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浄土宗ニュース:2018年12月

グッドデザイン賞2018 大賞に「おてらおやつクラブ」

寺院が行う社会福祉 高く評価

 優れたデザインや物事に対して表彰するグッドデザイン賞の2018年度の発表会見が10月31日、東京ミッドタウン(東京都港区)で行われ、最高賞にあたるグッドデザイン大賞(内閣総理大臣賞)に奈良県田原本町・安養寺住職、松島靖朗せいろう師(43)が代表を務める特定非営利活動法人「おてらおやつクラブ」※が選ばれた。
 おてらおやつクラブは、寺院にお供えされる果物や菓子、日用品などを、仏さまからの「おさがり」として頂戴し、子どもをサポートする支援団体の協力を得て、経済的に困難な状況にある家庭へおすそ分けする活動。2014年に始め、現在では宗派を超えた980カ寺が活動に参加、毎月約9000人の子どもたちに支援している(2018年11月現在)。
 グッドデザイン賞は、90年代には家庭用ペットロボット「アイボ」(ソニー)、2000年代にはハイブリット自動車「プリウス」(トヨタ自動車)など、いわゆる工業製品のデザインやシステムなどを表彰することが多く、今回、寺院を中心とした地域福祉活動が選ばれたのは異例。
 授賞理由について審査委員は「従来、寺院が地域社会で行ってきた営みを現代的な仕組みとしてデザインし直し、寺院の『ある』と社会の『ない』を無理なくつなげる優れた取り組み」とし、その仕組みの美しさを高く評価した。応募総数4789件、大企業がひしめく中、一寺院から始まった活動が受賞したことは快挙といえよう。
 多くの報道陣が並ぶ表彰式に僧衣で登壇した松島師は「この活動は私どもが一から構築したものではなく、全国のお寺、地域の方々が信仰をもって続けてこられた習慣を社会的につなげたものです。この受賞をきっかけに活動の輪が広がることを願うとともに、7人に1人の子どもが貧困状態にある日本の現実を多くの方に知ってほしい」と訴えた。

※おてらおやつクラブとは…HP
「最後にお腹いっぱい食べさせてあげたかった…ごめんね」
2013年、大阪で起こった母子餓死事件を機に、寺院に上がったお供え物を貧困状態にある家庭へ届ける活動を始める。全国で説明会を重ね、賛同寺院の増加とともに17年にNPO法人化。宗内では16年に浄土宗平和賞を受賞、15年から(公財)浄土宗ともいき財団の助成事業に採択されている。
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写真:表彰式で受賞の喜び、貧困の実情を訴える松島師

木炭ブランド化 故郷に光

西蓮寺(山形)檀信徒 長澤文紀さん

 既報のグッドデザイン賞2018の発表会で、山形県米沢よねざわ市・西蓮寺さいれんじ檀信徒の長澤文紀ふみとしさん(長沢燃料商事代表取締役社長)が手掛ける木炭「やまがたん」がグッドデザイン賞に選ばれた。
 長澤さんはこれまで、灯油や軽油などの石油製品のほか、木炭などの固形燃料の販売を行ってきた。自然豊かな米沢は、昔から木炭づくりが盛んで、その質は全国でも評判となっていたが、炭焼き職人の高齢化などにより年々生産量が減少していた。炭焼きが行われなくなれば地域の森林にも手が入らず荒廃につながる。
 地域産業の衰退にもつながりかねない課題に長澤さんは、国産の木炭作りの保護、若い職人の育成を目的に地域の森林組合と連携し「米沢産黒炭生産プロジェクト」を2017年に設立。地域の名産品である「米沢牛」はもちろん、新鮮で良質な食材をよりおいしく焼き上げる木炭「やまが炭」を翌年生み出した。
 商品箱のデザインやネーミングは、東北芸術工科大学(山形市)グラフィックデザイン学科と連携。緑豊かな山形の自然、雲海のような春の山霞をイメージしたというかわいらしいデザインに。
 販売は県外の人々に広く知ってほしいと、インターネットに力を入れた。品質やデザイン性の高さから、若い世代を中心に話題を呼び、アウトドア雑誌に取り上げられるなど、販売も好調という。
 グッドデザイン賞は地域が連携し「やまが炭」というブランド価値を加えたことで、森林の保護、職人の育成・継承、地域産業の活性化、雇用の創出など、一連の地域循環システムを構築したことが高く評価されての受賞となった。
 受賞式には菩提寺の西蓮寺伊藤竜信りゅうしん住職も駆けつけ、喜びを分かち合っていた。長澤さんは「米沢が誇る木炭の品質を多くの人に知っていただけてうれしい。地域への恩返しにもなったかな」とほほ笑んだ。
「火付きよし」「火力よし」「火持ちよし」が特徴で、米沢牛など良質な素材を焼くのに適した切り黒炭。寒暖差が大きい気候風土の米沢で育った密度の高い「ならの木」を炭焼き職人が温度管理を徹底し、ゆっくり時間をかけて作り上げた逸品。3キロ入り1600円(税・送料別)。お求めは☎0238(23)0216またはホームページから

写真左:長澤さん(左)と伊藤住職。表彰会場に

写真右:米沢牛など良質な素材を焼くのに適した切り黒炭

法然上人ご遺跡 昨秋台風で損壊

比叡山 青龍寺報恩蔵 落慶

 昨年10月、各地に猛威を振るった台風21号の風雨被害により損壊した比叡山ひえいざん青龍寺せいりゅじ(京都市左京区八瀬秋元町)報恩蔵ほうおんぞうの再建が完了し11月14日、落慶式らっけいしきが総本山知恩院の主催で営まれた。
 青龍寺は法然上人(1133‐1212)が18歳から浄土宗を開かれる43歳まで修行究学されたご遺跡ゆいせき。比叡山(延暦寺えんりゃくじ)の西塔さいとうエリアにあり、山深い立地から比叡山の中でも別所べっしょといわれ、俗世ぞくせとの関りを断ち切る隠遁いんとんの地として知られる。境内にある報恩蔵は上人がこもって一切経いっさいきょうを読まれた経蔵を宝永ほうえい2年(1705)に復元したもの。浄土宗の聖地として知恩院が維持・管理を行ってきた。
 被害は昨年10月23日、台風の猛烈な風雨により境内の巨木が倒れ、報恩蔵を直撃したことによるもの。本尊の阿弥陀如来や一切経は被害をまぬがれたが、建物は修復が不可能と判断した知恩院は本尊、一切経の保護とともに、新たな報恩蔵建立に着手していた。
 今年3月に着工し、今般完成した報恩蔵は高さ約6メートル、幅約4メートル。ひのき造りで外壁には杉材を張り付け、強固で風雨・湿気に強い経蔵に生まれ変わった。また、「報恩蔵」と揮毫きごうされた表額はこれまで掲げられていたものを修復して再掲示。屋根の銅板は延暦寺が寄進した。
 落慶式は知恩院の大﨑順敬じゅんけい執事を導師どうしに営まれ、工事を担当した美濃辺みのべ工務店ら関係者が参列。本堂に遷座せんざしていた本尊の開眼かいげん、法然上人の遺徳いとくしの表白ひょうびゃくを奉読後、報恩蔵の完成をお念仏を唱和し奉告した。

※おしらせ 昨年、今年と続いた台風により、青龍寺へ向かう林道には倒木が残るため、危険と判断された際には拝観中止となります。参拝の際は事前に青龍寺=075(722)1300まで連絡を。

写真左:台風の猛烈な風雨により境内の巨木が倒れ、報恩蔵を直撃した

写真右:今般完成した報恩蔵

法然上人が遺されたお歌

「いのち」の価値観を提示


 東京教区教化団(佐藤雅彦がげん教化団長)が10月30日、東京都港区の大本山増上寺慈雲閣じうんかくで、「仏教成人ぶっきょうせいじん大学」教養きょうよう講座・第1回「いのちを学ぶ」を開催、100名以上が聴講に訪れた。
 同教化団は都内の浄土宗寺院で組織し、浄土宗の教えを檀信徒、一般に広く伝えることを目的に活動している。仏教成人大学は、仏教が学べる「大人の学校」として、仏教講座や寺院へのバス研修などを実施。今年度は法然上人の「いのち」に対する教えを学ぶことをテーマにしている。
 当日は、佛教大学准教授で『法然さま二十三のお歌』(浄土宗刊)の著者である伊藤真宏しんこう師が「法然上人のお歌といのち」と題して講演。上人が遺された和歌を一首ずつ講釈した。同師の研究では、法然上人のお歌は和歌の基本となる五七調で詠まれ、資料的根拠と年代、思想から23首の和歌を紹介している。
 同師は「人はうれしいことを伝えたいのがさがである」とし、その手段を現代は「SNS」、法然上人の時代は「和歌」と例え、「上人のお歌には信仰の喜びが発露はつろされている」とした。また、極楽浄土に往生できると確信していることがお歌から感じられるとし、上人の死生観が「生=善」「死=悪」ではなく、生も死も素晴らしいものであること、死後は仏さまの国にいくことができ、「死=終わり」ではないことを強調、信仰の中に生きるいのちの価値観を提示した。
 このほか、同教化団による「お経の功徳くどくとは どうしてお経は必要なの?」と題した講演も行われた。聴衆は日々おつとめをする意味やお経の解説を受け、納得の表情を浮かべていた。

写真:法然上人のお歌を解説する伊藤真宏師

21カ国 仏教徒900人が集結

世界仏教徒会議 日本で開催 -生きとし生けるものが幸せであるように-


 11月5日から9日の5日間にわたり、千葉県成田市のホテルと曹洞宗大本山總持寺そうじじ(横浜市)を会場に、第29回WFB世界仏教徒会議 日本大会が開催された。
 WFBはお釈迦さまの教義の普及と世界平和への貢献を目的に組織された世界仏教徒連盟の略称で、今大会は連盟に加盟する公益財団法人全日本仏教会※の創立60周年記念事業の一環として開かれた。日本での開催は10年ぶり4回目。
 今大会では「慈悲の行動」をテーマに掲げ、お釈迦さまの「生きとし生けるものが幸せであるように」の言葉を実現すべく、無駄な消費の削減(るを知る)、自然災害時の物資提供や心の支援などについて協議された。
 最終日には全日本仏教会会長で總持寺貫首の江川辰三しんざん猊下を導師どうしに各宗派の関係者をはじめ、アメリカやアジアなど21カ国から集った約900人の仏教徒とともに世界平和祈願法要が勤められた。その中で江川猊下は「世の中が慈悲と和合わごうの世界になるために、力を尽くしたい」と述べられた。
 会場には日本の仏教を身近に感じてもらいたいと、各宗派の青年僧による体験コーナーを設置。全国浄土宗青年会も腕輪念珠作り体験を行い、多くの外国人たちが参加していた。
※全日本仏教会…全国59の宗派(教団)36都道府県仏教会、10の仏教団体が加盟する連合組織。浄土宗も加盟している。

写真:總持寺に隣接する總持寺幼稚園の園児に迎えられるタイ王国から参加した僧侶

米どころから支援の輪を

おうみ米一升運動

 滋賀県内の若手僧侶で組織する滋賀教区浄土宗青年会(稲岡賢純会長)が10月15日から16日の2日間、「平成30年7月豪雨」で被災した岡山、広島、愛媛の3県へ米2.1トンを届けた。
 15日、滋賀県を出発した一行は、一路被災地を目指し広島へ。翌日は岡山、愛媛を訪問。2日間で計226世帯へ、可能な限り直接手渡しで支援の米を届けた。
 同会は平成22年から「おうみこめ一升いっしょう運動」と銘打ち、滋賀県内の浄土宗寺院にお供えされた米を精米、袋詰めし、被災地やフードバンクなどに届ける米どころならではの支援活動に取り組んでいる。今年は佛教大学(京都市)の学生や近畿圏内の浄青会員の協力を得て、3000袋、計5トンを7月豪雨の被災地やこども食堂などへ贈っている。
 このほか、東日本大震災被災地への支援や、東京で生活困窮者支援を行う僧侶団体「ひとさじの会」への支援なども行なってきた。
 稲岡会長は「お米という小さな一粒がつなぐご縁で、皆が笑顔になってくれれば幸いです」と真剣な眼差しで語った。復興に向け若い僧侶の活躍が期待される。

写真左:現地にて米を配る滋賀教区浄土宗青年会の会員たち

写真右:袋詰めの作業には佛教大学の学生が手伝いに駆け付けた

お寺で縁結び

全浄青が寺コン 初開催 大本山知恩寺

 結婚相手を探す活動を略した「婚活こんかつ」という言葉が定着して10年余り。こうした活動は寺院運営を担う僧侶をとりまく環境でも広がりをみせている。
 10月20日、大本山知恩寺(京都市左京区)で、お寺で婚活する「寺コン」が行われた。
 これは人口減少の進む地方における寺院の継承者問題を含む、寺院継承に関するさまざまな問題の解決を目的に、全国浄土宗青年会※(以下全浄青)が企画したもの。
 初となった今回は、寺院を継承する予定の僧侶26名と、お寺に興味がある一般の女性30名が参加した。
 当日は本尊の阿弥陀如来の前でおつとめをし、自己紹介のあと、男女数名で一画ずつ線を足して文字を作る一画書道などを通じて親交を深め、12組がマッチングした。
 全浄青理事長の神田眞英しんえい師は「お寺に興味をもってもらうとともに、このご縁を機に寺院継承問題の解消の一助となれば」と語り、今後も継続していくことを誓った。
※全国浄土宗青年会…43歳以下の浄土宗青年僧で組織する公益教化事業団体。現在の会員は約2200名。

写真:一画書道で書いた文字を掲げる僧侶たち。左が神田眞英理事長

学業成就

「合格ハチマキ」配布 1月8日 蓮聲寺

埼玉県川越市の蓮馨寺れんけいじ粂原くめはら恒久こうきゅう住職)が受験シーズンにあわせ、1月1日から8日の期間中、学業成就祈願法要を勤めるとともに、8日には「合格ハチマキ」を無料配布する。
 同寺は江戸時代の高僧・呑龍どんりゅう上人をまつる。呑龍上人は恵まれない子どもたちを預かり、弟子として育て、庶民救済に尽力したことから「子育て呑龍」と親しまれている。その縁で、毎月8日に「呑龍デー」と称し縁日を開催、学業成就などの祈願を行っている。1月は8日間に期間を延ばして実施。
 ハチマキの配布は、8日13時より。先着100名。

写真:手ずから「合格ハチマキ」を渡す粂原住職(写真右)

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