七五三
木々が鮮やかな赤や黄色に染まりはじめ、秋の気配を色濃く感じる季節となりました。この時期に思い浮かぶ行事に、「七五三」のお祝いがあります。
七五三とは、一般的には11月15日に、3歳、5歳、7歳の子どもの無事な発育を喜び、より一層の成長を願って、神社や寺院で行う儀礼です。
その由来は、3歳の男女の「髪置」、5歳男児の「袴着」、7歳の女児の「帯解」のお祝いで、江戸時代には武家や裕福な商家の間に広がりました。やがて明治時代に、この三つの祝い事をまとめて「七五三」と呼ぶようになり庶民の間にも広がりました。
浄土宗寺院で七五三を行う意味とは、阿弥陀さまとご縁を結び、仏(さとりを開いたもの)・法(仏によって説かれた教え)・僧(その教えに従って生活する集団)の三宝に帰依する、つまり仏教徒になる機会であるとともに、阿弥陀さまやご先祖さまに対して、日々の平穏を祈り、今後の無事な成長を願うことにあります。
浄土宗では、この三宝帰依の精神を、「明るく」=「仏に感謝できる心」、「正しく」=「我が身を振り返る心」、「仲良く」=「仲間を思いやり敬う心」の三つの標語に置き換えて表現しています。