浄土宗ニュース:2019年11月

台風19号 寺院にも大きな被害

河川決壊 とめどない濁流

 大型で非常に強い台風19号は10月12日から13日にかけ本州を縦断し、東海、関東、東北地方を中心に暴風、記録的な降雨をもたらした。死者68名、行方不明者12名(内閣府発表・10月20日発表)の人的被害のほか、多くの家屋に甚大な被害をもたらし、浄土宗寺院にも多数被害が出ている。

 浄土宗に寄せられた情報によると、岩手教区1カ寺、宮城教区7カ寺、福島教区8カ寺、栃木教区2カ寺、新潟教区1カ寺、長野教区5カ寺(10月21日現在)が被害を受けたほか、檀信徒も被災した。
 豪雨による河川氾濫の被害が大きく、長野市北東の穂保 ほ やす地区では千曲 ち くま川の堤防が決壊。同地区に隣接する善導寺(同市大町・吉水里香住職)には濁流が流れ込み、客殿、庫裏くり(居住部分)などの1階部分や墓地が水没した。
 吉水住職によると、13日未明にかけ水位が急速に上がり1階が浸水。停電による暗闇のなか、母親と二人、2階に避難し、いつ飲み込まれるかわからない「極度の不安」に襲われながら過ごしたという。日が昇った正午前に二人は自衛隊のヘリコプターによって救出された。「暗闇で不安な時、『必ず救います』と電話で何度も励ましてくれた警察の方の声がどれだけ救いになったか。感謝してもしきれない」と吉水住職は振り返る。
 また、同市松代まつしろ町の長明寺(小布施おぶせ弘遒こうゆう住職)、同篠ノ井御幣川おんべがわの香福寺(滝沢圭隆住職)でも床上浸水の被害があり、水の引いた14日から長野教区の青年僧らがボランティアに入り、泥のかき出しなどを行った。

写真左:10月13日午前、長野市・善導寺に自衛隊の救出が入る様子。ヘリコプターから自衛隊がロープで降り、
吉水住職の母親を救出している。水位は腰から胸まで上がったが、本堂の浸水は免れた。©共同通信社

写真右:長野教区青年僧のボランティアの様子。浸水した畳を外へ運ぶ(長明寺・10月17日撮影)


令和元年10月台風19号被害へのお見舞い

 広範囲にわたり甚大な被害をもたらした台風19号により、被災されましたご寺院、並びに檀信徒の皆様、被災各地域の皆様にお見舞い申しあげます。また、亡くなられた皆様のご冥福をお祈りし、心よりお悔やみ申しあげるとともに、行方不明となっている方々の一刻も早い救出と、一日も早い復旧復興を祈念いたします。

合 掌
令和元年10月15日
浄土宗


被災寺院救援義捐金のお願い
台風15号並びに19号で被災された浄土宗寺院を支援するため、義捐金のご協力をお願い申し上げます。

浄土宗
総本山知恩院、大本山増上寺、大本山金戒光明寺、大本山百萬遍知恩寺、大本山清浄華院、
大本山善導寺、大本山光明寺、大本山善光寺大本願
(公財)浄土宗ともいき財団、浄土宗寺庭婦人会、全国浄土宗青年会、浄土宗平和協会

【義捐金振込先】
■種  別:郵便振替 ■口座番号:01010-5-69420
■加入者名:浄土宗災害救援義捐金 ■受付期間:令和元年12月末日まで
※通信欄に「令和元年台風15号及び台風19号、その他災害」と必ずご明記ください。

【問い合わせ】
浄土宗総務部 災害担当 TEL:075(525)0479

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関連記事

台風15・19号 被災した寺院でボランティア

 今秋の台風15号および19号で被災した浄土宗寺院の復旧支援のため、被災直後から青年僧らがボランティアを行った。

■災害を経験した青年僧らが駆けつけ迅速な支援
 台風15号で大きな被害を受けた千葉県の寺院には関東地方、福島県、長野県、静岡県などの僧侶が駆けつけ、応急物資や食料・水の配布、瓦礫やごみの撤去などを行った。
 本堂の屋根がほぼすべて飛び、雨漏りで浸水するなど、被害が大きかった千葉県鋸南町きょなんまち浄蓮じょうれんでは9月10日から作業を行った。同寺の郡嶋ぐんじま泰威たいい師は、「瓦礫の撤去作業に頭を悩ませていたが、多くの方の力添えのおかげで、早い段階で作業を終えることができた」と感謝を述べた。
 被災当時、ボランティア支援者を取りまとめた、千葉教区浄土宗青年会の杉山裕俊会長は、「多くの方が支援に入ってくださり、東日本大震災や西日本豪雨を経験した東北・九州地方の僧侶方からは、経験による災害対応のアドバイスをいただいた。また、被災された檀信徒の皆さまが一刻も早い日常を取り戻していただけるよう寄り添っていきたい」と心境を語った。

■支援の青年僧ら現場を見て絶句…
 一方、福島県や長野県などでは、地元青年僧らが台風19号で被災した直後にボランティア支援を行った。
福島県伊達市内を流れる塩野川の氾濫により浸水した称名寺(同市)では、水没した袈裟や経本などを近隣寺院へ移動した。
 被災直後に同寺を訪れた青年僧は、「まさかここまで水位が上がるとは…」と絶句していた。青年僧らは、引き続きボランティア支援を行っていくという。

写真左:15号で被災した浄蓮寺の瓦礫を、自治体が設置した一時仮置き場所に運ぶ青年僧(9月15日撮影)

写真右:浸水した称名寺。被災当時、家族たちは庫裏2階に避難した(10月13日撮影)


子どもたちに情操教育を

手塚治虫の『ブッダ』紙芝居 園児らへ寄贈

 仏教文化を国内外に広める活動をしている(公財)仏教伝道協会(桂紹隆理事長)が、※手塚治虫の名作『ブッダ』の紙芝居と、野生司
のうす
香雪こうせつ画伯の『釈尊絵伝』パズルを(公社)日本仏教保育協会に所属する2500の保育園・幼稚園などに無償で寄贈した。
 幼児にお釈迦さまの一生を分かりやすく伝え、情操教育の一助にと考えた仏教伝道協会が、『仏教聖典』と手塚治虫『ブッダ』を題材に原案を作成。漫画や紙芝居を製作している㈱漫画家学会がイラストおよび紙芝居の製作を、そのシナリオとイラストの監修を㈱手塚プロダクションが行った。
 10月1日に仏教伝道協会本部(東京都港区)で行われた贈呈式には浄土宗保育協会副理事長・丹羽義昭師ら関係者100名が参列。
 式後には、漫画家学会所属の紙芝居師4名が実演。紙芝居の登場人物に合わせて動きを交えた臨場感あふれる紙芝居ショーに、会場が沸いた。
*手塚治虫の『ブッダ』
1972年から83年まで少年漫画雑誌『希望の友』(潮出版社)に連載された。単行本は2千万部が売れ、海外でも高い評価を得ている。

写真:中央手前が仏教伝道協会の桂紹隆理事長、後方右端手前が丹羽義昭師


令和 今上天皇即位記念

京都非公開文化財 特別公開 11月1日~10日

 京都府内の寺社など21カ所で、普段見ることのできない文化財を公開する秋の「京都非公開文化財特別公開」(京都古文化保存協会主催)が11月1日(金)から10日(日)までの期間で行われる。
 今年は今上天皇の即位を記念し、皇室とゆかりのある寺社を公開。浄土宗寺院では、皇族や公家が住職を務めたことのある総本山知恩院、大本山清浄華院、特別寺院光照院門跡こうしょういんもんぜき、特別寺院三時知恩寺さんじちおんじの4カ寺が選出され、各寺の皇室ゆかりの品々や、本堂や三門などの伽藍、国宝、重要文化財を拝観することができる。
 この特別公開は、文化財愛護の普及事業として昭和40年よりはじまり、毎年春・秋の年2回の開催。今回で通算76回目を迎える。

【公開情報】
● 期間:11月1日~10日
● 時間:9時~16時
● 拝観料(1カ所)
  大人800円
  中高生400円

● 問い合わせ
京都古文化保存協会
TEL 075(754)0120
※公開期間や、時間、拝観料などが、一部異なる寺院があります。
 詳細はこちらのHPを御覧ください。

写真:左から三時知恩寺・源氏絵扇面貼交襖、光照院門跡・釈迦如来立像、
大本山清浄華院・国宝 阿弥陀三尊像、総本山知恩院・重文・釈迦牟尼坐像


大本山知恩寺から大本山百萬遍知恩寺へ

地域の愛称 定着

 
 大本山知恩寺(京都市左京区=福原隆善法主)が9月から「大本山百萬遍知恩寺」に名称を変更した。
同寺の縁起によると後醍醐天皇(在位1318‐1339)のころに流行った疫病をしずめるため、7日7夜にわたり念仏を100万回となえながら、念珠りを行ったところ疫病が治まったことから、天皇から「百萬遍」の称号が送られている。
 住民からは「百萬遍さん」の愛称で長く親しまれていることなどを鑑み、法人名称の変更を浄土宗と京都府に申請していた。

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