浄土宗ニュース:2020年05月

法然上人 9年ぶりに御影堂へ

落慶御遷座法要 総本山知恩院

そうほんざんおんいん(京都市東山区・伊藤いとうゆいしん門跡もんぜき)は4月13日、創建以来最大規模の大修理が完了した御影堂みえいどうの落慶と、ほうねん上人しょうにん御堂みどうしゅうどう)に仮安置されていた法然上人御影像を移す「国宝こくほう御影堂みえいどう落慶らっけい御遷座ごせんざ法要ほうよう」を営んだ。
 御影堂は慶長けいちょう8年(1603)に徳川とくがわ家康いえやすが建立。火災で一度焼失したが3代徳川家光いえみつ寛永かんえい16年(1639)に再建した。今回の大修理は平成23年の「法然上人800年大遠忌だいおんき」記念事業の一環で、約9年にわたる大規模なものとなった。
 本来は4月13日から15日まで、浄土宗僧侶・檀信徒などを招いて盛大に慶祝法要を営む予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を鑑み規模を縮小、非公開として、同院職員のみで勤められた。
 法要は、14時に法然上人御堂から御影堂まで移すためのねり行列ぎょうれつから始まり、蓮台に乗せられた御影像は、御影堂に入堂後、念仏や木魚の音が響く中、宮殿くうでんの台座に納められた。
 導師を務められた伊藤門跡は法要後の御垂示ごすいじで、「新しくなった御影堂に法然上人をお迎えし、名実ともに〝生きた〟本堂となりました。ここからお念仏のみ教えを広めていくことが法然上人の願いに沿うことです」と語りかけた。
 また、井桁いげたゆうこう同院執事長は、「今はウイルスの終息を願うとともに、今後はこの御影堂から、浄土宗開宗かいしゅう850年にむけ、さらにお念仏の教えを発信していきたい」と感慨を述べた。

遷座法要

(写真=伊藤門跡によって、黄金色に輝く宮殿が清められた後、
僧侶たちによって法然上人御影像が中央の台座に納められた)
※遷座法要の様子はYouTube「公式チャンネル浄土宗」で、4月25日以降に公開予定。

日中仏教 黄金の絆

中国佛教協会から マスク1万枚寄贈

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、日本国内でマスク不足が続くなか、中国の仏教徒で組織し、各国仏教界との交流などを行う中国佛教協会(えんかく副会長)から、本宗に対してマスク1万枚が贈られた。
 浄土宗は昭和52年(1977)、法然上人が師と仰いだ中国唐代の高僧・善導ぜんどう大師だいしの1300年遠忌おんきを迎えるにあたり、大師が念仏の教えを広めた中国の仏教界との交流などを目的とした日中友好浄土宗協会を設立。以降、200回以上にわたり浄土宗僧侶の団体が善導大師に関係のある中国寺院を訪問するなど、縁を深めてきた。
 中国佛教協会は、2月に新型コロナウイルスまん延により多数の死者や罹患りかん者を出し、深刻な状況が続く中国の人々を慈悲じひの精神から激励したいと考え、仏教精神を表した墨書や絵画を募り、インターネット上で公開する墨蹟展を実施。その思いに賛同した日中友好浄土宗協会は、総裁を務める浄土門じょうどもん総本山そうほんざん恩院おんいん門跡もんぜきとうゆいしんげい、副総裁で大本山百萬遍だいほんざんひゃくまんべん恩寺おんじ法主ほっす福原ふくはらりゅうぜん台下だいか揮毫きごうされた墨書を寄贈していた。
 今回のマスクは、このことに対する感謝と感染拡大が続く日本の現状を心配して贈られたもの。マスクの入った箱に書かれた「一衣帯水 黄金紐帯」には、仏教国同士、黄金のように輝かしい絆を築きあげていこう、との意味があるという。
 また、中国佛教協会副会長で中国佛学院の常務副院長を務める宗性しゅうせい法師ほうしから、日本の平安を祈る「寄日本国友人(日本国の友人に寄す)」と題した3首の漢詩も寄せられた。
 浄土宗では、この支援に対して礼状を写真とともに同協会に送っている。
 マスクは、浄土宗社会福祉協会に加盟する老人ホームや障害者支援施設、養護施設などのマスクを必要とする施設を運営する社会福祉法人などに配布された。
 施設からは「入手困難な状況なので大変ありがたい。大切に使わせていただきます」といった感謝の声が多く寄せられている。

※記事中の福原隆善台下の「原」及び「善」の字は異体字となります。

マスク寄贈-伊藤猊下揮毫

(写真左=中国佛教協会への礼状とともに送られた一枚。マスクを手に持つ宮林雄彦みやばやしゆうげん宗務役員〈右〉と
中島なかじまぎょうゆう社会部長〈左〉の後ろには、日本語と中国語で感謝の言葉が貼られている)
(写真右=墨蹟展に贈られた伊藤猊下の墨書(写真右)。寄せられた書や絵画の閲覧はこちらから)

祈りの時間をともに

法要やストレス解消法を

インターネット配信 ―南米開教区―

 新型コロナウイルス感染拡大により外出禁止令が発令されているブラジルに所在する浄土宗南米開教区の各寺院では、集まることが難しいなかでも共に祈りの時間を持ちたいと、活動紹介や信者交流に活用しているフェイスブックで、その早期終息を願う法要や法話のライブ配信を開始した。
 また、クリチバにっ伯寺ぱくじ大江田おおえだこう主任)では、長期の自宅待機による運動不足やストレスの解消、生活リズム改善のために、毎朝、ラジオ体操や孤立した生活のなか笑顔を忘れないための「顔の体操」など家の中で楽しめるレクリエーションをライブ配信している。
 こうした取り組みにより、新たな縁がつながるなど、思いがけない良い結果も生まれているという。
イビウーナ日伯寺の櫻井さくらいそうゆう開教使は、「こうした活動の根底は、〝彼らのため〟ではなく〝彼らと共に〟という法然上人の〝共生ともいき〟の心を胸に南米開教に尽力された長谷川はせがわりょうしん初代総監から伝わる思い。時代が変わっても、お寺が大切にすべきことは変わらないと思います」と語った。

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(写真=4月8日イビウーナ日伯寺での花まつりの動画。配信は各寺のFacebookから誰でも閲覧できる)

ウイルス流行の早期終息を願い

富山・大楽寺 寺宝の神獣掛け軸公開

富山県射水市いみずし大楽寺だいらくじ田村たむら晴彦せいげん住職)が3月22日の春彼岸法要に併せ、病魔よけのいわれがある寺宝の神獣「白沢」の掛け軸二幅を特別公開し、新型コロナウイルス流行の早期終息を願った。
 白沢は、獅子の姿で九つの目を持ち、人の言葉を理解するという中国のしんじゅう。その絵は厄よけになると信仰され、江戸時代には道中のお守りとして身につけたり、病魔よけに枕元に置いたりもした。
 同寺の「白沢」図のうち一幅は古くから寺に伝わるもので、住職以外が見てはいけないとされてきた。
 田村住職は「ウイルスの流行が早く収まってほしいとの想いから、公開することにしました。一日も早く事態が落ちついてくれれば」と語った。今後も機会を設けて公開をするという。

こんなときだからこそ

『ブッダの処世術 心がすぅーっと軽くなる』が好評

「人は考え方を変えれば、もっと楽に生きられる」
浄土宗僧侶で京都文教大学学長の平岡聡氏の著書が好評だ。
 本書は、イライラする・期待しすぎる・クヨクヨするなど36の悩みを解決するためのお釈迦さまの教えを平易に解説。新型コロナウイルスによるさまざまなストレスの解消にもヒントを与えてくれるのでは。

発行・ワニブックス/四六判・237ページ/税別1、100円
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