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浄土宗ニュース:2017年06月

来迎の様相 現世に表す

各地で二十五菩薩練供養

  4月から5月にかけ、浄土宗特別寺院・誕生寺(岡山県久米南町)をはじめ、阿弥陀寺(山口県周防大島町)、淨眞寺(東京都世田谷区)、當麻寺(奈良県葛城市)などで、二十五菩薩練供養が修された。
 この法会は、阿弥陀仏と25の菩薩が臨終近い人を迎えに来る様(来迎)を表現するもの。極楽浄土と私たちの生きる世界に見立てた二つのお堂の間を菩薩に扮した人々が往復、往路は来迎、復路は浄土へと往生する人を連れていく引接を表している。
 5月5日には、淨眞寺が3年に1度の「二十五菩薩来迎会」を厳修した。同寺の本堂(現世)と上品堂(浄土)の間に特設の橋が架けられ、菩薩の面をつけた檀信徒らが橋の上を往復。

その後、人々を救うため浄土から現世に戻る「還相回向」を表現するため、面を外して位牌を抱き、本堂へ練り歩いた。境内を埋めた多くの人々はその荘厳な様子に見入っていた。
 また、法然上人生誕の地に建つ誕生寺では4月16日、上人のご両親を偲び「法然上人御両親御追恩二十五菩薩天童迎接練供養会式大法要」が、阿弥陀寺では同27日、25名の女性が菩薩に扮する「回向祭・二十五菩薩練供養」、當麻寺では同寺に安置されている国宝「當麻曼陀羅」を織りあげたと伝わる中将姫の命日にあたる5月14日、その往生の様子を再現する「聖衆来迎練供養会式」が修され、いずれも多くの参詣者を集めていた。


浄土宗平和賞に滋賀浄土宗青年会 仏供米を継続して被災地へ

“現場で積んだ経験 将来に活かす”

  「社会参加する仏教」を志向し国際交流、地域福祉活動など、広く公益活動を行う浄土宗寺院や教師を顕彰・支援する第9回浄土宗平和賞の授賞式が5月11日、京都市の浄土宗教化研修会館(源光院)で行われた。主催する浄土宗平和協会(川副春海理事長)委員の選考の結果、「近江米一升運動」と銘打ち、生活困窮者などへの食料支援を行う滋賀教区浄土宗青年会(小川直人会長)に決まった。
 「米どころ」として知られる滋賀県は檀信徒に農家も多く、収穫した米をまず仏さまにお預けする″仏供米〟が各菩提寺に上がる。同青年会では、この浄米をお福分けすることで支援につながればと、一カ寺あたり一升以上の米を集め、生活困窮者のもとに届ける「近江米一升運動」を平成22年に開始した。

平成23年12月、福島県いわき市の東日本大震災仮設住宅で仏供米を手渡す滋賀浄青会員。

配布の際には事前に会員らが検品し、10キロごとに小分けして手渡す

 当初は、児童養護施設や路上生活者などへ食糧の分配を行う「フードバンク」を通じ支援にあたっていたが、翌年、東日本大震災が発生。直後から「緊急近江米一升運動」として米約7トン、食糧などを東北の被災地へ届けた。それ以降も滋賀県内の生活困窮世帯や東北の被災地へ支援を続けており、臨機応変な継続活動が評価された。
 授賞式では、浄土門主・伊藤唯眞猊下が「仏供米を届けるということは、物質のみならず仏の御心を乗せるということ。それを被災地など、必要としている方々に届けていただいたことは御仏の心にかなう運動であり、感謝に堪えません」とお言葉を添えられ、表彰状と受賞記念盾を小川会長に手渡された。
 授賞式後、小川師は「これまで続けてこられた諸先輩方のおかげ」としつつ、「この運動の中では檀家さんの想いや貧困の実情など様々なことが見えてきます。若いうちに汗をかいて体で覚えたこれらの経験を、ゆくゆく住職になって地域への社会貢献を行う際に活かしていきたい」と、将来を見据えた。

左:菩提寺には檀信徒の想いのこもった浄米が集まる 右:伊藤猊下から表彰状を手渡される小川会長


千葉小3女児 殺害事件

平安なお浄土でやすらかに

 3月24日から千葉県松戸市で行方不明となっていたベトナム国籍の小学校3年生レ・ティ・ニャット・リンさん(9)が同26日、同県我孫子市で遺体で発見されるという凄惨な事件が起きた。リンさんの葬儀を勤めた浄土宗寺院日新窟(東京都港区=吉水大智住職)に在籍するベトナム人僧侶の釈心智尼(俗名グェン・ティ・ユウ)は、位牌を祀る同窟を訪れる在日ベトナム人らと共に日々祈りを捧げている。
 同窟の吉水住職は両国の仏教発展のためにと、数十年にわたりベトナム人留学生の受け入れや学校建設のための寄付などを続けてきている。
 平成13年、「日本の仏教を学びたい」と願うタムチー尼を招き、以来、タムチー尼は日本の仏教を学びつつ、同窟の法務にあたっている。
 同20年からは、ベトナム大使館からの要請で日本で亡くなった在日ベトナム人の葬儀はすべてタムチー尼が勤めており、リンさんの供養も大使館を経由しての依頼による。警察、女児の両親と共に遺体と対面する検視に立会った時の、愛娘の変わり果てた姿を見た両親の悲しみは「察するに余りあった」という。
 葬儀には両親、在日ベトナム人、女児と関係の深い人々が参列、ベトナム式と浄土宗の法式で営まれた。回向の後、タムチー尼は「どうか平安なお浄土でやすらかに」との願いを込め法名を『妙安』と名づけたと、両親をはじめ参列者に伝えていた。
 5月7日には両親、多数の関係者が参列するなか、日新窟で中陰回向(四十九日法要)が営まれ、ベトナム人僧侶による法要、午後にはタムチー尼と親交のある東京都台東区・光照院副住職の吉水岳彦師ら浄土宗僧侶により念仏回向が捧げられた。吉水師は「お浄土で苦しみが取り除かれ、菩薩に姿を変え、この世に還ってご家族を見守ってほしい」と遺族の心中を察し、参列者に語りかけた。
 警察のその後の捜査により5月5日、殺人、わいせつ目的誘拐の容疑で、女児が通っていた小学校の元保護者会長の男が再逮捕されたが、リンさんは戻ってくるわけではない。いたたまれない思いでタムチー尼は静かに位牌の前に立つ。
「リンちゃんはイチゴが好きだったから、欠かさずお供えしています。やすらかなお浄土で必ず会える日が来る」
そう語り、3本の線香を恭しく捧げるベトナム式の祈りの後に「南無阿弥陀仏」ととなえた。

両国の僧侶によって営まれた中陰回向。中央には女児の両親が座る


中将姫の恩徳偲び 声高らかに

子どもらが和讃奉納 和歌山・光明寺

 和歌山県印南町の光明寺(垣光隆住職)が4月14日、観経曼陀羅を掲げ法要を勤める「曼陀羅会式」を行い、檀信徒の子どもら12名が和讃をとなえた。
 観経曼陀羅とは、浄土宗で拠り所とする『観無量寿経』の内容を絵画化したもの。文化4年(1807)、同寺13代住職が観経曼陀羅の掛け軸を作り、地域の農作物を供え、無病息災などを願い供養したのが同寺の曼陀羅会式の由来とされる。
 昭和10年ごろ、当時の住職の呼びかけで集まった子どもたちが、奈良の當麻寺に伝わる国宝「當麻曼陀羅」を織ったとされる中将姫の恩徳を偲び和讃をとなえるようになり、以来毎年子どもたちが和讃を奉納するのが慣わしとなっている。
 春休みの約1週間、練習を重ねて本番に臨んだという小学3年生から6年生までの女児らは、袴姿に袈裟をかけ、法要の中で鈴や鉦を打ちながら「中将姫和讃」を声高らかにとなえた。堂内に集まった檀信徒ら約40名は、子どもたちの健気な姿に思わず笑みをこぼしていた。
 今回初めて参加したという小学3年生の女の子は「高学年のお姉ちゃんたちの姿を、見よう見まねで覚えました。鈴や鉦を鳴らしながら和讃をとなえるのは難しかったけど、楽しかった」と満足気。また、垣住職は「子どもたちの懸命な姿に元気をもらいました。地域でも少子化が進んでいますが、絶やすことなく続けていきたい」と話した。

鈴を鳴らし和讃をとなえる子どもたち(写真提供=日高新報社)


混乱続く南スーダン

難民支援に100万円 浄土宗なむちゃんエイド

  世界の難民支援のために浄土宗新聞購読料の一部を寄付する「浄土宗なむちゃんエイド」として浄土宗が5月、難民支援の日本窓口である国連UNHCR協会へ100万円を寄託した。
 「エイド」は湾岸戦争による難民支援募金を契機として平成5年に設立。これまで中東・アフリカなどの難民支援を行っている。
 今回は内戦が続く南スーダンの難民支援に贈る。隣国ウガンダに逃れる難民は今年だけで20万人を越え、その多くは子どもや女性。

難民キャンプでは生活に必要な物資も不足している。寄付金は水や毛布などの物資のほか、保護者と離れた子どもの保護、性的暴力を受けた被害者への心身のケアなどに充てられる。


お寺でゆったり花観賞

6月の花々 各地で見ごろ

左:「柿生のあじさい寺」の愛称で親しまれる浄慶寺。境内には「将棋を指す羅漢」などユニークな羅漢像が配置され、訪れる人々を楽しませてくれる) 右:念仏寺の沙羅の木(写真提供=有馬温泉観光協会)

神奈川県 浄慶寺
 6月中旬、川崎市の浄慶寺(麻生諦善住職)では約千株のアジサイが境内を彩る。
 同寺は大正12年の関東大震災で本堂が半壊し、昭和8年に再建。戦後、寺の維持もままならない状況のなか、〝私たちのふるさとに華を〟との想いから同42年ごろから檀家の協力で境内に植樹をはじめ、今では多種類のアジサイが咲き乱れ、「神奈川花の名所100選」にも選ばれている。住所=川崎市麻生区上麻生6‐34‐1。
【アクセス】小田急線柿生駅下車、徒歩10分

兵庫県 念仏寺
 同じく6月中旬、神戸市の念仏寺(永岡眼心住職)では樹齢約300年の沙羅の花が見ごろを迎える。
 同寺の創建は天文7年(1538)、豊臣秀吉の正室・北の政所の別邸跡といわれ、本尊は快慶作と伝わる阿弥陀如来立像。
 沙羅の花は咲いてから一日で枯れてしまうことから「無常」を表すといわれ、また、お釈迦さまは沙羅双樹と呼ばれる4双8本の沙羅の木の下で亡くなるなど、仏教とゆかりも深い。
 念仏寺では6月17、18の両日、「沙羅の花と一弦琴の鑑賞会(有馬温泉観光協会青年部主催)」を開催する。花を眺めながら一弦琴(須磨琴保存協会)の雅な調べを鑑賞したい。1700円、両日とも10時、12時、14時、16時の4回で各回先着100名。住所=神戸市北区有馬町1641。
【アクセス】神戸電鉄有馬温泉駅下車、徒歩10分
鑑賞会予約はホームページ=http://arimas.jp/sara/
問い合わせは有馬温泉観光総合案内所=078(904)0708。


盆ダンス ハワイで盛大に

各寺で夕刻より開催

  6月から8月にかけ、アメリカ・ハワイの浄土宗寺院13カ寺では盆ダンス(盆踊り)が盛大に催される。
 盆ダンスは、戦前に移民としてハワイに渡った日本人によって伝えられ、現在ではハワイの夏の風物詩となっている。
 盆ダンスのほか、ホノルルのハワイ浄土宗別院では山口県からの移民が伝えた「大塔婆供養」が行われるなど、期間中は寺院ごとに特色あふれる法要・行事が行われ、大勢の人でにぎわいを見せる。
 各寺の開催日は以下の通り。▼6月16日、ワイルク浄土院(マウイ島)▼6月23~24日、カパア浄土院(カウアイ島)▼7月1日、ラハイナ浄土院(マウイ島)▼7月8日、コハラ浄土院(ハワイ島)▼7月8日、ヒロ明照院(ハワイ島)▼7月14~15日、ハレイワ浄土院(オアフ島)▼7月28~29日、カフルイ浄土院(マウイ島)▼8月4~5日、コロア浄土院(カウアイ島)▼8月5日、カーチスタウン浄土院(ハワイ島)▼8月5日、ハヴイ浄土院(ハワイ島)▼8月12日、ハマクア浄土院(ハワイ島)▼8月19日、ハカラウ浄土院(ハワイ島)▼8月18~19日、ハワイ浄土宗別院(オアフ島)。

昨年7月にラハイナ浄土院で行われた盆ダンス


パステル画展-回帰する風景-

長野市・白蓮坊住職 若麻績敏隆師 6月21日から

 長野市・白蓮坊住職で画家の若麻績敏隆師が東京・三越本店でパステル画展を開く。
 若麻績師は昭和33年生まれ。東京藝術大学、同大学院で日本画を専攻、その後、大正大学大学院で仏教学を学んだ。三越での個展開催は4回目。
 今回は「回帰する風景」をテーマに30点を展示。若麻績師は「日本人が持つ死後のイメージには、極楽浄土への往生という仏教的死生観と、野山や海など自然に帰っていくという、古来の死生観が矛盾なく受け継がれています。この日本人が持つ心の原風景を描きました」と語る。

会期:6月21日(水)~27日(火)
   10時30分~19時30分(最終日は17時閉館) 入館無料
会場:日本橋三越本店 本館6階美術特選画廊
   (東京都中央区日本橋室町1-4-1)
問い合わせは三越本店 ☎03(3241)3311  HPは 三越の美術
(写真=『夏の黄昏』 100×60cm)

『夏の黄昏』 100×60cm


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