。
 両選手は今後も優勝を目指すと語り、小川さんは「気持ちを新たに、よりレベルアップできるよう練習に努めたい」と決意を固めた。

山積したがれき ひまわりに

宮城県・専光寺

 東日本大震災による津波で甚大な被害にあった宮城県岩沼市浜里の専光寺せんこうじ(三浦啓純けいじゅん住職)の境内いっぱいに、今夏も満開のひまわりが咲き誇った。
 地震直後、境内には津波によるがれきが山積。住宅地であった浜里地区は壊滅的な被害にあい、150棟ほどあった住宅は被災後、5棟ほどになってしまったという。
 「ひまわりのように上を向いて生きていこう」。そんな想いから平成26年に同寺と檀信徒、浄土宗災害復興宮城事務所の協力によって、境内にひまわりの種が植えられるようになり今年で4年目を迎えた。塩害の影響を危惧していたが、住民を励ますように毎年力強く花を咲かせている。

写真:今夏も満開のひまわりが咲き誇った

縁日復活 住民に浸透

開かれたお寺次世代交流の場に  長野・常然寺

野市小島田おしまだ町の常然寺じょうねんじ(山野井杲琇こうしゅう住職)が8月16日、同寺にまつられるちご観音の開帳かいちょうに合わせ「子どもみこしまつり」(※浄土宗ともいき財団助成事業)を開催した。
 児観音は平安末期の武将源義仲よしなか乳兄弟ちきょうだい、今井兼平かねひら(1152‐1184)の守護仏と伝わり、毎年春夏開帳を行っている。30年ほど前までは同日に縁日が開かれ、盆踊りなど多くの人で賑わっていたが、近年では開帳のみとなっていた。
 「少子化の時代、文化の継承で地域に貢献したい」と山野井住職が6年前に縁日を復活。住民が運営に積極的に加わり、現在は地域一帯の祭りとして浸透した。
 今年も祭囃子まつりばやしに合わせ「わっしょい!」の掛け声で子どもたちが近隣を練り歩き、途中、老人介護施設に立ち寄り、お年寄りと交流した。
 山野井住職は「開かれたお寺を核とし、地域、異世代間の交流が活発になれば」と、子どもを見守っていた。
※浄土宗ともいき財団助成事業:公益財団法人「浄土宗ともいき財団」が仏教精神に基づく社会貢献活動を行う団体を助成する事業

写真:元気にみこしを引き子供たち

子どもも大人もお念仏

信行道場 和やかに  ブラジル・イビウーナ日伯寺

あらゆる世代が一緒に活動し「共生―ともいき」を体験する「ともいき信行道場」を7月14、15日の両日、ブラジルサンパウロ州イビウーナ市のイビウーナ日伯寺にっぱくじが開催した。地元や、パラナ州クリチバのほか、遠方からも参加があり22名が集った。
 14日には大念珠繰だいねんじゅくりや、高台から夕陽に向かってお念仏をとなえる「夕陽の集い」のほか、夜には本尊前で灯火を分かち合う「ともしびの集い」などを行った。
 翌日には短冊と七夕かざりで彩った笹竹と生け花を地蔵菩薩に奉納し、地蔵まつり大法要を厳修した。

写真:大念珠繰りの様子

蓮美幼児学園園児ら

ハワイ寺院で英語教育

 大阪市天王寺区の光聖寺こうしょうじ(秋田光哉こうさい住職)が母体となって運営する蓮美れんび幼児学園の園児が7月24日から30日、サマースクールとしてハワイにあるハワイ浄土宗別院やハレイワ浄土院で英会話の実地教育を受けた。
 現地では英語を交えたおつとめのほか、フラダンスやウクレレのレッスン、地元園児との交流もあり、園児らは体全体でネイティブな英語を体験していた。
 同学園は保育園や認定こども園を全国に38カ所展開。特に英語教育に定評がある。

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