浄土宗ニュース:2019年09月

秋彼岸

ご先祖さまのため・自分のための修行期間

 暑すぎた夏もやっと終わりを迎え、9月といえば…シルバーウィーク! と言いたいところですが、忘れてはならないのが、秋分の日を中心とした一週間(今年は9月20日から26日)のお彼岸です。この「彼岸」とは、私たちがいる苦しみの世界から見たさとりの世界を意味します。さらに、お彼岸はさとりを目指す仏道修行の期間ともされています。
 秋分の日は「先祖を敬い、亡くなった方をしのぶ日」として制定された祝日。今年は特に3連休ということもあり、お墓参りに出かける方も多いことでしょう。
 この秋分について、法然上人が師と仰ぐ中国の善導大師ぜんどうだい し (613‐681)は「太陽が真東から出て真西に沈む春分と秋分の日に、沈みゆく夕陽をて、その彼方かなたにある(阿弥陀さまのいらっしゃる)極楽浄土に想いをせ、往生の願いをおこすのに適している」と説いています。
 娑婆しゃば世界であるこちら側の岸(此岸しがん)からご先祖さまがいらっしゃるさとりの世界(彼岸)へ向けて、日頃の感謝と供養の心、そしてお念仏の功徳くどくを亡き方へめぐらし向けるとともに、〝私もいつの日かお浄土にってあなたと再会できますように〟との想いでお念仏をおとなえください。
 ところで、皆さんは日頃、ご先祖さまへの供養のためにお念仏をとなえているかもしれません。でも実は、自身が極楽往生を遂げるための善行というのがお念仏の第一義なのです。自身の往生のためには〝お念仏の信をゆるがせないことが大切である〟と法然上人も説かれています。
 信心しんじんを保ち続けることは大変難しいことですが、心の向け方について、巧みな比喩表現を用いて正しい信仰へと導く教えがあります。それは〝往生指南書〟ともいえるある図ある図・・・です。浄土宗新聞9月号中面に関連記事

(イラスト)=さいとうかこみ

復興の願い込めて

三願成就の天井絵 完成  島根・長福寺

 平成30年4月9日に発生した島根県西部地震(マグニチュード6.1)で被災した島根県大田おおだ市の長福寺(西村昭仁住職)で、復興の願いを込めた本堂天井絵が完成した。
 同寺は地震直後、境内の地盤に亀裂が入った影響で本堂が傾き、本尊や天蓋てんがいなどの荘厳しょうごんが破損。客殿や庫裡くりの柱が崩れたほか、諸堂宇も傾きや壁の漆喰が剥離するなどの被害があった。
 西村住職は、本堂の改修にあわせ、「復興の象徴として後世に残るものを」との想いから天井絵の制作を発案。同県出身の画家・阿部裕江ひろえ氏とデザイナー・金津芙美かなつ ふ み 氏に依頼し、西村住職と構図や色彩の確認を重ね、約1年をかけ完成した。
 天井絵は、40センチ四方の板約140枚に極楽浄土を表現。阿部氏が手掛けたサクラ、アジサイ、ハス、アサガオなど四季折々の植物と、金津氏が手掛けた極彩色の雲が色鮮やかに描かれている。
三願成就さんがんじょうじゅの天井絵」と名付けられた同絵には、見る人が「極楽浄土を感じ、往生を願う心を育ててくれる(願往生がんおうじょう)」、「願いが叶うように仏さまがお守りくださる(願成就がんじょうじゅ)」、「蓮の花が泥の中から美しく立派に咲くように、どんな困難からでも立ち上がる勇気を与える(再出発)」の、三つの願いが込められている。
 西村住職は、「長福寺がある波根はね地区は地震による被害が県内で一番大きく、檀信徒や地域住民は多大な被害を受け、お寺全体の改修も完了は来年以降。被災して失う物がたくさんありましたが、こうして新しく生まれるものもあります。復興を願う人がこの天井絵を見て元気になってほしい」と語った。
 多くの人の、復興の願いが込められて完成した同絵は7月15日の施餓鬼せがき法要で檀信徒にお披露目され、参列した60名の檀信徒たちは天井を見上げ、喜びながら手を合わせたという。また地域でも話題となっており、檀信徒のみならず、県内外から見学希望者が訪れており、復興の象徴となっている。見学希望の方は事前に連絡を。長福寺=0854(85)8822。

写真左:改修された本堂内陣と、新たに設置された‟三願成就の天井絵”。極楽浄土をイメージし、
中心に大きなハスを描き、周りに四季の花々と極彩色の雲を色鮮やかに描いた。

写真右:震災直後の本堂の様子。位牌壇に祀られた位牌が落下、散乱している

在日ベトナム人 祈りの場

東京・日新窟に供養塔建立

 京都港区にある浄土宗寺院・日新窟にっしんくつ(吉水大智だいち住職)が、日本で亡くなったベトナム人の供養のため、日越にちえつ親善供養塔を建立、国内外から多くのベトナム人が参拝に訪れている。
 吉水住職がベトナム人僧侶と深い交流があった縁から日新窟では、留学生のサポートなど両国の親善や仏教発展のための活動、在日ベトナム人の葬儀を執り行っている。
 弔った人の位牌は、日本で生きた証となるよう本堂裏にまつってきたが、近年葬儀の数が急増、位牌で本堂が手狭になったため、遺族はじめ誰もが拝めるようにと、吉水住職が3年前から供養塔の建立を計画、このほど落慶らっけいに至った。
 6月30日の落慶法要では、約150基の位牌が供養塔に納められたが、その半数近くは、技術の習得を目的に来日した20~30代の技能実習生のものだという。
「昨年だけでも40名、今年もすでに15名の葬儀を勤めました。ここ数年で急増しています」。同窟で在日ベトナム人からの相談を数多く受けている僧侶、ティック・タムチー尼は沈痛な面持ちでその理由を話してくれた。
 彼らは日本語を十分に話せないまま、渡航のために多額の借金をして来日することが多い。そして、借金返済のために過酷な労働を余儀なくされ、言葉の問題から労働環境の冷遇も少なくないという。そうした状態から病気になっても、自身の状況を正しく医師に説明できず病状を悪化させて亡くなったり、周囲に相談もできず、悩んだ末に自死を選ぶというケースも少なくない。日新窟には、悩みを抱えた技能実習生が毎日のように相談にきているという。
 日越親善供養塔という名は、現状が改善され両国の関係がよりよくなってほしいという吉水住職の想いからつけられたもの。供養塔には、連日のように亡くなった人の仲間や祖国の遺族らが訪れて手を合わせる姿が見られ、祈りの地になっている。
 タムチー尼とともに相談を受けている同窟寺務長の吉水慈豊 じ ほう師は、「両国の人がしっかりと手を取り合わなければ現状は変えられない。その第一歩として、このように苦しんでいるという人がいる現実を知ってほしい」と訴えた。

写真左:線香を供えるタムチー尼と慈豊師。供養塔には、
遺族や信者などから寄せられた花や菓子などが供えられている

写真右:供養塔の両隣には、納められた人の名が刻まれたプレートが取り付けられている

お寺の白壁がキャンバス

水墨画で巨大雪景を描く 佐賀・浄土寺


 佐賀市与賀町の浄土寺(緒方伴昭住職)の塀に、巨大な水墨画が描かれ、参詣者や通行人が足を止めて見入るなど、地域の人々のあいだで話題になっている。
 水墨画は高さ約1.8㍍、長さ約66㍍にわたる巨大なもので、アクリル絵の具で風情ある雪景色に松や梅、龍、亀などの縁起物が墨の濃淡で描かれる。
 制作は佐賀市在住の中国人画家・尹雨生いうせい氏と、尹氏が開く水墨画教室の教え子の川崎光春氏が共同で手掛け、昨年6月から約1年かけ7月11日に完成させた。
 きっかけは約2年前、尹氏が長く真っ白な塀を見た時に、壁がキャンバスに思えてアイデアが浮び、同寺に奉納を願い出たことによる。
緒方住職は「浄土寺は洋画家の山口亮一や百武兼行ひゃくたけかねゆきの墓があり、芸術とつながりがあります。水墨画を見て檀信徒以外で足を止めてくださる人も多く、お念仏とのご縁を結ぶきっかけとなれば」と語った。

写真:完成した水墨画。冬景色をイメージした雪山などが描かれる。右手前に浄土寺の印

お寺で夏の思い出づくり

楽しみながら学べる場

★おてつぎこども奉仕団
 総本山知恩院(京都市東区)で、おてつぎこども奉仕団が7月26日から8月24日まで開催され、全国から約800名の子どもたちが参加した。
同奉仕団は、法然上人の教えを子どもたちへ伝えるための行事で、境内散策のほか、上人が修行された比叡山ひえいざんへの参拝など、お寺での生活を通して教えを楽しく学ぶプログラム。阿弥陀さまに〝仏の子〟になることを誓う「ともしびの集い」では自身の灯明を本尊に捧げ、正しく生きることを約束した。
★子ども夏季僧堂
 東京都文京区の傳通院でんづういんでは8月19日、20日にお寺での生活体験「子ども夏季僧堂そうどう」(豊島組青年会主催)が初開催され、33名の子どもたちが参加した。
 地元消防署と消防団によるポンプ車・ハシゴ車の消防体験、本堂でのお勤めや「ともしびの集い」、仏さまとのご縁を結ぶ「結縁けちえん式」などを通じ仏教情操を育んだ。

写真左:法然上人が25年間修行された比叡山・青龍寺報恩蔵を参拝する子どもたち

写真右:ともしびの集いの様子。本尊に灯明を捧げ、
仏の子として明るく・正しく・仲よく生きていくことを誓った

扇子展 夏の風物詩に

法蔵寺(長野)で公募作品展示

 7月13日から21日の9日間、長野県安曇野あずみの市の法蔵寺ほうぞうじ (大澤法我ほうが住職)と豊科とよしな近代美術館を会場に、扇子絵の公募展「第2回安曇野涼風扇子公募展」(実行委員会主催)が開催され、すだれに掛けられた作品が来場者に一服の涼を感じさせていた。
 安曇野在住の日本画家・岸野圭作さん(日展にってん特別会員)と親交の深い大澤住職が、「安曇野の夏の風物詩になるように」と昨年、扇子絵の全国公募を企画。近隣の豊科近代美術館、安曇野文化財団協力のもと公募したところ、予想を超える約1000件の応募があり大盛況となったという。
第2回となった今回は2歳から98歳まで約800点の応募があり、2会場に分けて展示。作品は朝顔やスイカ、猫、金魚といった身近な水彩画のほか、短歌や俳句などをしたためた書など多種多彩。招待作品として歌舞伎俳優の市川猿之助さん、料理家の陳建一さん、女流棋士の小林千寿さんなど、各界からも多くの作品が寄せられ、合わせて展示された。
 大澤住職は「梅雨明け前の蒸し暑い時期、庭園からそよぐ涼風を感じながら、熱の込もった作品をご覧いただけました」とにこやかに語った。取材=藤井勝彦(紀行ライター)

写真:法蔵寺に展示された作品を見入る来場者

告知 戦争体験談を「知り」「感じる」

神戸市で長崎被爆体験聴く会 10月13日

 戦争・被爆体験者から生の声を聴き、未来の平和につなげようと10月13日(日・午後2時~)、長崎での被爆経験をもつ木戸きど季市すえいち氏(79=日本原水爆被害者団体協議会事務局長)による「未来の平和を創るために—『知る』ことだけでなく、我がことのように『感じる』こと—」と題した講演会が、神戸市のコープこうべ生活文化センター(東灘区田中町)で開かれる。
 講演会は主催の兵庫県ユニセフ協会とともに、大阪府堺市・正明寺しょうみょうじ住職の森俊英しゅんえい師が企画に参加。本紙8月号特集「語り継ぐ戦争・被爆体験」に感銘を受け、紙面の一節から副題を加えたという。
 木戸氏は5歳の時、爆心地から2キロの長崎市旭町(現・光町)で被爆。被爆直後の惨状を目の当たりにしている。今回は体験談とともに核兵器廃絶に関する世界の現状について語る。参加無料、要事前予約。
申し込み・問い合わせは兵庫県ユニセフ協会事務局=078(435)1605。

終戦74年 国、宗教超え 戦没者を追悼

京都・檀王法林寺で「京都平和の集い」

 広島に世界初の原子爆弾が投下されて74年を迎えた8月6日、京都市左京区の檀王法だんのうほう林寺りんじ信ケ原雅文し が はらがぶん住職)で原爆犠牲者らの追悼を行う「京都平和の集い」が開かれた。
 原爆、世界の戦争犠牲者の追悼とともに、核兵器のない平和な世界を後世に残そうと、同寺、京都仏教徒会議、京都宗教者平和協議会などが共催し毎年行っているもので、今年で61回目。
原爆が投下された午前8時15分に平和を祈る鐘が撞かれ、黙とう。檀信徒、京都市民のほか、外国人参列者も多く、仏式による法要の後、キリスト教による祈りが捧げられ、国、宗教を超えて犠牲者への追悼を行った。
法要後、フランスで原爆の実相を伝える、美帆みほ・シボさんによる「短歌で伝える戦争と平和」と題した講演のほか、広島原爆以来燃え続けている「原爆残り火」を献灯したランプの炎を核廃絶の象徴として聖護院門跡しょうごいんもんぜき宮城泰年みやぎたいねん猊下げいかが吹き消した。

写真:「原爆残り火」を献灯したランプの炎を核廃絶の象徴として
聖護院門跡宮城泰年猊下げいかが吹き消した。

告知 五木寛之氏招き仏教講演会

栃木「仏教耕心の会」主催 9月29日


 栃木教区内有志僧侶で組織する「仏教耕心こうしんの会」が9月29日(日)、作家の五木寛之いつき ひろゆき氏を講師に招き「仏教耕心講演会」を栃木文化会館(栃木市)で開催する。
 同会は宗教・宗派問わず、広く仏教に親しんでもらおうと、平成26年に講演会を開始。毎年、著名な講師を招き、現在では千人規模の聴衆が集う人気講座に。
 今年は直木賞作家で、仏教にも造詣の深い五木氏を招き「こころの四季」を講題に行う。その他、会場ロビーには近龍寺きんりゅう じ(栃木市)所蔵の阿弥陀如来像が出開帳でがいちょうとしてまつられ、お名号の一筆写経や当日限定の御朱印も(志納金300円)。

写真:講師を務める五木寛之氏

【日時】9/29(日)14:30開演(14時開場)
【場所】栃木文化会館(栃木市旭町12-16)
【チケット】
全席指定
1階席:1300円、2階席:1000円
栃木文化会館窓口で販売中。
【問い合わせ先】
近龍寺=0282(22)0802

告知 どなたでも参加可能

24時間不断念仏会

 24時間不断念仏会が24時間ノンストップでお念仏をとなえる念仏会を9月27日から28日にかけて大本山清浄華院しょうじょうけいん(京都市上京区)で開催する。途中参加・退出は自由のため、観光の合間や仕事帰りにも参加可能。写経・写仏体験も。当日の様子はインターネット中継され、自宅でも共にお念仏ができる。HP=http://canchiin.net/
【日 時】27日13時(受付開始12時15分)~28日13時まで
【参加費】2時間以内500円(食事無)・2時間以上5000円(夕食・朝食込)
【問い合わせ先】
24時間不断念仏会事務局

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         『心に沁みる日本のうた』
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          仏教の話をしよう。』
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