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まごころを込めてお参り 秋彼岸(あきひがん)

2021年09月01日

紅蓮華 彼岸の花 Daikegoro / PIXTA(ピクスタ)

日本には「暑さ寒さも彼岸(ひがん)まで」といわれるように、秋彼岸を迎える頃には、残暑もやわらぎ過ごしやすい時期となります。
秋のお彼岸の期間は、秋分の日を挟んだ前後3日間をあわせた7日間(今年は9月20日~26日)で、多くの寺院では彼岸会(え)が営まれ、墓所は、お参りの方が供えた色とりどりの季節の花でいっぱいになります。

「彼岸」とは、サンスクリット語の「波羅蜜多(はらみた=パーラミター)」の訳語で、煩悩(ぼんのう)を川の流れに譬(たと)え、浄土宗では、私たちのいる生まれ変わり死に変わりを繰り返す迷いの世界「この岸(此岸(しがん))」から、さとりの世界である「かの岸(彼岸)」極楽浄土に渡ること(到(とう)彼岸)を意味します。

彼岸の法会(ほうえ)は、平安時代初期に編纂(へんさん)された勅撰(ちょくせん)史書『日本後紀(にほんこうき)』に、「崇道(すどう)天皇を奉(やしな)うため、諸国の国分寺僧をして春秋の二仲月(陰暦2月・8月)別(わか)つ7日、金剛般若経(こんごうはんにゃきょう)を読ましむ」と書かれているように、平安初期に始まったと考えられます。しかし、この頃はまだ「彼岸」という語は用いられませんでした。

平安時代中期には、法然上人が師と仰ぐ中国・唐時代の僧、善導大師(ぜんどうだいし=613-681)が、著書の『観無量寿経疏(かんむりょうじゅきょうしょ)』で、春分・秋分の日を「太陽が真東から出て真西に沈む春分と秋分の日に、沈みゆく夕陽を見て、その彼方にある西方極楽浄土に想いを馳せ、往生(おうじょ)の願いをおこすのに適している」と説かれたことから、当時の浄土教信者を中心に、春分・秋分の日には、落日を観て、阿弥陀仏による救済、つまり西方極楽浄土への往生を願うという仏教観が起こりました。このことが、従来にあった先祖供養の風習に結びついて、現代のお彼岸の行事が形づくられました。

このお彼岸の機会に、先祖供養のためにお墓参りに行く方も多いかと思います。またその際、亡き人を思い出し、今の自分の環境を振り返って、感謝の気持ちを改めて感じる方も多いのではないでしょうか。

なかなか外に出るのもはばかれる時世ですが、この機会に無理のない範囲で、菩提寺やご家庭でお参りください。

娑婆(しゃば)世界である此岸からご先祖さまがいらっしゃるさとりの世界である彼岸へ向けて、日頃の「感謝」と供養の「まごころ」、そして何よりお念仏の「功徳(くどく)」を亡き方へめぐらし向けるとともに、〝いつの日かあなたとお浄土で再会できますように〟との想いを込めて、お念仏をおとなえしましょう。

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