浄土宗ニュース:2021年02月

浄土宗 宗立・宗門校がスポーツで躍動

東海学園高校(愛知)、東山高校(京都)、鎮西高校(熊本)、正智深谷高校(埼玉)、佛教大学(京都)が全国大会へ

年末、年始にかけて行われたスポーツの全国大会に、浄土宗の宗立・宗門学校が今年も出場。全国の舞台で熱戦を繰り広げた—。

全国高校バスケ
東山男子が準優勝。正智深谷は男子がベスト8

12月23日から29日にかけ、東京都内2カ所の会場で行われた「令和2年度第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)」には、東山高校(京都市左京区)の男子としょうふか高校(埼玉県深谷市)の男女が出場した。

昨年、準決勝で涙をのんだ東山は、初戦の日本航空(山梨)に大差で勝利し勢いに乗ると、準決勝では地区予選で敗れた洛南(京都)へのリベンジを果たすなど、順調に勝利を重ねて決勝へコマを進める。

初優勝をかけた決勝戦の相手は、仙台大学附属明成高校(宮城)。東山はキャプテンのよねおと選手を起点とした攻めで、第3クォーターを終えて55対42と13点をリード。このまま勝利へ突き進みたいところだったが、最終第4クォーターに、明成に試合の主導権を握られてしまう。点差を一気に詰められ、互いに逆転を繰り返す展開になるも、残り5秒で勝ち越しを許す。同点を狙って試合終了のブザーとともに放ったシュートは相手に阻まれて試合終了。70対72と僅差で優勝こそ逃したものの、準優勝という堂々の成績で今年の冬を終えた。

正智深谷の男子は、1回戦で勝利を収めると、2、3回戦でも着実に勝利を重ね、準々決勝で洛南に敗れこそしたものの、初のベスト8入りを果たした。一方の女子は、今回が初出場。初戦に勝利し、波に乗っていきたいところだったが、2回戦では終始リードを許す苦しい展開となり敗戦。今後のさらなる躍進が望まれる。

高校バスケ

(12月29日、仙台大学附属明成との決勝戦でシュートを放つ東山・米須玲音選手(写真提供:日本バスケットボール協会))

バレー・サッカー・駅伝も全国大会出場

1月5日から10日にかけ、東京体育館(東京都渋谷区)で行われた「第73回全日本バレーボール高等学校選手権大会(春高バレー)」には、ちん西ぜい高校(熊本市中央区)の男女、東山高校の男子が出場。

鎮西の女子は初戦から1セットも落とさず3回戦まで勝ち進むも、準々決勝で敗戦、ベスト8という結果に終わった。また、2回戦から登場した男子は、初戦に勝利したものの、3回戦で敗れ、ベスト16で戦いを終えた。

昨年王者の東山は、初戦となった2回戦に勝利。しかし、3回戦当日に発熱者が認められたため、大会実行委員会の判断で欠場となり、志半ばで大会を去ることとなった。

12月31日から1月11日にかけ、関東圏九つの会場で行われた「令和2年度第99回全国高等学校サッカー選手権大会」には、東海学園高校(名古屋市てんぱく区)が出場。明徳義塾高校(高知)との初戦は、両チーム決定機を欠き、無得点のまま迎えた試合終盤、明徳義塾に76分から立て続けに2本のシュートを決められ、0対2で敗戦。初の初戦突破とはならなかった。

12月30日に静岡県で行われた「2020全日本大学女子選抜駅伝競走」には、佛教大学(京都市北区)が出場。1区では、1位と21秒差の9位につけるも、2区以降で差を広げられ12位でフィニッシュテープを切ることになった。

コロナ禍の困難な状況のなか、全国の舞台で躍動した宗立・宗門学校。活躍する先輩の背中を見た在校生たちのさらなる飛躍を期待したい。

コロナ禍で混乱続く難民支援

「浄土宗なむちゃんエイド」 200万円を寄託

浄土宗では、1990年(平成2)の湾岸戦争に端を発して難民の問題が大きく報道されるなか、その救済のためには継続的な支援が必要であるとの思いを深め、1993年(平成5)、『浄土宗新聞』の購読料の一部をもとに「浄土宗なむちゃんエイド」を設立。浄土宗が『21世紀へきとう宣言』として発信する〝世界にともいきを〟に則した活動として27年にわたり、世界の難民支援機関であるユーエヌエイチシーアール(国連難民高等弁務官事務所)の日本窓口である国連UNHCR協会を通じて寄付金を寄託している。

令和2年度は、同エイドからの200万円に、浄土宗の公式キャラクター「なむちゃん」のLINEスタンプ売上金、個人からの寄付金を併せて寄贈した。寄託額は、今回を含め総額7400万円となる。

今回の寄付金は、ミャンマーのロヒンギャへの緊急支援と、避難生活を送る子どもたちの中長期的な初等教育支援に充てられる。

ロヒンギャとは、主にミャンマー西部のラカイン州に暮らすイスラム系少数民族。国籍を持たず、1990年代から数十年にわたって差別と激しい迫害に苦しめられ、多くの人が国外に逃れている。2017年(平成29)8月に起きた軍事勢力と政府軍の衝突の影響で隣国バングラデシュに避難したロヒンギャ難民は、もともとの避難民を含めると87万人を超える。

同協会は2017年の大規模な避難直後、迅速に援助活動を開始。援助物資の空輸を行い、人々が緊急に避難する場所の確保、テントや毛布などの配布を実施してきた。

現在、バングラデシュ南東部のコックスバザールにあるロヒンギャ難民キャンプでは、新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐ対策として、外からの人の出入りと大人数の集まりを制限しながら、隔離と治療のための施設の建設、感染対策に関する情報伝達を行っている。また、新型コロナウイルスの影響で、多くの難民の子どもたちが学校に通えない、または制約を受けていることから、家庭で勉強ができるように、教材の配布、ラジオやテレビを使った教育など、リモート教育を推進。感染症の影響が少なく、まだ学校に通える場合には、手洗いなどの衛生面を強化して、新型コロナウイルスの拡大防止に努めている。

今回の支援を受けて同協会の星野守事務局長は、「皆さまのご支援は、難民を守り、その人生を再建し、未来への希望をつくる大きな力。どうぞ今後も、温かいご支援をお願いいたします」と謝意を述べた。

ロヒンギャ

(難民キャンプの学校で教育を受けるロヒンギャの子どもたち(©UNHCR/Iffath Yeasmine))

マスク

(マスクを作ることで生計を立てる女性(©UNHCR/Hasib Zuberi))

ジャズバンド「勝手にしやがれ」が新譜リリース

がん闘病 仏教の救いを曲に

ジャズバンド「勝手にしやがれ」の新アルバム『ニルヴァーナ・サン』が1月27日に発売された。

ボーカル兼ドラムスで、作詞・作曲を手掛ける武藤昭平氏は、静岡県熱海市の海福寺檀徒。仏教へのぞうけいが深く、平成30年には法然上人のぼんかんに感銘を受けて制作したという『ぼんじんさん』を発表。また一昨年には、浄土宗の教えの真髄を伝える最も重要なほうじゅうそうでん」を、昨年にはじゅかいをともに大本山増上寺(東京都港区)で満行(修了)している。

今回発表したアルバムは、自身が平成30年に食道がんの闘病中から詞を書きつづったもの。「闘病中は仏教が支えになった」と述懐しているが、曲にもそれが表れる。1曲目の「ザ・ムーンレイカー」は宗歌「月かげ」や、法然上人のご法語 ※「往生のごうを相続すれば、(中略)もうねんあししげけれども、さんじんの月はやどるなり」から影響を受けたという。

また2曲目の「ニルヴァーナ・サン」は、闘病中に「自分が救われたい」という気持ちが次第に「すべての人が救われてほしい」との心境に変わっていったことから、その気づきこそが「ニルヴァーナ=はん」や、浄土教の「万民救済」に通じると考え、太陽(サン)のようなあたたかなこうみょうを感じてもらいたいと楽曲に「救い」の思いを込めたという。

武藤氏は「大病を経て生まれてきた曲たちが、コロナ禍の不安な世情の中で、皆さんが少しでも笑顔になり、心が澄んで落ち着くお手伝いができれば」と話す。

アルバムは全11曲。武藤氏が辛く悲しい時に聞いていたというチャールズ・チャップリン「スマイル」や、デヴィッド・ボウイ「トゥナイト」などのカバーも収録。

※月の光を阿弥陀さまの慈悲の光に、人々の心の中のぼんのうの働きを池中に生い茂る葦に例えた法然上人のご法語。
意訳=葦の茂った池では十五夜の月も遠くからでは映らないように見えますが、よくよく近づき、かき分けて見てみれば月はきちんと映っているのです。同じように心に煩悩という妄念の葦が茂っていようとも、自身を飾らずお念仏をおとなえすれば、往生を願うものが持つべき三つの心(素直な心・深く信じる心・他者のためにつくす心)が自然と身についていくのです。

武藤昭平さん

(むとう しょうへい 昭和43年福岡県生まれ。平成9年にジャズバンド「勝手にしやがれ」を結成。ギターレス、なおかつドラマーがヴォーカルを兼ねるという独特のスタイルが特徴の7人組として話題を呼ぶ。ソロ名義「武藤昭平withウエノコウジ」のほか、加山雄三率いる「THE King ALL STARS」のドラムスとしても活躍中)

『ニルヴァーナ・サン』

【CD情報】
『ニルヴァーナ・サン』
3000円+税、1月27日発売。お求めはCDショップや、音楽配信サイトから。

学びの一助に

学びの一助に

「社会参加する仏教」を志向し、国際交流や地域福祉などで幅広く活動する浄土宗平和協会(廣瀬たく理事長)は、12月、日本で学ぶ留学生に書籍を贈呈する「ブックギフト」の授与式を東京・愛知・京都・福岡の4地区で開催し、54名の学生に書籍を贈った。

ブックギフトは、私費留学生に希望図書を提供し、学業を支援する事業。同会が指定する地域の大学や大学院、短期大学、専修学校で学ぶ留学生が対象となる。

12月13日に名古屋市東区・けんちゅう寺(村上しんずい住職)で行われた授与式では、愛知県内の大学に通う中国、ベトナム、韓国からの留学生8名が出席、村上住職から書籍を手渡された。

参加者の一人・南山大学のカンイン氏は謝辞で「今まで以上に研究にいそしみたい」と抱負を語っていた。

ブックギフト

(村上住職から本を受け取る参加者)

文化庁長官表彰に小林正道師

宗教文化振興への尽力を評価

日本の文化の振興や発信に貢献した人物を表彰する令和2年度文化庁長官表彰にみょうじょういん(東京都港区)住職の小林しょうどう師が選ばれた。

小林師は、浄土宗など仏教の主要50宗派が加盟し、仏教文化活動の宣揚を目的とした公益財団法人全日本仏教会(全日仏)の事務総長などに就いた後、同会理事長と宗教界の連合組織で宗教文化の振興・普及活動を行う公益財団法人日本宗教連盟(日宗連)の理事を平成24年から2年間務めた。

そのなかで、同23年に発生した東日本大震災にあたり、被災した宗教施設の精神的、文化的重要性を訴え、国の復興対象とする必要性を述べた同連盟の意見提出に携わるなど、宗教界に寄与してきた。

今回の表彰は、長年に渡るこのような宗教文化の振興への尽力などが評価されたことによる。

本年度の受賞者は、歌手や落語家、俳優など76名の個人と1団体。宗教界では、同じく全日仏理事長、日宗連理事を務めたそうとうしゅう僧侶のかまりゅうぶん師、日宗連理事、日本キリスト教連合委員長を務めた渡邉すみゆき氏が選出された。

12月17日に、東京の赤坂インターシティコンファレンスで行われた表彰式に出席した小林師は、宮田亮平文化庁長官から表彰状を手渡された。

小林師は、今回の受賞について、「私個人ではなく浄土宗や宗教界全体として受賞したもの。これだけ宗教や宗派の垣根を超えて、活動しているのは日本の誇りだ。長年にわたり日本の宗教界が築いてきた関係性が高く評価されたことがうれしい」と喜びを語った。

文化庁長官表彰

(宮田長官から表彰状を受け取る小林師)

中日・大野雄大選手

中日・大野雄大選手

京都市北区にある浄土宗宗立学校の佛教大学(田中典彦学長)は、昨年12月18日、プロ野球2020年シーズンで、先発投手最高峰の賞である「沢村賞」を獲得した同大学卒業生の中日ドラゴンズ・大野ゆうだい選手に『佛教大学スポーツ栄誉賞』を授与した。

この賞は、スポーツ競技で極めて優秀な成績を修め、その活躍により同大学ブランドの向上に貢献した学生や卒業生などを表彰するために昨秋創設。大野選手は受賞第一号となった。

同30日に田中学長を表敬訪問した大野選手は、「第一号での受賞は光栄」と喜びを語り、「来季は五輪メンバーに入り、活躍したい」とさらなる飛躍を誓った。

佛大スポーツ

(一昨年9月にノーヒットノーランを達成した試合のボールを大野選手から受け取る田中学長)

地域の歴史を後世に伝える

江戸時代焼失 芭蕉の句碑を再建 郡山・善導寺

福島県郡山市の善導寺(中村りゅうびん住職)が、江戸時代に同寺境内にあった、「おくのほそ道」で知られる俳人・まつしょうの句碑を再建した。

令和元年、同じ地区にあるさかくにつこ神社に所蔵されていた古文書から、芭蕉が旅の途中で安積郡かたひら(現郡山市)を訪れた際に詠んだとされる「あさやま(安積山)かたびら(片平)ほしてとお」という句が発見された。そのなかに、その句碑が同寺にあったと記されており、ぶん4年(1807)のこおりやま宿しゅく大火で同寺が焼失した際に、行方不明となったことも判明した。

同寺は、昨年に句碑の再建をほつがん。あわせて同寺檀徒で、芭蕉の俳諧を同地で広めた江戸時代の俳人・佐々木しゅうと、その実弟で、同寺18世住職・なんぜん上人を俳諧の師とする俳人・しおめいめいの句碑も建立した。

中村住職は「失われた句碑を再建でき、大変うれしく思います。地域の歴史を後世に伝えるとともに、観光の一助にもなれば」と語った。

佛大スポーツ

(約200年ぶりに、同寺に建立された句碑)

コロナ終息願い 一千礼拝

長野・貞松院

一年間に犯した過ちなどをさんするため、念仏をとなえながら繰り返しらいはいし、心身を清める法要「ぶつみょういっせんらいはいぎょう」を12月21日、長野県諏訪市のていしょういん(山田ゆうどう住職)が営んだ。

仏名会

この法要は平成13年から毎年同寺で行っているもの。例年は檀信徒や市民も参加していたが、今年は感染症防止のため一般参加を取りやめ、山田住職と諏訪組浄土宗青年会に所属する僧侶4名のみで勤めた。

「僧侶として今できることは、コロナで亡くなった方へのこうと終息祈願」と語る山田住職は、他の僧侶らとともに、一心に「南無阿弥陀仏」ととなえながら、千回にわたり、両肘・両膝・頭部を地につける「たいとう」を繰り返し、自己の行いを反省しつつ、新型コロナウイルス感染症で亡くなった方の供養をし、その終息を願った。

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